いま「関係性」のアイデンティティ(足場)となるもの | 魔法の言霊――寿詞(よごと)説法師が贈る人生のヒント

魔法の言霊――寿詞(よごと)説法師が贈る人生のヒント

おめでとうございます!

『魔法の言霊(東方出版刊)』の著者・橘月尚龍です。
ボクが、この本を上梓したのが2002年――
それから世には同様の表現があふれて玉石混合で、
わけ分からん状態になってます。

そこで本家としてのメッセージを発信することにしました。

 ブランドとは「関係性の中に存在する」もの――つまり、ブランドを構築しようとする「あなた」と、そのブランドを支持してくれる「生活者」との関係性の中に存在し得るわけなのだけど、その関係性を構成する共通の「なにか」がないと成立しない。まあ、簡単にいうなら、くっつけるための「のり(接着剤)」すなわち「足場」が必要なのだ。
 ところが困ったことに……そんな足場なんて、ある意味、ひとの数だけ存在してしまう。だって、みんな一所懸命に生きているわけだし、その拠りどころなんて、生活者それぞれだ。その共通の足場なんて、はたして存在するのか?

 また『存在意義のストラテジー』から該当箇所を引用しよう。

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 時代は変わった。これまでの企業体はゴーイングコンサーン――すなわち、長期に亘る極大利益の追求と永続性をその存在意義としてきた。ところが「精神の時代」においては、かならずしも、そうではなくなってきている。
 例えば「利益」は、これまで「経済」つまり「お金」と位置づけられてきたことも事実だ。しかし、いまや、もっと広い意味でのベネフィット(利益)が企業に求められつつある。社会との調和や社員のやりがいなど、それこそ本シリーズが掲げる「存在意義」という価値をもたらすベネフィットになってきた。いや、そのベネフィットこそが主で、お金が従となってきているのが「精神の時代」における利益といっていいだろう。だから利益を「りえき」と読まず「りやく」と読んだほうが分かりやすいかも知れない。そう、神仏が授ける御利益(ごりやく)のことだ。
 また「永続性」も、重要な要素ではあるものの、絶対ではなくなった。かつて未来経済学者のヘイゼル・ヘンダーソン女史が予言した「企業に永続性はない。企業も生命体と同じように――誕生~成長~成熟~衰退~滅亡のプロセスを歩む」が顕著化としてきている。旧時代は衰退~滅亡の淵にあった企業でも、業態の変更や合併・買収などでサバイバルできた。ある意味、カンフルが機能したのだ。それは「モノの時代」すなわち「三次元化」の時代だったから。
 ところが「精神の時代」となったいま、潮流が逆転し、すべてが「意識化」のプロセスにある。企業にも人生があり、誕生~成長~成熟~衰退~滅亡という自然界の摂理からまぬがれる存在ではないことが分かってきた。いや、ひとびとが意識の根底で感じはじめているといったほうが正しいのかも知れない。

 ……中略……

 さて、これらの新しい環境変化をしっかりと認識した上で、あなたのビジネスにおける企業の存在意義について考えてみよう。もっというなら、あなたがブランドとなり、ひとびとから受け容れられ、本当のベネフィットを追求し享受できる存在となるための「価値」についての再認識だ。すると今回も難問のように感じるかも知れないね(笑)。なぜなら、これまでの企業の存在意義である「利益追求」と「永続性」という立脚点――つまり、ハシゴを外されてしまったわけだから……ね。
 そこで「精神の時代」における足場、すなわちアイデンティティが必要になってくる。極論するなら「我々は、なんのためにはたらくのか?」という哲学的ともいえる命題だ。もちろん、これはまず、個人に対する質問となる。その上で、その実現のためのビジネスなり企業体の存在価値となる。

 ……中略……

 ただ、ここでお話ししたいのは――気づいたひとはもちろんのこと、なんとなく感じているひとびとも「自分探しの旅」つまり「自分という存在のブランド化」をはじめたということである。

 ……中略……

 ところがである。あなたが新しい潮流をしっかりと感得していたなら、いともたやすい問題であることが分かるだろう。たしかにディテイル部分は千差万別かも知れないけど、その足場はたったひとつだ。それを持つか持たないかだけのことである。答えは、いたってシンプルなのだ。
 そして、それとは――生けとし生けるものが暮らす母なる星「地球」だ。前回、新しい潮流についてボクは「地球がブルッと身震いをして、地平を瞬時に入れ替えてしまったのじゃないか?」と書いた。そうなんだ。この新しい潮流の源は、地球の波動なんだよ。その波動の変革に、ひとびとは感応しているのである。結果、自分自身の生きかたを見つめ直しはじめたというわけ。
 ならば――簡単じゃないか。あなたブランドのアイデンティティを母なる地球に求めればいい。いってしまえば「地球ブランド」だ。

 ……中略……

 そこで(前シリーズでも書いたが)、こんな風に考えてみないか? あなたは地球株式会社の正社員であって、いまのビジネスでは派遣社員である……と。これは、あなただけじゃない。あなたがビジネスでおつき合いするお客さまをはじめとして、すべてのひとがそうなるわけだ。

 ……中略……

 すると見えてくるだろう……そのとおり! 人類の精神的な進化に貢献するか否かということが最重要になってくる。

 ……中略……

 そうするともう、ひとの精神活動に対するベネフィットの最大化しかないことが分かるだろう。あなたが、あなたの仕事を通じて「ひとびとの歓喜」を呼び起こし、結果として地球の甦生……いや、地球の高次への転生に貢献するのだ。

 こんな風にいってくると、あなたは「橘月よ。それでは、まるで宗教団体じゃないか!」というかも知れない。そのとおり! ボクはブランド形成とは信仰だと思っている。だから冒頭で利益を「りやくと読もう」とまでいったのである。

 ……中略……

 いいかい。潮流が変わった時、その奔流はさまざまな垣根をこわしたのだよ。そのひとつに企業や宗教団体、ボランティア団体などといった垣根がある。極端な話――政治や経済、治安、道徳、宗教、文化などなどが、み~んなシャッフルされてしまったわけ。そして混ざり合った流れが意識化に向かっているのだ。

 ……中略……

 そして、その御利益とは、あなたの仕事に関わるひとびと――お客さまもスタッフも取引先も――に対して、魂魄の進化を支援する精神性なのだ。さらに、その精神性の伝播により、親会社の地球株式会社の甦生と進化に貢献することになる。

 ほら、旧時代の物差しでいうなら――もう「宗教」というしかない。でも、シャッフルされた現代では、すでに宗教ではないんだ。そんなおどろしい抹香臭い世界じゃない。ある意味、哲学とか思想と呼ぶこともできるだろう。でも、それも旧時代の発想だ。
 そんな言葉の枠を超えた表現できない「なにか」というのが正直なところだ。だからボクは、かろうじて「潮流」と呼んでいる。理解はいらない。感じることだ。そうすれば、高次へ向かおうとする地球のバイブレーションこそが――あなたとの関係性を保証する土台であることが分かるだろう。
 だから「御利益」なんだよ。この波動を感得した生活者が自分をブランド化しようとする時、あなたのブランドが、それを支援してくれる御利益を持つかどうかがサクセスキーとなる。そしてそれは精神性に依る。宗教的な表現をするなら「依代(よりしろ)」となるか否かということだ。そうなのだ。あなたのブランドが生活者の精神の向上における依代としての機能を果たすなら――新しい潮流の中で、あなたはあなたのブランドと生活者自身のブランド化の関係性において共通のアイデンティティを持てるのである。

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 分かったかな?
 そう、精神の時代においての共通の足場は「地球の未来に資する」しかない。それは、ひとびとの精神性に懸かっているといっても過言じゃないだろう。
 そして、それを支援できる存在こそが、これからは「ブランド」となっていける。言い換えるなら、そうでない存在はブランドとはなれないことの認識が必要なのである。