群雄割拠的ボランティア | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

9月10日の水害で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。


少林寺拳法関係者では、鬼怒川が決壊した茨城県の常総市の、常総石下道院と常総石下スポーツ少年団、水海道道院、水海道スポーツ少年団の方々が、大きな被害を受けたとのこと。


千葉県教区の森教区長や、懇意にしている取手南道院の近藤先生の呼びかけもあり、

茨城県と千葉県の県境に位置する我孫子市の我々も、何かお役に立ちたいと思い、

我孫子道院の門下生とそのご家族にも賛同していただき、ワタシを含め5名で、

昨日の日曜日、急遽、水海道道院の専有道場と、常総石下道院のH先生のご自宅の、冠水家財等の搬出及び清掃のお手伝いに行ってきました。



現地の被害は、想像以上というか、報道以上で、家屋もクルマもたくさん浸水&冠水していて……





じつをいうと、ワタシは、災害復旧ボランティア(?)に参加させていただくのは、今回がはじめて!

行っても何ができるのか全く未知数でしたが、少なくとも斥候係にはなれるだろうという気持ちで、水海道に向いました。

なにせ現地の情報は???だらけでしたので、まずは実際に常総市に足を運んで、状況を把握し、必要なものだけでも調べてこようと……。

でも緊急事態というのは、そういうものですよね。

そんなワタシの感想なんですが、
こういう時は、号令一下でテキパキ動く“集団”よりも、群雄割拠的に同じ目的を持った“動ける個人”が多数いる方が、有意であり有効かと……

(※群雄割拠といっても、互いに対立して覇を競い合っているわけではありません)


例えば、地元千葉県の我孫子市から、茨城県常総市の水海道に向かうメインルート、国道294号線は、交通規制が敷かれていました。
なので、現地に向かうには、迂回ルートを利用するのがベターですが、どの迂回ルートが通れて、どこがスムーズに走れるのかは、誰にもわかりません。
だから各々が、バラバラなルートで現地に向かうことで、あとから「あそこのルートが正解だった」というのがわかり、それが貴重な情報になり得るのです。
持ち物も同じで、一人ひとりが工夫した方が、多様性が生じ、「ああ、それ持ってきたの? 便利だね~」というのが増える気がします。
反対に誰かが音頭をとって、「持ち物は、アレとアレ」と決めてしまう方が、画一的均質的になり、結果として、足りないものが増えてしまうように思えてなりません。



けっきょく動きながら、変化していく。
これは武道の技と同じなのでは?

その点、今回ご一緒した皆さんは、さすが少林寺拳士。
各自が黙々と働いて、ひとりで動かせないような物を動かすときは、さっと人が集まって、サクサク動かす。
非常にハイレベルな自己確立と自他共楽。
開祖はきっと、訓練された団体ではなく、こうした自立&自律したリーダーを多数輩出したかったのだろう。
自立&自律していると、人数が多くても「船頭多くして船山に登る」にならない。
武道とは、非日常に備えて稽古するものなので、少林寺拳法修行者は、こういう時こそ強味を発揮するんだな~と感心した次第です。


急な召集にもかかわらず、快く尽力いただいた、我孫子道院のS拳士とW拳士ファミリーの労を多とするとともに、現地でお世話になった皆さんに感謝申し上げます。









被災された、水海道道院。壁に見える線のところまで水に浸かってしまったとのこと……





トラックで駆けつけてくださった(?)、東京別院の藤井先生

千葉県からは、我々の他に、千葉弁天のU先生と前記の近藤先生(浦安スポ少・取手南道院)が合力してくださいました。

また千葉野田道院の森先生のグループは、水海道ではなく、石下方面でボランティア活動にあたっていました。





この日はまだ、電気水道も止まったまま……

日常生活を取り戻し、稽古を再開する日までは、時間がかかるでしょうが、

今後も何らかの支援を検討していきたいと思います


被災した皆さん、どうぞ不撓不屈の精神で、困難を乗り切ってください

応援しております



本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『109