新年早々こんな話をするのも何なんですが、
このところちょっと気になることがありまして……
それは、子供なのに尋常ではなく身体が固い子がポツポツいること!
少林寺拳法を通して、長年子供たちと接してきたので、身体の柔らかい子もいれば固い子もいるということは、一応わかっているつもりですが、ここ数年、普通の身体の固さを通り越して、日常生活にも支障があるのでは、と思えるほど身体が固い子がチラホラと……。
これはもう、
老人の要介護や寝たきりのリスクを高めるロコモに近いのでは???ロコモとは、ロコモティブシンドロームの略で、
骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害を来たしている状態を指す、運動器症候群のこと。
身体が固いと運動が苦手になり、怪我もしやすくなる。
だから、少林寺拳法のような武道の稽古に向いているかといえば、正直あまり向いてはいない。
しかし、少林寺拳法では、霊肉一如、身心一如と考えているので、
身体が固いと、心も固くなるのでは、と心配している。
実際、上記の異常に身体の固い子供たちは、一様に元気がない……。
むかしだって、身体が固い子は一定数いたが、どちらかというとやる気はあって、そのやる気が力みになっていたような印象が強かったが、その点が大きく違う。
調べてみると、NHKでも以前「子どもの体に異変あり ~広がる“ロコモティブシンドローム”予備軍~」といった番組で、こうした問題を大きく取り上げていたので、ウチの道院だけでの問題ではないようだ。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3489/1.html
(会報少林寺拳法にも寄稿している武藤芳照さん(日体大総合研究所所長)も出演)
そういう極度に身体が固い子を観察すると、
まさに老人と同じように、身体が固いだけでなく、身体がたるんでいる。具体的に言えば姿勢が悪い。
一方、優れたスポーツ選手や武道の達人は、身体がゆるんで、しかもピシッと張りがある。
ストレッチ運動が得意でも、動きの固い人はたくさんいるので、本当の身体のゆるさ・柔らかさは、筋の長さや関節の可動域の広さとはまた別のクオリティが要求されるわけだが、それでもロコモ予備軍の子供は、苦手で、不得意で、嫌いであったとしても、自分から運動や武道の稽古に取り組まないと、あとでエライことになるのでは……。
親御さんも、お子さんの身体の固さは自覚していても、それほど問題視していないような気がしているのも気になるところ。
もしくは、固いことには気付いていても、異常なほど固いことはご存じないかもしれない。
前記のように、異常に身体の固い子は、武道の稽古を含め、あらゆる運動に適しているとは言い難いが、ワタシはそういう人ほど、少林寺拳法のような稽古を継続する必要があるように思うのだがどうだろう。
余談だが、そうした子供は、話しかけてもリアクションが乏しく、口数もかなり少ない傾向も……。
リアクションが乏しいのは、性格もあるし、多くの要因が考えられるが、ひとつには、語彙が乏しいのでは、と個人的には考えている。
(口数が少ないこと自体は悪いことではない)
身体が固いと、頭も固くなりがち(頭だって身体の一部)。
身体を動かして、人と交わらないと、ボキャブラリーも増えない。
だからますます人づきあいが苦手に……という悪循環にも繋がるのでは?
そういう人は、まずは稽古で身体を動かして、漫画でもいいのでたくさん本を読んで、語彙を増やすことからはじめたらいいのでは。
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『82』