昨日は午前9時から、柏市、流山市、我孫子市の各道院、支部が集まっての合同稽古でした
諸先生方のご尽力、とくに柏市の先生方のお骨折りにより、
夏の恒例行事として、すっかり定着した感がありますが、自分の所属道院を超えて、他の道院の拳士と交流を深め、横のつながりを確認できる、絶好の機会なので、門下生には積極的に参加を促している
(今年は7名の門下生と一緒に参加!)
鎮魂行、準備運動、全体での基本修錬をおこなったあとは、資格ごとに分かれての技術研修
ワタシは初段クラスを担当させていただいて、初段の拳士の皆さんと、逆小手系統の変化技を中心にワザを練り、大変いい汗をかかせていただきました
そして稽古のあとは、お楽しみの昼食を兼ねた懇親会
汗で流れた水分を取り戻すべく、麦の香りのする黄金の液体をグビグビと……
しかし、ここでは飲み過ぎないようにセーブして、
懇親会後に、敬愛してやまない流山道院のI先生と、実業団の切り札、K先生と一緒に西船橋へ
15時30分からの、市川若宮道院と西船橋道院、千葉商科大学少林寺拳法部の合同演武会を拝見させていただいた
この演武会が盛況で、なおかつ新鮮だった
通常、演武というと大会、もしくは大会に向けてというケースがほとんどだが、この合同演武会では、審判も採点もなく、日頃の修錬成果の延長として、大勢の前で演武を披露するという形で、4歳の幼児から72歳の男性まで、真剣でありながら緊張感を楽しむ、組手主体の少林寺拳法ならではの特徴が余すところなく表現されていた
ほほえましい幼年部の演武や、元気一杯の少年部の演武もあり、息の合った親子演武、スピード感のある大学生の演武、重厚感ある一般部の演武、節度と華やかさのあるママさん演武、さらにS道院長の夫婦演武に、工夫を凝らしたF道院長の演武など、じつに多彩で濃厚な演武を拝見できて、大いに勉強になりました
で、こうして朝から合同稽古に参加し、さらに午後から素敵な演武会を拝見してつくづく思ったのは、
『武道の修行は、他人と強弱勝敗を比べる必要はない』ということ
先達が示してくれた天地の理法にかなった素晴らしい妙技を、仲間と力を合わせて学び、一つひとつ我がものにしていく
そして霊肉一如、自他共楽、心行一致の妙境に達する道を探っていく
そのこと自体が喜びで、感動であり、だからこそ生涯をかけて修行をしていく価値があるのではないだろうか
だから優劣を争う意味はない
「うまい人と組むと上達する」 これは拳士なら誰でも実感していることだろう
だとすれば自分が上達するには、できるだけ上手い人が増えるといい
そのためには、自分が上手くなれば、自分の周りに上手い人が増えるわけで……
そう考えると、修行者は他人と争ったり、ましてや足を引っ張るようなことをせず、仲間を一人でも増やした方がメリットが大きい
開祖は
『合掌礼ひとつで、仲間として認め合え、合掌礼ひとつで、最大限の便宜を図りあう社会の実現』(※合掌礼は、少林寺拳法の礼式であるとともに、構えのひとつにもなったいる)
をこの運動のひとつの目標とされてきた
そしてそれは単なる理想にとどまらず、こうした合同稽古や合同演武会でもわかるとおり、少なくとも、少林寺拳法部内であれば、年齢、職業、段位、性別、所属道院、etc.といったハードルや違いを、合掌礼ひとつで、ボーダレス化できる土壌が出来上がっていて、現実に合掌礼ひとつで交流できることがすでに実証されている
それこそ、少林寺拳法の一大財産!
今年は東日本大震災の影響で、全国大会をはじめ多くの大会が中止を余儀なくされているが、「合掌礼ひとつで」の世界を体現、体験するには、大会よりもむしろこうした演武会や、合同稽古、研修会の方が、適しているのではなかろうか
市川若宮道院・西船橋道院の、まさに羅漢練拳図(※)を髣髴とさせる演武を見ながら、そんなことを考えた一日でした
開祖が、先師より北少林義和門拳の法脈継承の儀式・允可を受けるために嵩山少林寺を訪れた際(1936年 開祖25歳)、この羅漢練拳図を一目見て、「仏伝正統の行としての拳が、達磨大師によって伝えられたとするのなら、この壁画に描かれている拳に違いない」と天啓を受け、この壁画を心の原点として、身心一如の開発法、人間完成の行として創始したのが、今日我々が行じている少林寺拳法に他ならない
真剣でありながら殺伐とせず、自他一体となって楽しそうに技をかけあっている壁画に描かれた僧たちの姿と、市川若宮・西船橋の両道院の拳士たちの演武が重なって見えたのは、
決してお昼の懇親会のビールが残っていたからではないはず!?
なお、合同演武会を拝見したあとは、I先生、K先生、さらにI先生門下のH先生とご一緒に、市川若宮・西船橋道院の打ち上げにもお邪魔させていただいたことも、ご報告させていただく
これもすなわち合掌礼のとりもつ法縁
午前の合同練習会の参加者を含め、お世話になった関係各位に、この場をお借りして御礼申し上げます
感謝 合掌!
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105』