12月21日の稽古納めの日に、
拳士全員で道場の大掃除をしました。
禅家では、掃除や食事の支度など、日常生活に必要な作業を「作務」といいます。
普段の修練の前後にも、拳士全員で必ず道場の掃除をしますが、
年末は日頃手の入らないところまで念入りに!
作務も大事な修行の一環なので、
「雑巾がけをしながら、自分の心もきれいにする」といわれることが多く、
ワタシもそのように指導している。
しかし、
「何で、雑巾がけをすると、心もきれいになるの???」
と思ったことはないだろうか……。
精神科医が心を病んだ患者に、
「部屋を掃除しなさい」とアドバイスすることはよく知られている。
部屋を掃除すると、頭の中や心の中まで整理され、心が落ち着くらしい。
また、五感の感度を高め、霊的成長を目指す場は、清らかで静寂な環境がベストであるのは間違いない。
そういう意味で、掃除≒作務が大切な修行であることは間違いないのだが、
本当に作務(掃除)をやると、心もきれいになるのだろうか????
安心してください。
作務をやれば、心もきれいになるんです。
作務はみんなでやることが原則で、
作務の真意は、文字通り「「務めを作る」こと。
これが心を磨くための大きなポイント。
稽古納めの今回は、大掃除の後に楽しい望年会が控えている。
テキパキ大掃除を済まさないと、望年会の開宴がずれ込むわけで……
そこでで問われるのは、自ら務め(仕事)を作る=見つけること。
拳士は5つの班に分かれて、おおよその担当部署は決めましたが、
それぞれの持ち場で、あるいは持ち場を越えて、
「あ、ここがまだきれいになっていない」
「ここからきれいにした方がいいのでは」
「あの道具を持ってこよう」
「あれはもう片付けていいよね」
といった具合に、一人ひとりがやるべきことを見つけて、人から言われる前に動けば、
作務ははかどる。
「ここをこうしたら掃除がはかどる」「ここがきれいになったらみんなが喜ぶ」と、気を効かせるのが作務の要諦。
みんなの中で、みんなのために作務をやることが、心のクリーニングに直結するのではないだろうか。
また、みんなが喜ぶことに敏感になれると、その表裏一体になっている、相手が「嫌なこと」「やられたら困ること」にも敏感になる。
この感度が高まると、
護身術の技を磨くとき、相手の急所に自然に当身が入るようになり、隙が見えて、崩し方、避け方も上手になる。
つまり技の上達にも、直結してくるというわけだ。
だから、作務は大事な修行のひとつで、
一所懸命やれば、心もきれいにすることができる。
この日は、大掃除の前の稽古の時間が押してしまったにもかかわらず、
みんなが、自ら「務めを作り」出してくれたので、
望年会の開宴予定時間までに、作務を終えることができました~
さすが我孫子道院の精鋭たち。
道場も心もバッチリきれいにして、良い年の瀬を迎える準備が完了。
来年も力を合わせて、いい道院、いい年にしていきましょう。
まるっきり余談ですが、ワタシ自身は掃除は嫌いではないのですが、片付けは苦手(涙)
「部屋が片付くと、頭の中も片付く」そうですが、
ワタシのような複雑な思考の持ち主は、身の回りもカオス化する傾向が……
でも、アインシュタイン、エジソン、ビル・ゲイツ、etc.をはじめ、多くの天才の仕事机が散らかっていたのは有名な話!
いや、言い訳をしないで、来年はもう少し片付けができるようになろう、と(苦笑)
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106』