サッカーワールドカップ日本代表メンバーが発表されました。
サッカーはまったく門外漢のワタシですが、
サッカーがとても難しい競技だということはわかっています。
野球の場合、攻撃と守備がくっきりきれいに分けれていますが、
サッカーやバスケットなどは、攻防が渾然一体で、瞬時に切り替わるので難しい。
(だからといって野球が簡単という意味ではありません。念のため)
サッカーに限らず、何事も攻撃に集中すると、守備が疎かになりがちで、
守備を固めると、攻撃は手薄になります。
ゆえに武術の世界には「懸待表裏一隅を守らず」(身が相手に仕掛けるときは心は待ち、相手の動きを待つときには心は仕掛けるつもりで待つ)という訓えがあるわけです。
一方、少林寺拳法には「守主攻従」という特徴がって、
基本的にいわゆる「先手」というものがありません。
「先手必勝」「攻撃は最大の防御」という言葉があることからもわかるとおり、
後手必勝というのは容易ではない。
しかし、「必勝」ではなく「不敗」となると話は変わってくる。
サッカーを例に考えてみても
負けたら予選で敗退だが、
勝つか引き分ければ決勝進出という試合では、
当然ディフェンスが最優先されるはず。
逆に、勝たなければオシマイという試合では、攻撃重視。
最後は一か八かの総攻撃という展開も……
(カウンターでトドメを刺されるというリスクも大!)
その点、少林寺拳法は破邪顕正の拳、正法護持の護身の技術なので、
勝たなくても負けなければいい。
(「守主攻従」の精神的な理由)
相手に隙がなければ、こちらから仕掛ける必要はない。
(格闘技や柔道の試合では、にらみ合いになると、互いに仕掛けあうよう指導が入りますが……)
まず「不敗の態勢」を整えて、「後手必勝の機」を捉える。これが「守主攻従」の技術的な理由とされている。
この技術的な理由に関連して、とても興味深い論文記事を見つけたので紹介したい。
先に銃抜く悪漢、倒せる? =「決闘」の行動速度分析-英論文
拳銃を相手よりも先に抜こうとする意識的な行動速度よりも、相手の行動を見て本能的に反応する速度のほうが速い-。英研究チームが「決闘」に関して実施した実験で、このような結果が判明した。3日付のタイムズなど英有力各紙が報じた。
実験したのは、英バーミンガム大学のアンドルー・ウェルチマン博士のチーム。54人が参加し、拳銃の代わりに押しボタンを使い、行動速度を計測した。その結果、自らの意思で最初にボタンを押す場合よりも、相手の手の動きに反応して押す場合のほうが、行動速度が平均0.02秒速かったという。
同博士は「意識的に行動する場合と本能的に外部の動きに反応する場合の二つの速度を計測したのは初めて」としている。
ただ決闘で、「正義のガンマン」が、先に銃に手を掛けた悪漢を電光石火の早業で撃ち倒す西部劇でおなじみのシーンについて同博士は、後に銃を抜く人は、相手の動きを見てから銃を抜くまでに時間がかかるので、実際に勝つことは難しいと指摘している。【2010年2月4日 ロンドン時事】
他にも反射・反応に関するおもしろいバイオメカニクスのデータもあるのですが、
それはまた別の機会に!?
「守主攻従」だけでもかなり深いものがあるものです。
問法修学あるのみ!
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『109』