古きを尊ぶ!? 10年目の教典 | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ



拳禅一如の少林寺拳法では、技術の稽古=易筋行に先立って、必ず鎮魂行(座禅・調息・精神統一)を行っている。


このとき、「聖句」「誓願」「礼拝詞」「信条」からなる「教典」を拳士全員で唱和する。

「教典」は、いわゆる“お経”ではないので、一般の仏教のように「経典」ではなく、「教典」という。


金剛禅の「教典」は、誰のためでもなく、自分自身に唱え聞かせるためのもの。


この鎮魂行の際、拳士たちの前に立ち、リードしていく人のことを主座といい、その主座は、「教典」の巻物を開いて、大きな声で、唱えるのですが、その「教典」の巻物がかなり傷んできてしまいました……




この巻物は、ワタシが道院長になったのに合わせて新調したので、10年と6カ月使用しました

道院長には、ちっとも貫禄がついてきませんが、巻物にはこのように、貫録と年季が入ってきて……



紐の部分もこのように、消耗して、細くなってしまいました



月曜日と金曜日の修練時には、少年部と一般部でそれぞれ一回、

土曜日は、少年部と一般部の稽古時間が重なっているので、一回、

つまり、毎週5回、年間およそ260回、開いて閉じてを繰り返し、

十年間で、2600回……

大事に使ってきたつもりですが、

先月、ついにビリッと破れてしまいました


武道の道衣や帯、お寺の法具などは、年季が入っているものの方が、価値があるというか、好まれる(?)傾向も、一部ではあるようですが、平日の少年部の稽古の時間は、子供たちに“かわりばんこ”で、鎮魂行の主座をやってもらっていることもあり、先月、道院長研修会で本山に帰山した際に、新しいものを下賜していただきました。

(余談だが、「かわりばんこ」の「ばんこ」の語源は、「たたら製鉄」のたたらを踏む労働者=番子とのこと)



大事なものだから、再表装してもらおうかとも考えましたが、ご縁のある表装店もなかったので……






きれいになった「教典」で、気持ちよく、大きな声で唱和しましょう




新旧の教典

知らぬ間に、表紙の模様が変わっていました

右の古い教典も、大事な我孫子道院の歴史の一部ですので、破棄したりせず、今後も大事に保管しておきます。




己こそ己の寄るべ……


本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『101