間違いであってほしい……。
昨日、本山から一通の訃報があり、
そこには「綾南道院 道院長 加藤 義秋 様がご逝去されました」と。
加藤義秋先生 本部期生71期 大範士九段
加藤先生は、少林寺拳法の三法(剛法、柔法、整法)のひとつ、整法=全身のツボ・経絡を活用する経絡法の第一人者であり、本山・本部の「整法・圧法専門委員会」に指名され、活殺自在の当身技、羅漢圧法、羅漢締法、そして活法の整理、統一化と資料作りにご尽力された先生。
私とは10年前からご縁があり、目をかけてくださるようになりました。
2012年には、『月刊秘伝』(2月号)で、合計8ページの特集記事も組まれました。
加藤先生の道場、綾南道院とご自宅は、高松空港のそばあり、
「飛行機で高松に来ることがあったら、いつでも寄ってください」とおっしゃられて……。
ずうずうしいワタシは、お言葉に甘えて、帰山するたびにご挨拶に伺い、筆舌に尽くせぬ高段者科目の羅漢圧法などの妙機を、一手二手とご指南いただいておりました。
東洋医学の神髄、経脈医法に基づいて、筋肉、骨格、神経などに対し、合理的な攻撃を加えて、気絶させたり、激痛を与えて転倒させたり、動けなくさせたりするのが、少林寺拳法の当身、そして羅漢圧法。
「少林寺拳法は三法揃っているから素晴らしいんだ」
「剛法、柔法だけでなく、道院長なら整法・圧法もしっかり身につけておくように」とよくおっしゃっていた加藤先生……。
また羅漢圧法などの技術だけでなく、人間的な魅力、度量もあふれている先生で、開祖のことや板東先生のお話を聞くのも楽しみでした。
我々にも開祖の教えとして、
「人を粗末にするな。人を粗末にすると、自分も粗末にされるぞ」
「世話になった人を裏切るな。一生付き合え」とよく語っておられ、いつも笑顔で迎えて、よくしてくださり、本当に感謝の気持ちで一杯です。
加藤先生に最後にお目にかかったのは、今年の新春法会・師家承継式での帰山のとき。
「また、5月の道院長講習会で帰山します」とご挨拶したのですが、
コロナ禍で道院長講習会が中止になって、それが最後のお別れになるなんて……。
「第三世師家をしっかり支えてやってくれ」というのが、加藤先生のラストメッセージでした。
あまりにもショックでさみしく、言葉になりませんが、
加藤先生、本当にありがとうございました。
心から、ご冥福をお祈りいたします
再合掌