ナニから伝えるか (第3回全国少林寺拳法指導者研修会) | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

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我孫子道院 道院長のブログ

9月20日~22日に、千葉県勝浦市の日本武道館研修センターで開催された「第3回全国少林寺拳法指導者研修会」を受講してまいりました


今年は去年よりも参加者が増えて、北海道から宮崎県まで、全国から106名の受講者が集まって、技法と思想、そしてそれらの指導法について、少林寺拳法連盟会長の新井先生を筆頭に、豪華な講師陣の下、二泊三日でみっちりレクチャーを受けてきました



(日本武道館研修センターの大道場)


講義の内容は、ネットではお伝えできないので語りませんが、

この研修会を通して、ワタシ自身に突き付けられた指導者としての課題は、主として次の二つに集約される


・其の一 ナニから伝えていくのか・

少林寺拳法の思想と技法は、広く、深く、じつに膨大な学問で、技術体系だけでも

三鼎三法二十五系、六百数十にも及ぶ大組織をもっている

(三鼎=心・体・智、三法=剛法・柔法・整法)


その本質は、あくまで「人間完成の行」にあるので、哲理も含め、伝えたいこと、伝えなければならないことが山ほどあって、いつもその順序に頭を痛めている……


・其の二 指導法は工夫せよ・

新井会長からお聞きした話だが、

開祖は「技はもう増やす必要はない。でも、指導法は無限にある。工夫しろよ」とおっしゃっていたそうだ。


そういう意味で、今回の新井会長のご指導は、非常に明快でわかりやすかった


とくに、小道具を使って、崩しのコツを視覚情報化することに感銘を受けた


新井会長直々の技術指導そのものは、去年のこの研修会や、毎年の道院長研修会などで、これまで何度も体験させていただいている


なので、新井会長のおっしゃる崩しのコツも、一通りわかっているつもりだった……

(わかることと、できることは、違います!)


しかし、そのわかっていることも、ちょっとした小道具を使うと、理解度がぐっと深まったのだ


う~ん、

修行者にとって、「ああ、アレね」と、自分のレベルで、もうわかったつもりになるのが、上達の一番の妨げになることは、門下生にも口酸っぱく説いてきたつもりだったが、情けないことに、自分自身がそのパターンに陥っていたことに気づかされてしまいました


やはり何事も実際に試してみることが肝要かと

そして、後進に対しては、「もうわかっていると思うけど」といって、先に進んでしまうのは、ある意味手抜きだったのかもしれないと反省した次第です


基本とコツは、繰り返し繰り返し、しかも手を替え品を替え、ときには新井会長のように、小道具まで用意して、拳士が納得し、体得体解するまで伝え続けなければアカンのです……


要は工夫! 三丹田でいえば上丹田の出番です


幸いにして、少林寺拳法の指導者には熱意溢れる、アイデアマンが揃っている

とくに、この研修会に集まってくる先生方は、各都道府県の選りすぐりの指導者ですので、そうした皆さんのお知恵を拝借しない手はありません


そこで、夕食後の班別討議でも白熱したディスカッションを行い、

さらに自室に戻ってからも、有志と夜更けまで”缶別討議”へ



(缶別討議…… ちなみにワタシは、サッポロ・ヱビス党です)


ふざけているようですが、じつはこれでも大真面目

三人集まれば文殊の知恵といいますが、

諸先生方と時間も忘れて語り合っているうちに、答えの出ていなかった

課題 其の一「ナニから伝えていくのか」の答えが見えてきたのですから!


その答えとは……

「少林寺拳法は楽しい!!」ということ

やっぱりこれに尽きるのではないでしょうか




(「やっぱり少林寺拳法は楽しい」ということを再確認させていただいた、スクーデリア・チーバの面々)


少林寺拳法を楽しいと思っていれば、修行を永続するわけで、修行を永続すれば、のちのちおのずと、「ああ、自分が修行に求めていたのは、これだったのか」と気づくはず!!


でも、それに気づくには、少林寺拳法という広大な海を、一周も二周も泳ぐ必要があり、同時に、一周目と二周目、三周目……とでは、気づき=悟りの内容も変わってくるので、何周泳いでもやめられない


そして、それだけの長い“遠泳”を続けるには、独力では難しいので、仲間が欠かせない


道場選びとは、指導者選びであると同時に、仲間選びでもある

さらに、少林寺拳法の場合、こうした研修会などを通じて、自分の所属する道場の外でも、仲間づくりの機会が多々ある

これは少林寺拳法ならでは、大きな特徴ではなかろうか


今回、この勝浦での研修会を通じて、各地で力強く活躍されている先生方を、何人も紹介していただきました


そうした出会いが何よりの収穫で、自分自身、また少林寺拳法が好きになって、勝浦を後にすることができました


これから、この楽しさを独り占めしないで、門下生たちに追体験してもらえるよう、工夫を凝らしていきます


勝浦でお世話になりました先生方に、あらためて御礼申し上げます

またぜひお知恵を拝借させてくださいね




(研修会を終えて)


(研修センターからの景色)


◆寄り道編◆




(勝浦港)




(9月の終わりの海水浴場)




(今年も勝浦市の造り酒屋、東灘酒造に立ち寄って、お土産を購入)




(名物、「勝浦タンタンメン」 今年のB-1グランプリの最高賞に選ばれたそうです)



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108』