「デジタル難民」について河野大臣へ

 

狙われたのは、青森市中心部にある小さな居酒屋だった。青森ねぶた祭で使われるねぶたの「面」が飾られた店内は、地元の食材を使った料理と地酒を目当てに、常連たちでにぎわう。そんな店を切り盛りする男性店主のスマートフォンが鳴った。

画面には、40件近い最低の「星1」の評価。

「いったいなんだこれは」

店主は頭が真っ白になった。

その背景には、「ChatGPT」など、AI=人工知能などの進化を上げる専門家。青森の小さな居酒屋に何があったのか(←2023年6月5日 NHK青森放送局 早瀬翔さんの記事より。以下略)。

 

 「デジタル難民」たる私からすれば、これはもう別世界の出来事。正しく「天災」です。「お気の毒に」。「でも負けずに頑張ってください」と願うばかりです。

 だから、私としては、出来るだけそういうことに関わらず、ひっそりと、庭に植えた胡瓜の苗が大きくなるのを楽しみにして暮らしたいと思います。

 

 しかし、そうもいかないようです。

 

 先日、役所である方が「印鑑登録したい」というと「かくかくしかじかの書類を用意してください」と言われ「いずれもない」というと「ではできません」とのこと。

 これまで印鑑証明など必要なく80年以上、その町に生まれ育っているにもかかわらず、これが行政=政治の現実です。自分が必要と言うより「役所から印鑑証明を出しなさい」と言われて、仕方なく印鑑登録しょうとしたに過ぎません。また「戸籍謄本」を役所に提出したところ「これはおかしい。法改正の部分が記載されてない」と言われました。「戸籍謄本の記載事項に我々は一切関与していません。おかしいのは役所でしょ」と言いたいけれど言ったところで埒があくわけでもなく「出直します」と言うしかありません。

ここまではまあいいとして、今度はマイナンバーカードを持ってないと世の中の仕組みから「デジタル難民は排斥する」という。「税金もちゃんと納め、何も悪いことしてないのに。どこへ行けばいいのやら」困ったことです。

 

河野大臣がマイナンバーカードにまつわるトラブルについて「ああだのこうだの」、あるいは「病歴がどうのこうの」とテレビで言っておられた。

 そんなこと政治家に求めていません。官僚で十分です。

 官僚ではなく、政治家が強制力のある税金の上に立っているのであれば「デジタル難民」を生み出すのではなく、「マイナンバーカードの紐づけは『冒頭の記事=天災』、『銀座の強盗事件』、『闇バイト』、『悪戯投稿』等々とセットですよ」と言うべきです(※後述1)。

では、デジタル化はどうするのか。それは「政治家=掃除屋」の仕事ではなく「企業人」が「他国との競争に負ける」と思えば「勝つようにする」しかないではないか。政治家の出来ることは「企業人を邪魔しない」。それで充分です。

不都合が生じれば、内情を知る生みの親である企業人が対処するのが一番早い。そして我々は不都合を生じさせた企業には投票(購買)しない。これが、今の投票のように「曖昧模糊」としたものではなく、我々の意思が直接的に投票に反映されるあり方です。

政治家の皆さん、そして我々は「なにかをリードするのが政治家」などと勘違いするのはもうやめましょう。「公明党と自民党」の不協和音に見られるように、彼らの「第一義的な関心事」は「選挙に勝つこと」だからです。

 

 

※後述1

 なぜそうなのか。

2023年3月4日投稿分「1再び、この馬鹿な戦争を『アメリカ、ゼレンスキーはやめよ』。2復元力を求めて」の内の「2復元力を求めて」を参照。

 

 

 

          2023年6月5日     井筒屋 弟二郎