先月末から、拳士一人ひとりが「指導者のタマゴ」であることを実感してもらうために、「自分が“一日道院長”を任されたら、こんな稽古をやりたい」という稽古プランを考えてきてもらう宿題を課している
期限をとくに定めたわけではないが、一般部より少年部のほうがレスポンスがよく、すでに大半の少年部の拳士が、稽古プランを紙に書いて提出してくれた
はじめは「ええ、ムリ~」「先生の代わりなんてまだできないよ~」といった子も若干いたが、我孫子道院では「頑張れ」とともに、「無理」「できない」というのも禁句にしているので、あっさりと却下(笑)
その代わり、「一日だけのスペシャル稽古なんだから、いつもの稽古の流れをガラッと変えて、変則的な稽古だっていいんだよ。アソビ的な稽古を取り入れたってOK。ただし、みんなで楽しめて、しかも上達の役に立つことが条件。それから鎮魂行だけは省かなければ、自分のやりたい稽古に片寄った内容でかまわないよ」とアドバイスしておいた
そうして取り組み始めたら、思ったよりおもしろかったらしく、なかなかの力作が集まった
そして書いてきたプランは、みんなの前で発表!
平日の少年部の稽古は、通常、準備運動と、鎮魂行の主座、基本修錬のリードを、緑帯以上の拳士が毎回交代でおこなっているのだが(リーダー教育の一環)、子供たちが考えてきた修錬プランでは、準備運動は道場に集まった人から各自で済ませておく、というケースが多かった
また、高学年の拳士を中心に、きちんと「学科の時間」を設けていた拳士が数名いた
発表のときにそのことについて確認してみると、「読本(少林寺拳法の学科のテキスト)を片手に、子供たちだけで学科の勉強もし、リードも自分自身がやってみたい」とのことだった
これは正直かなり予想外だった
とくに6年生のT君はかなりやる気満々だったので、2日の月曜日の稽古時に、さっそくリードを任せてみた
(大張り切りのT君 テーマは自分で選んだ「少林寺拳法の特徴」)
はじめは読本を開かずに、少林寺拳法の6つの特徴(拳禅一如、力愛不二、守主攻従、不殺活人、剛柔一体、組手主体)の四字熟語を、きちんと覚えているか確認し、それからその意味が説明できるかどうかを問う形式
そのスタイルそのものはワタシのやり方を踏襲したものだったが、子供同士でやるのはひと味違って、とても新鮮だった
やり終えたT君もとっても満足そうだったし、他の拳士もT君に刺激され、「次はボクもやってみたい!」という声がたくさん聞かれた
何かの本で、子供をやる気にさせるコツは
「競争したがる」「真似したがる」「ちょっとむずかしいことをしてみたがる」「認められたがる」という子供の4つの特徴を生かすこと、と読んだ記憶があるが、今回の試みはそのツボに上手くハマったかも!?
せっかく子供達がその気になってきたので、これから学科だけでなく、稽古全体のリードを子供たちに任せる日も、順次作っていくことにする
(口を出したくなっても、口出しせずに、どこまで子供らに任せきれるか? それが、ワタシ自身の修行になりそうだ)
一般部の拳士も、アタマを柔らかく使って、子供たちに負けないユニークな稽古プランを考えてきて欲しいな~
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108』