8/27付の、ACEコネクションネットワークの記事。

Trauma-informed Care: It Takes More Than a Clipboard and a Questionnaire

 

カリフォルニア州では、来年1月から、トラウマ体験のスクリーニングテストや適切な治療や支援につなげることができる人を増やすために、数十万人規模の育成事業を、州として、開始するようです。

 

アメリカでACE研究(子ども期逆境体験研究)が発表されてから約20年。動きが早いと思われるアメリカでも、政策に反映されるには、これだけの時間がかかるのですね。

 

スクリーニングをすることが、かえって傷を深めるのではないかと心配する声もありますが、この事業の大本にある考えは、暴力、虐待などを生む家族を見つけ「非難」することより、家族システムを「支援」することにあるので、その趣旨に沿った事業設計になっていると思います。先進的な取り組みで、追って見ていきたいと思います。

 

そしてできればこの流れ、日本にも。そして、貧困、紛争、差別の多い地域に。

8/23 に、北九州司法支援ネットワークで、「逆境を超える力とライフスキル‐フィリピンの子どもたちと向き合って‐」というテーマで、話をさせてもらいました。
 
北九州司法支援ネットワークは、2か月に1度行われている、市民による市民のための勉強会。
 
公的な立場で児童保護、生活保護等の福祉現場で働かれている方、民間の福祉施設の方、地方議会の議員さん、大学の先生、新聞記者と様々な方が参加されてました。
 
今回は、アメリカで出会った「トラウマ・インフォームド・ケア」や「レジリエンス・インフォームド・ケア」について半分以上の時間を割きました。日本の福祉の現場の最前線にいる方々に、どんな風に受け止められるのか、共感や関心は得られるのか、不安な気持ちでしたが、
反応は、思っていた以上でした。
 
「職場で通じることが、たくさんありました。もう一度ちゃんと聞きたい。」

「大変興味深く、もっと話を聞きたい。支援者があやうい気がする。」

「砂漠に水をまくような支援から、20年の成果を感じました。」

「貧困に限らず、様々な問題の根本的な原因の探求、解決に活かせる可能性があると思いました。」

「児童福祉の原点を感じる話」

など。

今回、私を呼んでくださった主催者の方からは、「よかったです。社会問題は複雑ではありますが、共感と連帯を少しずつ広げると、いろんな発見もあると感じました。」というコメントをいただきました。

働く現場は違っても、問題の根っこはつながっているのだと、その場にいらっしゃった皆さんと共有しました。

セクターを超え、皆で手を携えて取り組まないといけない大きな課題。子ども期の逆境体験(ACE)。

傷を受けた子が早期適切なケアを受けられるようなしくみ
傷に気付くまなざし、傷を作らない意識
罰より、次の傷へと受け継がせないための支援

トラウマ・インフォームド・ケアを、侵透させていかないと。
「傾聴」のように、当たり前に。
そう、思いました。
久しぶりに、ゆいこさんと会いました。
「じゅんなまけん」こと
循環生活研究所のたいら由以子さん。
 
気がつけば、4時間近く。
ゆい子さんと話していると
いろんな気付きをもらえます。
その場でもそうだし、
離れた後でも
時とともに気付きがふくらんでいくから
不思議です。
 
「何を」「何が」は言えないのですが
(言いたくない、のではなくて、
ただ、わたしが伝える言葉を
持ち合わせていないだけ)
 
ただ、それが
そのとき自分が直面している
悩みとか壁とか
そんなに大げさではなくても
なんとなくもやもやしていることとか
言葉にもならず自分の中のどこかで
浮遊しているようなものとつながって
出口のようなものに
ひっぱってくれるのです。
 
教えてもらった「こと」からなのか
ゆい子さんという「人」からなのか
二人の会話とこれまでの体験が
融合して生まれた
「あたらしい何か」なのか
正体は分からないのですが
間違いなく感じるのは
会っているときに
脳の中で何か
反応が起こっていて
その反応がその場限りではなく
あくる日も、またあくる日も続いて
次の反応、次の変化が
ちょっとづつひきおこされて
自分が変わっていく
そんな感じです。
 
それを、ざっくりと
「人から力をもらう」
なんて、いうのでしょうかね。
 
縁とはありがたいものです。
 
自然や、育むということと
まっすぐ向き合っているゆいこさんから
もらったこの本には
教えや魅力がいっぱい詰まっています。
ローカル・フード・サイクリング(LFC)
 
人と人との信頼やケアする気持ちも
サイクリング
 
ゆいこさん、ありがとう。
もらったトマト、美味しかった~。
 
最後まで読んで下さってありがとうございました。
目の前のこと
足元のこと
ひとつ
 
一度にたくさんは
できないから
一時にひとつ

今、できることを
心をこめて
やる。
 
今日は今日の力で
明日になったら明日湧いてくる力で
やる。
 
毎日違う
一瞬一瞬違う
朝聞こえる鳥の声も
人との交わりも
自分の気持ちも
人の気持ちも
気付きやまなびも。

まるで
はた織り
 
糸の太さも、色も、やわらかさも
その時々で、微妙に変わる
自分の紡ぎだす糸で
一枚の布を織っている
 
目が飛んでいたり
固すぎたり
かと思えば
ゆるすぎたりするところが
あっていびつかもしれないけれど
そこも含めて
濃淡の鮮やかな
味のある一枚が
できあがる…予定
 
訥々と
今日は今日の糸で
布を織る
 
心をこめて
祈りをこめて
今の自分で
大学の心理学部に編入して
脳や心のことを学びながら
精神保健福祉士になる勉強をしています。
 
精神保健福祉士は、精神障害者の方の
保健や福祉、それに社会全体の
メンタルヘルスの増進のために働く
ソーシャルワーカーです。
 
学び始めのとき、ソーシャルワークの
グローバル定義なるものがあることを知り
それを読んで、しびれました。
 
多分、日本国憲法の前文を読んだときと
同じくらい。
 
だから、ちょっと紹介させてください。
・・・・・・・
 
Global definition of the social work profession
 
Social work is a practice-based profession and an academic discipline that promotes social change and development, social cohesion, and the empowerment and liberation of people. Principles of social justice, human rights, collective responsibility and respect for diversities are central to social work. Underpinned by theories of social work, social sciences, humanities and indigenous knowledges, social work engages people and structures to address life challenges and enhances wellbeing.
The above definition may be amplified at national and/or regional levels.
 
社会福祉のグローバル定義
 
ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。
社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理が、ソーシャルワークの中核をなす。
ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける。
この定義は、各国および世界の各地域で展開してよい。
 
・・・・・
 
社会福祉士とか、ソーシャルワーカーって、時々耳にすると思いますが、どんな印象ですか?
 
日本には、日本独自の「社会福祉士および介護福祉士法」(1987年公布)、「精神保健福祉法」(1997年公布)、それぞれの倫理綱領が規定されているのですが、それらは大筋では、グローバル定義に沿ったものです。
 
日本で今大体どれぐらいの人が、「ソーシャルワーカー」として働いているかと言うと、今年5月の時点で、社会福祉士は238,267人、介護福祉士は1,689,650人、精神保健福祉士は86,574人。計約2百万人、つまり国民全体の2%弱に当たる人が、このために働くことを誓っていると言っても過言ではないのです。
 
福祉現場の問題がいろいろと報道されていて(確かに問題はありまして…)、「えー、そんなにいるのに何で今の状況なの?」って思う方もいるかもしれません。
でも、現場で働いている多くの人たちの胸の奥や頭の片隅には、こんな理想が息づいていることを、多くの人に知っていただきたいし、今ソーシャルワーカーとして働く人に、これを時々思い出し、誇りを感じながら働いてほしいなと思います。
いずれ時の波がきたとき、もしかしたら、爆発的力を発揮するかもしれない、約2百万人。私もその1人になりたくて、目下勉強中です。
 
書きながら、自分に気合を入れました。
読んで下さって、ありがとうございます。
 
じゃ、勉強するか。
 
西日本新聞で毎月第2日曜に掲載中の
コラム「ライフスキル考」 。
17回目は、傷についてです。
 
 
生まれてから死ぬまで 
人はいろんな経験をして
いつのまにか目に見えない傷を
身体や心に負っていきますよね。
 
できたことも、治ったことも
自覚がないまま過ごしている場合も
あるでしょうし
傷ができる前よりもたくましくなったから
傷に感謝、なんてこともあるでしょう。
 
でも、本人も、周りも気付かないけど
実はまだ、見えないところで
血を流している傷があったとしたら・・・
 
そんなことを考えるようになった
きっかけのエピソードです。
 
===
 
米国での出会い③》見えない傷に気付く力
 
 子どもの頃の逆境体験(ACE)は、神経系に影響を及ぼし、大人になってからも依存症や虐待などの形で現れることがあるそうです。フィリピンで困窮する家庭の子どもたちを支援する中で、成長するにつれあきらめを学んでいく子たちにたくさん出会いました。逆境の連鎖がくり返されないためのヒントを求め、その研究に取り組む米国で、ACEについて情報発信しているネットワークのメンバーで、ロサンゼルスの心理学者のアンディー・フェッツナーさんと会いました。
 
 ある研修でのこと。アンディーさんから「自分のACEと、身の周りの気になる人のACEも考えてみない」と呼び掛けられ、1人の青年の顔が浮かびました。少し前までフィリピンで一緒に活動していたサン=仮名=です。
 
 サンは仕事に前向きな明るい青年でした。ただ、目的を理解する前に動いたり、指示を聞き漏らしたりするためよく注意を受けていました。気分の浮き沈みが激しく、家族や友人と衝突した翌日は遅刻や欠勤をしてしまうような問題行動もありました。
 
 年配のスタッフは「まだ若いから」と励まして育てようとし、別のスタッフは彼自身が課題や改善点に気付くことを期待して評価シートを使って説得しました。でもどれも効果が持続せず、逆に対応されるほど彼はフラストレーションをため込み、悩みを深くしているようでした。そして2年ほどたったある日、姿を見せなくなりました。
 
 サンには、ACEが少なくとも三つありました。育った地域はごみ集積場のすぐ近くで貧困、空腹、犯罪が当たり前の環境。幼いときは栄養失調で給食支援を受け、親と一緒に暮らせない時もありました。
 
 ともに働いているとき、サンの育った環境や体験に思いをはせたのか、彼自身も理由や対処法が分からず苦しかったのではないか、もし違う対応をしていたらと、自問自答しました。
 
 「What’s wrong with you?(なんでそうなの)から、What happened to you?(あなたに何があったの)へ」。アンディーさんは視点の転換とレジリエンス(回復力)の大切さを訴えます。
 
 「高所得者だってセレブだって薬物依存やうつがあるし、自殺の問題もある。ACEから見れば、貧富も国も人種も関係ない。誰もが例外なく影響を受けてる。これは私たち全体の問題なの」。この言葉が胸に刺さりました。
(NPO法人「ソルト・パヤタス」元理事)
 
ロサンゼルス市で行われたセミナー「依存症とトラウマ」で
講師をするアンディーさん↓
 
アリゾナ州スコッツデールで開催された
シンポジウム「子どもたちのトラウマ」で
医師、行政関係者、福祉、教育支援者を前に
ACEやレジリエンスについて説明するアンディーさん↓
 
 
Column of “Thinking of Life skill ”
Meeting in the United States (3rd) - The power to notice invisible scratches
 
In the community of economic hardship, there are cases where children give up schooling and take problematic actions. Adverse childhood experiences (ACE) affect function of brain and body and have negative impacts on behavior and health through life and sometimes it is passed to the next generation. It appears in a state such as addiction and abuse etc. I went to US to look for a hint of life skills to overcome difficulties and met Ms. Andi Fetzner, Psychologist in Los Angeles.
Andi is a member of the ACEs Connection Network. In one training Andi asked, "Let's think about your own ACE, and then the ACE of the person you care about". One young man's face came up. It is Sun = pseudonym = who worked with me in the Philippines.
Sun was a bright young man who was positive for work. However, he was well alerted to move before he understood the purpose or to miss instructions. His emotional ups and downs were intense, and he was sometimes late or absent the day after he collided with his family and friends.
 
The senior staff encouraged him to grow because he was still young, and another staff persuaded him by using self-evaluation sheet so that he would get aware the issue and point of improvement. But none of the effects persisted, and he seemed to be embarrassed and frustrated as he responded. And one day after about two years, he disappeared.
 
Sun had at least three ACEs as far as I know. The area where he grew up was in the immediate vicinity of the waste collection area, and the environment where poverty, hunger, and crime are commonplace. When he was infant, he was fed with malnutrition and sometimes he could not live with his parents.
 
When working together, did I consider well about Sun's environment and experiences? I have seen only superficial issues, haven’t I? He might have been troubled by not knowing why so and what to do….I asked myself such questions.
 
"Let's change the viewpoint from What's wrong with you? to What happened to you?" Andi suggested so. And she added. "Even high-income celebrities have drug addiction, depression, and suicide problems. From ACEs’ point of view, it doesn't matter whether we are rich or poor, neither country nor race. Everyone is affected without exception. It's our problem. " Her words was stuck in my heart. Then, it directed me to learn about resilience.
 
Emiko Ogawa
 
ライフスキル考も、来月で
いよいよ最終回。
これまで読んで下さったみなさん
ありがとうございます。

西日本新聞で掲載中のコラム

「ライフスキル考」

 

今回はACEs Connection Networkの

デイナ・ブラウンさんの紹介です。

 

デイナ・ブラウンさん

*** 

 

子ども時代の悲しい体験や恵まれない

環境は、学習意欲や行動、数十年後の

健康にどんな影響を与えるのでしょうか。

 

糖尿、依存症、虐待、うつ、自死…

こうしたリスクが高まるという、

ぎょっとする研究結果が

1998年に米国で発表されました。

児童期逆境体験(ACE)の研究です。

 

米国に行き、ACE研究のその後を

学んできました。

 

私たちがフィリピンで行う活動も、

子どもや母親への支援を通じて

逆境の連鎖を断ち切ることが狙い。

先端の研究や実践状況を知るのは

貴重な体験です。

 

ただ、研究者でもない私が

コネもつてもない米国で

手がかりを探すのは大変でした。

 

救ってくれたのが、「ACEコネ

クション・ネットワーク」の

デイナ・ブラウンさんです。

 

私のメールに目を留め

「周囲に声を掛けてみます。

あきらめないで」と返信をくれました。

 

同組織はインターネット上の

コミュニティーで、デイナさんを含む

13人のコーディネーターが

ACEに関する最新の研究や

改善に向けた動きを全米から集め、

毎日発信しています。

 

1人の女性ジャーナリストの情報

発信に始まった活動ですが、今では

約3万3千人が登録。

教育、医療、福祉、司法など

さまざまな分野の取り組みを

紹介しています。

 

デイナさんは、地元のサンディエゴで

子どもや若者のための教育プログラム

作成や、若者たちを薬物や犯罪から

守る運動をしています。

 

原点にあるのは若い時に触れた

米国の先住民族の歴史。

米国社会は先住民のおびただしい

犠牲の上にあり、その痛みが

今も続いていることを知ったとき

デイナさんは体が震えるほどの怒りを

覚えたそうです。

 

理不尽や不公正に憤る気持ちに正直で

人の成長を信じ続けるデイナさん。

彼女のメールの末尾には

「Hugs of Gratitude

(ありがとうのハグを)」とあり

私はいつもぬくもりを感じています。

 

米国でACEに対する関心が高まり

個人の問題から社会全体の問題へ

運動が広がっている背景には、

デイナさんのように、怒りを

勇気に変え、あたたかく人を

包み歩んできた多くの人の忍耐強い

取り組みがあったのだろうと思います。

 

デイナさんのおかげで米国での

インターン先を得て、大勢の人から

貴重な話を聞くことができました。

 

彼女に受け取った大切な「心の灯」を

さらに他の誰かに伝えていけたらいいなと

思います。

 

活動報告をするデイナさん

 

 

 

Monthly column “Seeking Life skills  

<Meeting in the US No.2>   Hugs for Gratitude

 

What impact does a child's sad experience or harsh environment have on learning motivation, behavior, and health after decades? Risk to be diabetes, addiction, abuse, depression, suicide etc. increase. In 1998 such a shocking research was published in the United States. It is the Adverse Childhood Experiences study (ACEs Study). I went to the US to learn about ACEs Study and what changes are being made by the people who knew it.

 

Our activities in the Philippines are also aimed at breaking the chain of adversity through supporting children and mothers. It is a valuable experience to know the state of advanced research and practice. However, it was hard to find clues in the United States where I, who are not researchers, have no connection. It is Dana Brown of "ACEs Connection Network" who saved it. She replied to my query sent from Philippines telling "I will try to call around. Keep hope".

 

The ACEs Connection Network is an ever-growing social network for the ACEs Movement. It was begun by one female journalist and now has 33,000 members who share their best practices in various fields such as education, medical care, welfare, justice, while inspiring each other to grow the ACEs movement. where 13 coordinators, including Dana, are actively working.

 

Dana created educational programs for children and young people in San Diego and works to protect young people from drugs and crimes. The origin is knowing the history of the indigenous people of the United States. When she learned that American society was on the immense sacrifice of the indigenous people and their pains still remain, Dana had an anger that her body shivered.

 

Dana is honest with her anger to injustice and believes in the growth of people. In the end of her email, I see a phrase of “Hugs of Gratitude”. It always makes me feel warm. In the United States ACEs became social issue. It became from personal issues to issues across the nation. I think the growing interest of ACEs is accumulation of courage sublimated from honest anger to injustice, hope, and love which Dana showed me.

 

Thanks to Dana, I got an intern in the US and was able to hear valuable stories from many people. I think it would be nice if I could convey to someone else the important "lights of heart" I received to her.

6月1日と2日は、「心理学統計法」の授業。
心理学部に入って以来
一番恐れていた授業です。
 
同じ班になった4人の人たちに
たくさん助けてもらって
なんとか、途中棄権せずに終われました。
 
今回、苦手なことに取り組むことになって
不安、緊張、劣等感
できたら避けたい、ネガティブな
感情や感覚でいっぱいだったのですが
いいこともありました。
 
二つの安心の大切さを
実感できたことです。
 
一つは、指導者が作る
学ぶ環境上の安心
 
もう一つは、仲間と
一緒に作りだす
関係性の安心です。
 
心をほぐすような先生の言葉

間違えたり、できなかったりしても
許したり、待ったり、教えたりできる
班の中にできた温かい関係
 
これらのおかげでリラックスできて、
余計なことを考えず、学ぶ内容だけに
集中できました。
 
特に後者は、大きかった!
 
もしこれがなかったら
達成感や満足度も、少なかったように
思います。
 
職場やクラスのいじめは
本当にマイナスです。
 
全体へのマイナスです。
 
仕事、育児、災害対応、スポーツ・・・
いろんな場面で当てはまるのでしょうね。
 
年を経ると、知らず知らずのうちに
自分の周りを「やれること」や
「失敗しそうにないこと」で固めていくのですが
たまには、苦手なことにとびこんで
いくのもいいものです。
 
帰り道、緊張と疲れをほぐしたいなと
思って歩いていたら
目の前に「寄席」の看板が現れました。
 
伝統話芸や紙切り芸を目の前で見て
感動しました。
 
疲れた頭もすっきりして
来週に向け、いい栄養になりました。

西日本新聞で、毎月第2日曜日に掲載中の

ライフスキル考。

今日のお話の舞台はアメリカです。

 

 

 

《米国での出会い①》心を通わせるその先に

 

厳しい環境を生き抜くために

必要な力とは何だろう。

 

フィリピンで貧しい家庭の子どもたちや

母親たちを支援する中で、疑問を抱き

続けてきました。

 

答えのヒントは、家を失い路上や

車中で暮らすホームレスの急増が

社会問題化している米国にありました。

 

向かったのはカリフォルニア州。

華やかなハリウッドやビバリーヒルズから

そう遠くない場所に、住民の約7割が

低所得者というノースヒルという地域が

あります。ここで開かれた

「ホームレス・コネクト(家を失った人の

ためのつながり合う場所)」という催しで

サンタクロースみたいな、白ひげの

ダニーさんと出会いました。

 

元郵便局員で退職後20年以上、ほぼ

毎日近所の教会でホームレスたちの

ための朝食サービスに携わっている

ダニーさん。自らが関わり、声を掛ける

ホームレスを「友達」と呼びます。

 

ダニーさんが支援団体の職員として

働くマニーさんを紹介してくれました。

 

罪を犯し収監された過去のあるマニーさん

ですが、今はホームレスとなった人たちが

集う場所を巡る夜回りチームを率いて

食料や生活物資を提供したり

仕事の世話をしたりしています。

 

同行したある晩、「一番危険な場所」と

連れて行ってもらったのは、若い

人たちが寝泊まりする薄暗い

バーの軒下。

 

30代半ばぐらいの男性がマニーさんに

話しかけてきました。

 

最近、仕事を始めたことや仕事のために

靴を買ったこと。そんな話をしながら

真新しい山吹色の靴をどうだ、とばかりに

見せている男性の表情は明るく、

マニーさんも自分のことのように

うれしそうでした。

 

この人に報告したい。

一緒に喜んでもらいたい。

 

男性にとってマニーさんは、そんな存在に

なっているようでした。

 

マニーさんたちは、巡回する時、

紙もペンも取らず写真も撮りません。

「活動の目的は情報を集めることでも、

食べ物を配ることでもない。

彼らに触れる、つながることなんだ。」

強調します。

 

心を寄せ、日常のささやかなことを

一緒に喜び、悲しむ。心通いあう瞬間を

積み重ねた先に、苦境を乗り越える

力が育っていくのかもしれません。

 

私は今、ホームレス状態にあった方や

生活困窮者の支援を行う施設

「抱樸館福岡」(福岡市)で働いています。

日本にも支援が必要な人はいます。

18日には同施設で「きずな祭」

という年に1度の催しがあります。

日本版「ホームレス・コネクト」。

この機会にぜひ参加してみませんか。

(NPO法人「ソルト・パヤタス」元理事)

 

 フォークリフトで支援物質を運ぶマニーさん。

 

4月14日、西日本新聞の日曜日の教育面のコラムに掲載されました。

 

 

《逆境の連鎖》明暗を分けるのは

 

フィリピンにいる時、通勤に利用する

バスでベアトリスさんという女性と

よく顔を合わせました。

 

自宅前で露店を開く彼女は、市場で

肉や魚、野菜を買い入れ、いつも

額に汗を光らせながら大きな袋を抱えて

バスに乗り込んできます。

 

明るい表情とカーリーヘアが印象的で

健康そのもののベアトリスさんですが

話を聞くと壮絶な子ども時代、人生を

送っていました。

 

彼女は4歳の時に両親が別れ、最初は

母の元で暮らします。しかしすぐ強引に

父に引き取られ、酒癖の悪い父から

火の付いたたばこを腕に押し付けられたり

橋から突き落とされたりと、激しい

虐待を受けました。

 

遠くに住む祖父が危険を感じて

自宅に招き入れ、中学卒業までの

一時期は無事に過ごせました。

 

ところが祖父の死後、再び向かった

母の元で、実子以外には見向きもしない

母の再婚相手に再三いじめられます。

 

経済力のない母は泣いてわびるばかりだったそうです。

 

やがて彼女は結婚し3人の子を

もうけますが、なおも不幸は続きます。

排ガスが立ち込めるマニラの路上で

交通整理の仕事をしていた夫が胸を

患い仕事を失います。その結果

家賃が払えず、家を追い出されそうに。

 

なぜ、こうも不幸がつきまとうのか。

 

やり場のない怒りや不安で感情が揺れ動き、

夫や子ども、時には近隣住民にも、泣いたり

怒ったりと制御できない姿を見せるようになりました。

 

そんなある時、子どもたちから

笑顔が消えたことに気付きます。

そして、かつて泣いて謝っていた母と

自分が重なって見えました。

 

子どもたちにはあの時の私と

同じ思いをさせたくない。

 

彼女は、せめて子どもの前では笑顔で

いようと奮い立ちました。子どもたちは今

彼女の温かいまなざしと日本からの

学費支援を受けながら、母の手伝いに

学校にと元気な日々を過ごしています。

 

脳や神経系が発達する幼児期に

経験した逆境は、考え方や行動に影響し

大人になってからの病気や問題行動

つまりは再び逆境を呼び寄せやすい

という米国の研究報告があります。

 

ただ、人生それでおしまいではなく

明暗を分けるのは、「安心を与える

大人の存在」なのだそうです。

 

幼いベアトリスさんを引き取った祖父や

彼女の子育てを後押しする人たち。

逆境の再生産を防ぐのは、子どもに

対してだけではなく、育てる人への

支援が広がることではないでしょうか。

 

(NPO法人「ソルト・パヤタス」理事)=第2日曜日掲載