本来面授面受で直接お話すべきものですが、門下生が一堂に会することが難しいので、特に共有すべき事をブログ法話で共有いたします。
そういう趣旨ですので、内容は門下生向けです。門下生の皆様は趣旨をご理解いただき、長いですが必ず一読のことお願いいたします。
今回は、ご自身の所属される組織「金剛禅総本山少林寺」および「松戸上本郷道院」のコンプライアンスと方針です。
はじめに:予見される宗教離れ
7月8日に安倍元総理が暗殺されました。この事件の実行犯の動機は「特定の宗教法人の要人を狙ったものだった」と連日ニュースで流れています。
また、その宗教法人では過去には高額のお布施を強要したかのような報道もあります。
このようなことが起きると、大括りに「宗教はやばい」という評判が出回り、事件に関係のない宗教にまで「宗教離れ」 の余波が生じます。
我が組織も宗教法人。その煽りを受けますし、皆様の中にも多少なりとも不安に思う方がいても不思議ではないと思います。
怪しくなさの証明とは
ですので、今回うちの組織が「怪しい組織ではない」と皆様に安心していただくための投稿をすることにしました。
まず、宗教法人のどういう点に不安や怪しさを感じるか、また私の立場として、自身の所属する宗教法人の「怪しくなさ」を信じてもらうためには何をしたら良いのでしょうか?
『教義の素晴らしさ』を述べれば安心でしょうか?いえ、そんなことはないですよね。
やれ
「うちはこういう素晴らしい教えがあるので怪しくない」
「あの方はこんな素晴らしい人だから怪しくない」
とか、言われても、「うん、怪しくないね!」なんて思う人、一人もいないと思います。
「不審者は怪しまれないように近づいてくる」と言いますし、きれいな教えほど内実を見るべきです。
教義なんざ何をどう説明しても、きっと怪しさの払拭にはつながらないのです。
とはいえ教義も大切ですので、過去ログに譲ります↓
脱線しましたが、わたしの思う安心な組織は以下のようなことが保証されている組織かと思います。
- 抜けようと思えばいつでも抜けられる
- 理不尽なお布施の強要がない
- 政治信条に干渉しない
- 勧誘の強要がない
辞めたくなった時
少林寺拳法そのものを辞めたい
少林寺拳法では、辞めたくなったらいつでも辞められます。(「辞める月の◯週間前までに申し出のこと」と道院内ルールは検討中ですが)
辞め方は簡単。①道院長に辞めたい旨を伝える、②基幹システムで手続きする。の2点でOKです。
これは実は穏便な辞め方でして、正規の手続きと言えます。
中にはトラブルがあって「こんな道院長とはもう話もしたくもない!」と言う場合もあると思いますが、このような場合には、実は「①道院長に辞めたい旨を伝える」すら不要です。
基幹システムで「練習を長期お休みする場合の手続き」から入って一直線です(②)。この手続きをするだけで「休眠」扱いとなります。
↑ここね
また手続きをせずとも、年度が変わる際に年度会費を払わなければ、勝手に「休眠」となり、現役でなくなります。「辞めさせてくれない」どころか「残してもらえない」です。
つまり!①と②を両方するのが「穏便な辞め方」ですが、究極的には①も②も不要で「放置していれば勝手に辞めたことになる」なのです!すごくない?でも、道院長は人が離れていくことに多大なる精神的ダメージを負いますので、この方法は極力やめてください(泣)
「休眠」であって「除籍」ではない点は、もしかしたら「抜けようとしても抜けられない」という点に抵触するかもしれません。
ただ、休眠として籍が残っているからこそ、復帰した時に元の段や級を引き継げる仕組みとなっているので、ここはご理解いただきたい。武道として「〇段」という制度がある以上、休眠した高段者が白帯で再入門してきたら本人もまわりも困りますよね。そういう意味合いで仕方ないものと思っていただければ。。。
私も過去に数度、休眠状態になったことがあります。
また、本部に『籍を抹消してくれ!』と言えば消せる、というウワサは聞いたことあります。
少林寺拳法は続けたいが道院は辞めたい
「少林寺拳法は続けたいけどこの道院はもう嫌だ!」と思った場合にも、拳士を守る仕組みがあります。
それが「転籍」です。
転籍とは、自分の所属道院を他の道院や支部にうつす手続きのことです。
昔は、転籍には「転籍元」と「転籍先」の双方の道院長の承認が必要でした。
しかし、コンプライアンスが発展し、今は「転籍先」の道院長が承認すれば転籍できます。
なぜそのようになったのか?それは「転籍元の道院長が転籍を認めない」「転籍したいと伝えたら嫌がらせをされた」などの話が残念ながらあったという事ですね。そのようなトラブルを受けて、転籍元の道院長の承認は不要となりました。
このように拳士をダメな道院長から救う仕組みが整っています。そういう意味で、私(道院長)を盲目的に信じてはいけない、ということですね。
ご自身の目で、良い道院を見極めてください。
とはいえ、転籍元の道院長に一言も伝えないで転籍をするというのは「元の道院がヤバかった場合」を想定したものであり、通常の転籍(引っ越しとか)であればもちろん道院長へのスジは通してください。傷付きます。まれに無言で渡り歩くような人もいると聞いてますが、道院はコンビニではありませんので、人と人との繋がりを大切にするならばこそ、その辺はよろしくお願いします。道院長も拳士も、まずは「人として」をお互い大切にしていきましょう。
ポイント
- 辞めたい時はすぐ辞められる
- いまの道院が嫌なら転籍もできる
- どちらも、道院長の承認不要
お金まわりについて①(信徒香資)
こちらは、普段納めていただいてる通りなのでむしろ「不安」みたいなものはないと思ってますが、念のためサラッと言うと、信徒香資は各月16口以上(一口500円)でお願いしてます。
「以上」と言っても超過を求めるわけでなく、道院運営上の下限は設定しておかないと運営ができなくなるし、一方でお布施として考えると固定額はそれはそれでよくわからないため、こうしてます。
もちろん!「もっと多く納めたい!」「道院運営厳しそうだから協力したい!」「ボーナス出たからぜひ道院に!」とかいう事であれば喜んでお受けいたします☺️
【余談】
私が普段「足りてない分は私が補ってる」と言うのは、お布施でなく「貸付(無利息)」として補ってます。何が違うかというと、貸付であれば道院が黒字になった時に回収ができます。お布施はもちろん回収はできません。また、道院に対して貸付ができるのは道院長のみです。仮に「道院運営厳しそうだから、、、」と言って多く納めてくれようとしてくれる人がいた場合、私のは(うまくいけば)いずれ回収できると思ってるので、そこまで気を遣う必要はないことを付言しておきます。でも、貰えるならもらいます!🤣
【余談の余談】
赤字は道院長が立替という形で補填しますが、このまま道院が潰れたら道院長が被ります。
逆に、黒字の場合は「道院のお財布」と「道院長のお財布」の混同は許されず、道院長のお金にはなりません。過去に立て替えた分の回収のみです。マジでエグいボランティアっすねー。🙂
ポイント
- (うちは)毎月8千円の信徒香資でOK
- 赤字分は道院長が立替中😭
お金まわりについて②(納入方法)
これも皆様すでにご存知の通り、スポーツ安全保険等、あらかじめ私が立て替えてるものや、忘年会などの実費精算を除き、原則として私(道院長)に直接お金を払うことはありません。つまり私が皆さんに現金を請求することはありません。
基本的に、お金の振込は毎月、本山の基幹システムを通して本山に納めてもらいます。納める金額も、自分で口数を設定して、決定いただく形になっています。
組織の恥でもありますが、重要な点ですので、この機会にお伝えしておきます。
道院長への支払いでないこと
これは、皆様を守るための措置です。
誰から守るのか??それは、私(道院長)からです。
もし、道院長へお金を納めたのに、道院長がそのお金を本山に納めずに着服したら??
日々がんばって練習をしてても、本山としては納入実績がない状態なので、それが続けば休眠扱いになります。さらにひどい場合には、そもそも入門手続きさえもしておらず、昇級昇段の資格もないなどと言ったことも生じ得ます。
拳士登録は本山で行われてますので、その本山に直接お金を納めることは、このようなトラブルから皆さんを守ることに繋がります。
つまり、こういう事をしでかしたダメな道院長がいる、ということです。基本的には破門になり、もう内部にはいません。人間教育の指導者がこのようになるのは残念な事です。「自分もこうなりうる」と自制して日々過ごすことが大切だと思います。
このように、システム上道院長とはお金のトラブルが生じないようにコンプライアンスが整っています。
ポイント
- 基本、道院長に対して直接お金を払うことはない
- 本山への直接納入で安心安全
政治への不干渉
これについては多くは述べません。
また、組織的なコンプライアンスがあるわけでもありません。
私個人として、皆様の政治信条に口を出す気はありません。各々が自分の頭で考えて、各々の託せる政党に票を投ずることが大切だと考えています。
門下生間で、強要のようなものがあった場合は強く止めます。また、方針はともかく方法があまりにも品性を欠くようなものであった場合も諫めるかとは思います。
逆に「政治について関心を持つこと」自体は促していきたいなと思ってはいます。
※政治への関与に関しては、各道院の道院長のスタンスが強く出うるので、他の道院が同じとは限りません。
ポイント
- 私は政治に干渉しません
- とはいえ政治に関心を持ってください
勧誘の強制について
まず、仲間は多いに越した事はない、ということは疑いようのない事実です。
練習していればわかるように、人が変われば間合いも変わるし、手首の固さも変わります。練習相手が増えればそれだけ多様な練習ができますし、何より仲間が増えること自体非常に喜ばしい事です。
少林寺拳法をやって「これは良いものだ」と思ったのであれば、それを身の回りの仲間にも伝えたいと思っていただきたい。
そういう諸々の事を踏まえつつ、とはいえこれだけは言えることがあります。
「勧誘のノルマ」やましてや「ノルマ未達のペナルティ」などと言うものは全くありません。
少林寺拳法を通して輝いてる皆様の姿が、最も効果的な勧誘になるものと信じてます😊
ポイント
- 勧誘ノルマやペナルティはありません
- とはいえ、仲間は増やそう!
結局のところ最後は自己判断
いかがでしょうか?
つらつらと組織のコンプライアンスや道院としての方針について述べてきました。
とはいえどこまで行っても「口ではなんとでも言える」のです。
結局のところ、私や道院の普段の在り方を懐疑的な目でしっかり見ていただいて、その上でご自身で判断いただくしかないと思います。
私自身「宗教」が嫌いで、高校は宗教系でない高校を志望しました。身構えてしまう気持ちはわかるつもりです。であればこそ、先入観を打破するのは「自分の目」しかないと思っています。
自分の目で見て、自分の頭で考えられない人は、それこそ悪徳な宗教にお気をつけください。
以上ですが、門下生の皆さんは聞きたい事があればなんでも聞いてください。誠実にお答えするつもりです。