今日、福岡事務所に一冊の雑誌が届きました。


学生時代、サークルでソルトの奨学金支援をしてくれていた
ほっしーこと、日下星乃さんからでした。


同封されていたのは、コミュニティー雑誌「くるくる」



発行元は、徳島県勝浦郡上勝町の

NPO法人ゼロ・ウエイストアカデミーさん。


中を見ると、日下さんが書いた原稿がありました。

パヤタスを取り上げた原稿です。




今回、読んで私も初めて知ったのですが、この上勝町という町は、
平成15年、日本で初めてゼロ・ウエイスト宣言を行い、住民自らが徹底した分別に
協力して焼却・埋め立てゴミの削減に取り組んでいる町だそうです。
上勝町のゼロ・ウエイストは世界でもトップクラス。


「ウエイスト・ゼロ」

つまり焼却も埋め立てもない、ゴミのない、再生循環の町をめざしている

すごい町。


日下さんは、町にインターンとして入り、その後住民になりました。


初めて会ってから、もう7年。


世界の貧困を知りたいと、衝動に近い思いを抱いて、ケソン市パヤタスに来た日下さん。
パヤタスを訪れて、ここに暮らす人たちに触れ、人が、自分が、生きていく上で、
大事にしたいものについて問い続けました。


自分達の生活、食の問題、様々な場所で、いろいろな国の人と会い、いっしょに働き、
今、徳島の上勝町で自分の居場所を見つけ、発信する日下さんです。


しめくくりの一文。

「自分の足元から、彼らの生活、これからの未来の在り方を

考えていかなくてはいけないと、深く心に刻んだ」


まぶしいです。

ここ数日、連続で若いお母さんから問合せをいただいています。


「子どもをつれて現地に行けますか?」

というもの。


どのお問合せも、お母さんの熱意がひしひしと伝わってくる文面です。

貴重な夏休み、航空券がいつもより高くても、この時期を利用して、

子どもさんと一緒に現地での体験をと、考えて下さるのは

嬉しいです。


できることならお受けしたい!


のですが、そこをこらえて、お受けすることは難しいとお答えしています。

ご期待にそえずごめんなさい。


パヤタスを含め、一般に、貧困地区は結核などの罹患率も高く、
市街地より感染症のリスクが高いと言えます。
免疫力が十分ではない病み上がりの方、体力が落ちている方、
乳・幼児のお子様の参加は、やはりお勧めできないのです。


小学校にあがるぐらいの年齢になるまで、待っておりますよ~



7月15日、台風警報「シグナル2」が出され、小中校学校はお休み。

事務所は16:00で全員帰宅させました。

夕方、警報を鳴らしながらパトロール車が走り出し
夜になって、メトロマニラ開発庁は16日のお休みを決め
フェイスブックでは、「救助用ボートを準備した」というニュースが流れました。

昨年のビサヤ地方の台風30号を経験したからか、

今回は、公的機関の対応が早かったです。


今日16日は、未明から雨足が強くなりました。
朝6時少し前から風が強くなり、6時半には暴風雨。
東から西に流れるものすごい風でした。

風の音が恐ろしかったです。

メトロマニラ全域は停電になりました。


東と南にドアと窓がある自分の部屋は、東側のドアの下から

風と雨水が吹き込んできます。
ドアの隙間にタオルをはさみ、雨水の侵入を防ごうとしても、1センチほどの隙間から
吹き込む風が強く、濡れたタオルでも吹き飛ばされてしまいます。
何度も絞って水が床に広がっていくのを防ぎました。
雨が続くと気温も下がります。ずっと水を触っていたので

手足の指先が冷えました。


コンクリート10階建てのアパートでも、こんな不便さや怖さを感じるぐらいなので
廃材をつなぎあわせただけの家々に住む人たちは大変です。
トタンを重ね、釘を数本うちつけ、タイヤの重しを置いただけの屋根は
吹き飛ばされ、衣類も家財道具もぐっしょりと濡れ、雨と風で、身体が冷えたでしょう。
気持ち悪さと心細さの中で過ごしているのか…

ゴミ山のすぐ近くにあるラウディットさんの家は大丈夫なのかときになりました。


風の音を聞きながら、今準備をすすめている、カシグラハン地区の

子どもセンターの改築について、改めて考えていました。

「フィリピンの天然素材を使い、伝統的な建物ができると素敵」とか
「浸水しても、壊れても、すぐ立て直せる簡易な造りのものを」とか

一時は考えたこともありました。

でも、この暴風の中では、なんと甘かったか!


必要なのは、
嵐が過ぎるまでの間、安心して留まることができる場所。

暴風と雨、洪水に耐えうる強い建物。


自分が恐怖を感じて、ようやく、必要とされているものが見えました。

エコとかロハスとかとても大事なことだけれど、自分たちは遠くの安全な場所にいて

理想とすることだけを押し付けちゃいけない。


ようやく10:00になって、風も雨も弱くなってきました。

ケソン市の停電は夜8時にようやく終わりました。
電気が戻ってきたとき、近所から「わー」という歓声が上がりました。


ラウディットさん一家の様子も分かりました。

ゴミ山からしみ出る水が家に入ってくるので、家族でわかばセンターに避難したそうです。

あの黒い水が家に・・・。


ひとまず、避難して無事とわかり、ほっとしました。



台風一過のケソン市、クバオ。街路樹は大きな枝が折れて

あちこちに樹の枝が散乱していました。

レイテで見た、ぼきぼき折れていたココナッツを思い出しました。

今回襲った台風の風よりも何倍も強い風・・・怖すぎます。



買い物に出たら、偶然、近くのカラヤーン通りで赤十字の救助船と遭遇。

こんなのあるんだ~!



停電で、久々にろうそくの明かりでお仕事。

一瞬、これも悪くないね、などと思ったけれど、

細かい字が見えなくて大変。

改めて、パソコン、ネット、に依存した仕事しちゃっているなと

実感しました。



そんなこんなで1日が終わり

明日は帰国です。

目前に迫った課題。

やらないと、やらないとと、気持ちはあせるのに、

机に向かっても

集中できない・・・


今日はそんな1日でした。


締切目前なのになあ。


別のことばっかり頭に浮かんで


おろおろ 

ガーンむっしょぼん叫び

あせあせ


帰国したら、


長谷部選手の「心を整える」

読もう。

ポジティブなニュースをできるだけ発信したいと思うのですが、

実際の現場は、なかなかいいニュースばかりではありません。

学費支援を受けても、途中でドロップアウトしてしまう子、

悪い道に引き込まれてしまう子、早期妊娠、親の犯罪・・・等々、

でも、そんな中であきらめず、成長していこうとしている子どもたちの

姿に出会うと勇気づけられます。


今日はパヤタスに住むEさんから、思いがけない話を聞きました。


5月から働きはじめたアルバイト先で、いじめにあっている話。
その話は、現地体験プログラムでパヤタスに来てくださった

7名の人たちと、最後に振り返りと意見交換をしている時に

突然飛び出しました。


「パヤタス」という地名は、フィリピンでは有名です。


2000年7月のゴミ山崩落事故以来、「ごみ山」「劣悪な環境」

「極貧」「犯罪」といった悪いイメージが定着してしまいました。

今では、「パヤタス」と言えば「ゴミ山」。

住民は、就職や結婚で、差別を受けることがあります。


Eさんのバイト先はコールセンター。

コールセンターは英語の上手な人しか採用されません。

同僚はほとんどがフィリピンでは名の知れた有名大学から来た人たち。
中に、新しく入ったEさんがパヤタス出身者だと知ってから

「臭い」とか、「なぜあなたがここで働けるのか」とか「出ていってほしい」とか、

激しい言葉を浴びせる人が出てきました。


「私は泣かないし、落ち込んだ姿も見せたくない。

淡々と笑顔で働いてるの。だって、泣いたり感情的に怒ったりする姿を

見せたら、パヤタスから来た自分が弱いと思われるから・・・。


パヤタスは危なくない。

来たら分かってもらえる。


私の知っているコミュニティーの人は、自分が毎日3食食べられなくても

笑っていようとするし、他の人に優しい。


パヤタスは危ない場所じゃないし、悪い場所じゃない。


私は、私のためにじゃなくて、家族やみんなのために頑張るの。」

といいつつ、泣かないと言っていたのに、
言ったそばから泣き出しました。


パヤタスのことを、差別せずに見てくれる人、自分の気持ちを理解して

くれそうな人達を前に、自分の気持ちを打ち明けて、
気が緩んだのかもしれません。


彼女のその話は、私にとっても今日初めて聞くものでした。


「環境や差別から、逃れられられない」


それをこれまでの人生、いろんな場面で、痛切に感じ続けてきたのだろうと思います。
その彼女が、心無い言葉を投げつける人たちに、同じレベルで対抗するのではなく
より崇高な意識で立ち向かおうとしていることに、胸を打たれました。


強くて優しい子。

ゴミの山の麓に住んでいますが、宝物のような子です。


マニラ事務所の一番の若手キャシー。

入ってそろそろ2年の彼女。


今日はスタッフ会議の後で

最近受けたマネジメント研修で学んだことを、

他のスタッフにシェアしてくれました。


彼女は経理担当として入ったのですが、

最近は経営や人材育成に興味を持つようになったようで、

受けた研修もマネジメント。


テーマは「ザ・PDCA」


年配スタッフを前に、臆することなく

「例えば、うちの団体はこれができてないですよね~」と

淡々と語る姿は、なかなか頼もしいものがありました。


マネージャー達にとっては耳の痛い話もあったけれど、

参考になる話ばかり。

ミレットさんもずっとノートをとっていました。


若手に教えられるのも、いいもんです。

やるね、キャシー。

6月から新しくインターンとして仲間入りしてくれた田村愛弥さん。

6/9はその田村さんに課された大事な課題を 発表する日でした。


ソルトのインターンには約2週間の初任研修の中で、

必ずやらねばならない課題があります。

それは、「貧困の原因と解決-インターンの私にできること」という

テーマで、文献を調べ、自分なりに考え、ス タッフの前で、15分の

プレゼンをするというものです。


今回は、つい先日まで学校教育の現場で働いてきた社会人インターン

田村さんならではの、「教育」をベースにした興味深い内容でした。




スケールの大きな問題ですから、それをどう捉え、自分に引き寄せ、

自分なりの課題をたてるのか、なかなかの 難題です。

プレゼンにはインターンの個性が出ます。


聞き手に回ったのは、私、坂元スタッフの2名とインターン先輩の泉本さんの3人。


聞く側は、必ずそれに対し意 見・感想を返します。


普段まさにそのテーマで日々働いているわけですが、スタッフは忙しさの中で

ついつい業務をまわすことの方 に意識が集中しがち。

少し先にこの業界に入ったものとして、経験から知ったことを補足情報として

伝えること はちょっとあるのですが、どちらかというと、何かを助言するというより、

プレゼンから自分たちの仕事につ いて再認識したり、気付かされたり、

新しい考えがひらめくことの方が多く、それを伝え合う時間になります。


インターンに投げた課題は、団体への問い。


小さな団体ソルトが、限られた貴重な資源で、何を軸に動き、

結果を出していかねばならないか、考えさせられます。


インターンにはもっとも緊張する、この時間。

スタッフにとっては原点に立ち返り、団体の一番大事なことを思い出し、

新しくやってきてくれた仲間と、共有する大事な大事な時間なのです。


特定非営利活動法人ソルト・パヤタス

http://www.saltpayatas.com/



6月5日(木)昼、福岡市内で、九州大学芸術院生の濱谷さん、

濱谷さんの先輩で現在民間の建設会社で設計士をされている

大西さんと、カシグラハン地区の子どもセンターの建設の

打ち合わせをしました。





お二人とも設計や建築の専門性をフィリピンの低所得者層の人たち、

とりわけ子ども達のために活かしたいという熱い思いのある方々です。


大切にしているのは、現地住民の意見を最大限に反映させる

「住民参加型」のプロセス。

住民とのワークショップは計3回予定されており、その内1回目は

既に5月に終わりました。2回目は6月21日の予定です。


年内着工を目指して、これまでのご経験から様々なアイディアを下さいました。


資金調達や人材などの面で課題は山積していますが、

貧しい地域なのだからこの程度の建物でいい、ではなく、

貧しい家庭に生まれた子どもたちだからこそ、いつも足を

運びたくなるような快適な場を用意できたらという思いで

一致しています。


様々な方に関わっていただいて、皆で迎える完成の日が今から待ち遠しいです。

ソルト・パヤタス 子どもエンパワメント事業

http://www.saltpayatas.com/childempowerment


5月に現地体験プログラムに参加して下さったKさんが、

プログラムに参加したコメントや提言を全部で46項目にまとめて

送ってくれました。


有難い、とっても有難い、貴重な参加者の声でした。


翻訳して、全部で5ページ。

現場のJoへ送りました。

明日予定されている英語コースで、まだその一部ではありますが、

早速活かさせてもらいます。


今日午後半日はその翻訳作業で終わりました。


楽しい、美しい、美味しい場所は、フィリピンに沢山あります。

それなのに、敢えて貴重な時間を使い、お金を使って、

この地に関心を持ってやって来てくださる方がいるということに

救われています。


1人で、親子で、友だち同志で、学校のグループでと様々ですが

共通しているのは、現実を自分の目で見たい、何か大事なものに

気付きたいという期待でしょうか。


限られた時間ではありますが現地でしかできない「体験」をして

現地でしか会えない人に会って、現地の時間の流れに身を置き

町を眺め、何気ない時間を過ごして、

ここに暮らす人たちのこと、子どもたちのことを、

ハートで感じていただけたらいいなと思います。


「貧しい人」、「ゴミ山の傍に住んでいる人」という括りがとれ、

「お金持ちの国からやってきた日本人」という括りがとれ、

とれた先に見えるのが、お互いの素の人間性。

語った先に見えてくるのが、それぞれの社会が抱える課題

だったりします。


不思議です。


46のコメント、感動しました。Kさん、ありがとうございました。


ソルト・パヤタス 現地体験プログラム

http://www.saltpayatas.com/taiken