女性が本物の恋愛に目覚めたら、素敵な聖魔女に変身でき、素晴らしい世の中をつくることが可能になる。なぜなら、そこでは女性の「霊力」がアクティブになるからだ。
残念ながら野郎どもには、この才能がない。いや本源的にいうと、ないことはないのだが……よっぽどの修練をしないと活性化しないのだ。
それに引き替え女性は、いとも簡単に魔女才能――すなわち霊力を活性化できる性質というか体質というか……を生まれながらに具えている。その最も発現しやすいシチュエーションが恋愛なのである。
じゃあ、発現した女性は?
ここについては――ボクが経営コンサルティング情報誌の月刊『企業診断』に掲載してもらったコラム「女性の霊力が企業を救う」シリーズから引用しよう。
※ただし、このころのボクはまだ「聖魔女」という言葉は使っていない。
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精神の時代の担い手である女性が、もっともパワーを発揮するのは「恋愛」である。なのにこれまでのビジネス論で、このことが語られる機会はほとんどなかったといえるのじゃないか……とボクは思う。
……中略……
そして女性が、その能力を最大に発揮する機会は「恋愛」にほかならない。なぜなら「生命をはぐくむ」という女性が本源的に持つエネルギーがもっとも輝くオケージョンだからである。その時、彼女たちは魔女に変身する。
もちろん、魔女といっても、箒に乗り、空を飛んで、悪さをする婆さんのことじゃない。愛する対象のために生命賭けで、霊力を発揮する素晴らしい魔法使いの女性のことだ。ほら、恋愛中の女性は、美しいだけでなく、素敵な波動を発散する。さらに不可能と思えるようなことサラリとをなし遂げてしまう魔力を持つ。本当に、これはスゴイ。
……中略……
この生命力――はっきりいって霊的次元でのエネルギー量の大きさのこと。そう、第一回で述べた「万物の霊長」である人間の中でも、男性より女性のほうが大ボスなのだ。霊的なパワーが大きいということは、当然ながら「霊感」も強いし「霊力」もデカイ。この力こそ、今世紀のサクセスキーである。だったら、より強大なエネルギーを中心に据えたほうが理に適っていると思わないか。
かといって、いまの企業体の組織図を再編して、トップをみんな女性にしろといっているわけじゃない。それでは、前回述べたように「男性のポジションに女性が取って替わる」だけで、女性本来の能力が発揮されない。それどころか、彼女たちの霊力をそぐ。
それに「つくる」と「こわす」は男性の特質だ。女性の能力は「はぐくむ」ことである。創造性が重要なトップマネージメントには男性が向く。ただ、その継続性という限りにおいては「はぐくむ」女性に軍配があがる。このあたりのバランスを考えて、人材を配置すればいい。
……中略……
かつて「女子社員業は結婚までの腰かけ」といわれた時代があった。現在では、そんな考えは少数派だろう。だけど、いまでも、その意識を引きずっているオッサンどもがいる。そんなオッサンたちは、女性社員に「お茶くみ」に「コピー取り」「電話番」「お使い」「雑用」をさせてノホホンとしている。それこそ女性の魔力を封印する側に回っているのだ。
それに、これらの仕事のほうが、オッサンたちのそれより重要なことが多いのに気づかない。おめでたい限りだ。
たとえば、お茶くみ。ボクはクライアントと、その取引先に同行した時、出涸らしの不味いお茶や煮つまったコーヒーを出されたなら、かならず「取り引きは慎重に」と耳打ちすることにしている。お客さまの口に入るものに無神経な企業にロクなところはないからだ。オッサンどもは自分のお茶に「ふきんの絞り汁」を入れられているかも知れない。
ボクは、ある事務用品会社の秘書課の女性が「うまいお茶を淹れる」ということで、取引先の広告代理店のエリートを射止めたことを知っている。
ところがである。この女性は、自分の「お茶くみ」仕事に誇りを持っていたわけでも、先輩や上司から「うまいお茶の淹れかた」のコーチを受けていたわけでもない。なのに「うまいお茶の達人」となった。どうしてか?
じつをいうと彼女から先に、その広告代理店の彼に恋をしたからである。
彼女は思っていた。
「こんな素敵なひとだから、きっと恋人はいるにちがいない……」
でも、ある時、彼が「美味しいお茶をありがとう」といってくれた。これに感激した彼女は「もっと美味しいお茶を……」と思ったわけだ。お茶っ葉をしっかりと選び、お湯の温度に気を配り、丁寧にお茶を淹れる。茶菓子にも気を配る。もちろん、彼に対しては特別に思いを込めて淹れるわけだけど、当然のことながら――ふだんのお茶も格段にうまくなった。おかげで、ほかののお客さまにも好評で、事務用品会社の商談を強力に支援することになったんだ。
ほかのお客さまからも「いろんな会社にいくけど、君の淹れるお茶は特別に美味しいね」と声がかかる。彼女は、自分の仕事に自信を持つようになり、ほかの仕事にも、こころを砕くようになった。
すると彼女に劇的な変化が起こった。美しくなったのである。もちろん、顔カタチが変わったわけじゃない。それは整形でもしない限りムリな話だ。ちがうんだ。彼女の発するオーラが変わったのだよ。生命力が輝きだした。
よく「輝くひと」というでしょ? でも、それは雰囲気のことで、実際に光っているわけじゃない。そのひとから、えもいわれぬエネルギーというか、熱というか……が照射されている感じだ。
……中略……
分かったかな。事務用品会社の彼女は、広告代理店の彼への恋という触媒によって、女性が本源的に持っている霊力を目覚めさせた。生命エネルギーを活性化させたのだ。このエネルギーの正体こそが、セックスエネルギーである。
ひとは性エネルギーが活性化するほど魅力的になる。セクシーになるのだ。その健康的なセクシーさは、ひとを魅了し、環境に影響を与え――仕事面でも、やる気を強力に支援する。このことは男性にも女性にもいえる。とりわけ、女性は顕著になる。
……中略……
ところが、こんな風に「恋愛力を経営戦略として活用する」なんてことは、これまでほとんど考えられることはなかった。でも、うまくいっている企業をよ~く観察すると、意識するしないは別にして、このパワーを使ってる。そこに高邁な理論・理屈はない。きわめてシンプルなのだ。
……中略……
えっ、男性はどうするかって? 放っておけばいいよ、そんなもん。いいかい。男なんて単純だ。女性がキラキラと輝き、バリバリと活躍するようになれば、男性は「オレだって」となる存在だ。ならないヤツはリストラだ。だって、とどのつまり、男性は「女性にほめられたい」「女性の尊敬を集めたい」と思いながら生きてるんだもの。
恋愛力が目覚めると、性エネルギーが活性化して、女性は魔女に変身する。霊感も霊力も発揮しまくりとなる。魔法を使えるようになるわけ。すると彼女たちは、その能力を恋の対象に使いたくなる。その恋の対象とは、カッコいい上司、あこがれの先輩……そして仕事である。
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そうなんだ。
女性は恋愛パワーによって霊力を目覚めさせ、その霊力を使ってシチュエーションを変革できる能力を持っているのだよ。
引用文は経営コンサルティング情報誌のコラムからなので、それを企業経営に活用しろって言い回しになっているけど――世の女性は、この女性独自の才能を生かし、自身の人生を切り拓いていく方向に活用してほしい。