前日夜遅くまで仕込みをして、いよいよ、住民を交えてのブリーフィングの日を迎えました。


スタートがうまく切れるかどうか、これからの2週間を左右する重要な日です。


本日の内容はこうでした。


1・評価のイメージ
2・評価とは
3・評価の目的確認
4・評価のスケジュール確認
5.評価のチーム確認(チーム・コアチーム)
6・ログフレームの確認
7.関係者分析
8.振り返り


この日、会場に開始45分前には到着し、準備を黙々と始めるビッキーさんとネスさん。

話しかけづらいぐらい、緊張感でいっぱいです。


朝、ビッキーさんから、「考えた結果、内容を住民の人たちに一度に伝えると多すぎるので、重要なことに絞って伝えます」と言われました。


内容が削られるのは一瞬「まずい!」と思いましたが、それでいいということにしました。


ある程度活動が進んだところで伝える方が、理解度が深まるかもしれませんし、説明する機会は今後もあります。全部を一度に伝えきることを優先するより、大切なことだけ、漏らさず理解してもらうことを優先しました。

結果的には、ビッキーさんの提案通りにして成功でした。


開始予定時間よりも前に到着した住民。


遅刻するスタッフ。(もう~!!!)



今回、評価設計から参加する予定だった奨学生たちが、大学の試験の時期に重なったため参加できなくなったのは非常に残念でしたが、保護者の代表、現地住民団体の代表は揃い、ひとまず必要なキーパーソンは揃ったということで、予定通り開始しました。



この日最後にやる予定の、関係者分析のワークショップの準備が済んでいなくて、私はその準備(ハサミでチョキ作業)をしながら、会場の後ろに控えて、2人のファシリテーぶりを観察しました。


いつもながら、アイスブレイクのうまさには脱帽です。


参加者ものりのり。フィリピンってこういうところはすごいですね。


ログフレームのワークショップは、ミレットさんとキャシーが担当しました。

論理思考がどこまでできるかが試されるこのワーク。評価2回目で、若手でぐんぐん力をつけてきたキャシーが分かりやすく説明していました。




スタッフとのセッションでは、事業目標(Program Goal)、期待する成果(Outcome)、活動から得られる変化(Output)、活動(Activities)と4つの層を説明したのですが、住民向けのセッションでは、事業目標を省き、住民にとってより身近で考えやすい、活動と活動から得られる変化のみに集中して説明をしていました。
事業目標の説明をばっさり削っていた潔さ(?)には感服。


団体が伝えたいことを伝えるワークではなく、住民に確実に伝わるワークにする狙いは、当たったようです。

想像以上に、多くの意見が出るワークとなりました。





その後関係者分析。田中先生に教えてもらった、ベン・ダイヤグラムを取り入れ、事業に関わりのある関係者(ステイクホルダー)の棚卸しして関係性を図式化。








この二つのワークを終えて、これから始める評価設計の材料が集まってきました。


最後の振り返りでは、評価が楽しみと答えてくれる住民もいて、「よしっ!」と心の中でガッツポーズ。


出だしは上々。


ビッキーさん、ネスさん、みんな、よくやったね。

1日目のスタッフ対象のブリーフィングが無事終わり、次は、住民を交えたブリーフィングです。


その前に、2日目は仕込み作業にあてることにしました。

田中先生の資料、これを住民の人たちにも理解してもらうには、表現をよりシンプルに、抽象的な概念を分かりやすくする必要があります。



分かりやすくするのは、分かるのに苦労した人がするのが一番。


これまで抽象概念を説明するような仕事から最も遠ざかっていた2人のスタッフに、今回はこの作業を依頼することにしました。現地住民からスタッフになった、ビッキーさんとネスさんです。


ビッキーさんは、今回の評価チームのリーダーです。



意見を言うより、観察に長けているビッキーさん。普段は取り仕切りのうまいスタッフの傍で、いぶし銀のように渋い意見を言ってくれる彼女なのですが、今回はそうではなく、前に立ってみんなをぐいぐい引っ張っていく仕切り役を担ってもらうことにしました。


引き受けるのにはちょっと勇気が必要だったようですが、成長意欲の高さは団体随一。決めたら腹をくくる彼女は、私からの3回目の打診で、「不安はありますが、チャレンジします」と言って、引き受けてくれました。


難しいプレゼンを、かみ砕いて説明する、それには複数の人の協力も必要です。


2人には、パワーポイントの資料を作りこむのスキルはまだ足りないので、そこは若い補佐役カレンをつけました。また、事前にリハーサルの時間を作り、みんなが助言し手伝えるようなバックアップ体制を作りました。


とは言え、もう50歳になる2人。

最初の作り込みで苦労するところを、他のスタッフに見られるのがちょっと恥ずかしかったのか、事務所から離れた場所で準備を始めました。


抽象的な単語が並ぶパワーポイントの資料を眺めながら、あーでもないこーでもないと議論し、身振り手振りを交えながら、1シートごとに表現を相談して、紙にタガログ語のセリフを書き込んでいきます。ちょっと離れたところからその作業風景を見て、胸が熱くなりました。

「どうしたら住民の人にこれが理解してもらえるか」。


その瞬間、2人が考えていたことはこの1点。

2人の集中と情熱が伝わって、この評価はきっと成功する、と思えました。


皆の前でリハーサルを終え、沢山の提案にちょっととまどう一幕もありましたが、しっかり吸収しました。




プレゼンの内容を、シンプルにすることに加え、配布物のシンプル化、席の組み方なども考えて、3日目の住民を交えたブリーフィングの日を迎える準備が整いました。


ちょっとマニア向けな内容になりますが、

これからしばらく、評価のことを書いていきます。


評価活動に入る前に、まずやるのはウォーミングアップ。

初日は、こんな内容のブリーフィングをしました。


内容
1・評価のイメージ
2・評価とは
3・評価の目的確認
4・評価のスケジュール確認
5.評価のチーム確認(チーム・コアチーム)
6・ログフレームの確認
7.振り返り


初回のブリーフィングは、評価に関する基礎知識と、これから評価を行おうとする事業について思い出す作業が中心でした。


今回は、評価に参加するのが、スタッフと現地住民で、それぞれの評価に関する経験値や理解のレベルに差があるので、2回に分けて実施することにしました。

初日は、スタッフに対するブリーフィング。



最初は、評価に対するイメージを一人一人に聞いてみました。



「不安」「テストみたい」「評価されるのは怖い」そんな答えもありましたが、ほぼ共通していたのは「でも、楽しみ!」ということでした。明るく前向きなスタッフが多いのは有難いことです(笑)。


2009年から、2~3年おきに評価をしてきて、団体としては3回目の事業評価になります。評価は恐れるものではなく、大変だけど自分たちを成長させてくれるもの、という認識が定着してきたのかもしれません。
評価は恐れるものではなく、楽しいもの、自分たちの栄養になるものだというのが組織文化として定着してきたなら、嬉しいことです。


今回評価に参加するスタッフの内訳は、初体験が5名、2回目が4名、3回目が3名という構成でした。


「ほぐし」の後は、大切なポイントの確認です。


「なぜ評価を行うのか」評価目的の確認、「評価に参加するのは誰なのか」参加者と参加レベルの確認、「何を評価するのか」事業内容の確認、を行いました。



評価という骨の折れる一大作業に取り組むにあたり、節目節目で達成度が目に見えないと辛くなってしまうので、最初に全体の工程を把握し、毎回「自分たちはここまで進んだね」と、進捗度が見えるように、評価活動のステップを、前に貼り出しておくようにしました。これは田中先生から学んだ大事なポイントです。







私たちの今回の評価の目的はこの3点です。


これも紙に書いて、節目節目で確認し合うようにします。



1. To know what the program attained and not attained.
事業を通じて、達成したこと、達成できなかったことは何か知る。(説明責任)


2. To collect facts and other useful information to plan a new sustainable lifeskills educational program.
新しく継続性のあるライフスキル教育事業を立案するために、事実や有益な情報を集める。(教訓を得る)


3. To develop program management capacity among community people and Salt staff.
現地住民とスタッフのマネジメント能力を高める。(人材育成)



そして、いよいよ真髄へ。


田中先生が作ってくださったパワーポイントの資料をもとに、「評価とは」の基本的な学習をし、この4年間実施してきた具体的な活動を思い出し、何を目指して行ってきたのか、事業のログフレームを再構築する作業を行いました。


ワークショップの後には「今日の学び」、「今の気持ち」、「次回への提言」の3つの質問を、参加者に聞きます。



1日目のワークの最後、参加者全員に達成感を尋ねたところ、結果は70%~90%でした。

提言として、話を聞くだけの時間が長かったので、グループワークがもっとあると良い、ログフレームに関してもっと考え、整理する時間があった方がいい等が出されていました。



フィリピンの人たちは一人で考えたり座学で学ぶより、複数で話をしながら学びを深めるのを好みます。仕事も学びも、コミュニケーション重視型なのですね。


「前回の評価では、時間も長期に渡り大変なことばかりで、何をしたのかよく理解できていなかったけれど、今回はとてもよく理解できる」と嬉しそうに語っている評価2回目のスタッフがいました。前回は評価チームの一人で、今回は評価チームの中枢を担うことになったスタッフです。1回目より2回目で、理解が深まり、さらに喜びを感じてくれているのが分かって、嬉しく思いました。



10/7から、子どもエンパワメント事業の、終了時評価が始まりました。


奨学金、学習支援、ライフスキル教育を合わせた教育支援事業

「子どもエンパワメント事業」。


2011年から4年半、子どもたち、家族、地域にどんなインパクトがあったのか、状況は改善されたのか、それとも変わっていないのか、どんな人たちがこの事業に関わり、投入した金銭的、人的資源に見合った効果だったのか…


関係者全員が、とても気になるこれらの質問に答えを出す、判決の時です。


評価は、「参加型」評価で実施します。


評価をすることの良い点として、説明責任を果たすという点と、もう一つ、人材育成があります。参加型評価は、特に後者に効果があると言われています。


評価する過程で、参加者は、設計、情報収集、判断を経験します。そのプロセスがなかなか大変で、自分たち自身で考えないと、前に進みません。何が重要なのか、何が必要なのか、何を優先するのか、何度も何度も問われ、答えを出さねばなりません。



参加者は、論理性を求められます。記憶を呼び起こし、混沌とした情報を整理することも求められます。


思考と決断を求められ、疲れる作業なのですが、同時にそれは、普段見えていなかったことに気付かされる作業でもあります。


評価の終盤には、次にどう踏み出せばいいのかのヒントとなる「教訓」を、参加者それぞれが導き出していることに気付きます。外から来る、なんだかよく知らないけど偉い人からもたらされる助言や教訓ではなく、自分たち自身で生み出した答えです。なので、参加型評価は、その過程そのものが、マネジメント能力を向上させる人材育成になると言われています。



確かに外部評価の方が客観性を確保できますが、外部評価だけだと説明責任の目的は達成できても、人材育成の効果は薄くなりがちです。むしろ自分たちの努力が正しく評価されなかったり、低く評価されてしまった場合、実施に関わった人たちの気持ちは落ちてしまうでしょう。


今回は両方のいいとこどりをしたいので、評価の専門家の方に入っていただいて、外部視点を取り入れながら、主軸は実施者と受益者とで行う、参加型評価を選びました。


今、新規事業立案のための調査活動も行っているので、それと並行して、現行事業の評価に取り組むのは、負担増です。でも、立案に過去の経験と教訓を生かすためには、今、このタイミングで評価を行うことは外せないと思いました。


だから頑張ります、みんなで。


現実を見る勇気と、

これを通して自分たちがどう成長できるのかの期待と、

結果に対する不安と、

プレッシャーを携えて。


※この評価は、参加型評価専門家、田中博先生からの指導を受けつつ、進めています。


今回全体のファシリテーター役を務めることになった私は、現地に入る前に、9月末、田中先生から二日間の研修と仕込みの作業の指導を受け現地での活動に入りました。


参加型評価について詳細を知りたい方は、どうぞこちらをご覧ください(田中博先生のHP)

http://members3.jcom.home.ne.jp/nepalippine/9E1E3EDA-A235-40F6-9062-3C099029B021/B99C0B20-D17A-4656-99E9-AC167C2BB59C.html

ソルト・パヤタスの活動を始めたきっかけや

続ける原動力はなんですか?

と聞かれることが増えました。


NGOで働いた経験も、現地についての知識もなかった私が、
20年前、海外の子どもの支援をいきなり始めるに至ったきっかけ。


それは単純に、

現実を見てしまったから

なのですが、それと同時に


これがしたい
これならできる


と思ったことが大きな後押しでした。


これならできる


なんて、思えたその自信はいったいどこから生まれたのか。
驚きです(笑)

何の経験もなかったのに。


考えてみたら、それは、自分が特別ではない一般的な感覚をもった

人間であることの自信だったのかもしれません。


たまたま行った土地、たまたま出会った、

自分に親切にしてくれた人たちが、
直面している辛い現実。

かわいい子どもたちの現実。


それを知ったら、誰だってなんとかしたいと思うに違いない。

危ない場所、大変な場所に

わざわざ飛び込んでいきたいとは思わないし、
できれば楽してお金を稼ぎたいし、

人生を楽しく過ごしたい。

でも、困っている人を見たら、ちょっとは何かしたいと思う。


そんな世間のごく普通な感覚。


自分が自信を持って言えるのは

そんな感覚を持っていることで、

だから、今の私の思いは、

きっとみんなの思いだと思えました。


知ったら変わる。
だったら、知らせればいい。
つなげばいい。

それならできる。

一人でも多くの人が知って、動いてくれたら
きっとこの問題は解決に近づく。


そんな風に思えたのです。


とっーても単純なこの考えが、始まりです。


その恐るべき単純さは、今も変わりません(笑)


素人っぽいでしょう?

謝っちゃいます。


でも、今もそうなのです。
それが原動力です。

カシグラハンで5月から始まったベースライン調査。
家庭訪問約1000軒、子どもたちの実態調査約600名を終え、登山で言うと、8号目あたりまで来たところでしょうか。


到達まであと残り僅かとなったこの日、
住民調査員に集まってもらい、これまでの調査活動がどうだったかの振り返りと調査の中間結果を共有する時間をとりました。


まず驚きだったのが、語り合いに費やした時間です。

朝9時集合して、終了したのが夕方5時!
もともとは半日程で終える予定だったのですが、意見が活発で尽きることもなく、最後まで行ってしまいました。


この日調査員への謝礼はなく、ランチも自分たちで20ペソを持ち寄ってセンターで作って食べていました。


そこまで動かすものは、なんなのでしょう。

共に働いた仲間たちと楽しく過ごせるから?

新しい何か価値のあることに取り組むわくわく感?

調査を通し、知らなかったことを学び、気付き、自分が成長していく実感がえられるから?


これはほんの一部ですが、調査員から出てきた意見をシェアします。

私が特に印象深いと思った意見です。


・これまでは自分や家族の行動や食べるものに関心を持っていただけだった
調査をする中で、同じ地域に住む他の人たちのことで初めて分かったことがあった。

・怠けているから貧しいのだろうと思っていた家庭に訪問した。

実はその家庭の父親が見た目に分からない難病を抱えていたことが分かった。

思い込みや勘違いで間違った捉え方をしていたと気づいた。

・話を聞かせてもらうために、我慢するということを身に付けた。

・学歴は低いのに、人生の成功や、幸せをつかんでいる人もいるということが分かった。

・とても貧しい暮らしをしている家庭を見て助けて、自分が今助けてあげられないことが悔しかった。いつかお金を稼げるようになったら助けてあげたいと思った。

・退学者の中には、復学することを望まない、望めない人もいるということが分かった。

・とても貧しそうな暮らしぶりなのに、訪問者の自分たちに優しく、明るく接してくれたことが感動した。


ずっとこの話し合いを聞いていたスタッフが、こんなことを言いました。


「恵美子さん、調査員たちは、この地域の住民なのに、

出てきた感想がスタディーツアーで日本から来た参加者の感想とそっくりなんです!」


これから先、調査結果を分析し、立案へと入っていくわけですが、この立案にも、その先のプロセスにも、彼らには一役も二役もかってもらいたいと思います。
非常に興味深い、振り返りの結果でした。


8/31は、フィリピンは祝日です。

誰もいない昼下がりの事務所で、風鈴の音を聞きながら

自由気ままに、思い切りリラックスして、

溜まった仕事を整理しております。ニコニコ



さて、昨日8/30の国会前のデモ、すごかったですね。


全国各地でもデモがあって、主催者情報で350か所12万人の

方々が、雨の中を歩き、意志を表明されたんだそうです。


他の用事をさておき、デモを優先された方たち。

私は8/21の国会前の金曜行動に、一度だけ参加しただけで、

その後は何も参加できていません。

ニュースで本当に大勢の人が動いているのを見て

胸が熱くなりました。


それだけ、政治が危機的な状況だということですよね。しょぼん


政治の場では反映されない民意を、

平和的な形で示す方法の一つがデモ。


福岡では音楽と一緒に意見を表明するサウンドデモが

意味なく警察に妨害されたことで訴訟にもなっています。


オルタナティブな表現の場は、守られなくちゃいけないと思うし、

それができない世の中にならないよう、今できる間に活用しなくちゃって思います。


さて、熱狂から一夜開け、政治家の人たちの意見を見ていると


この熱を持続できるか、

ここから議論を深めていけるか、

私たちがその意欲を持ち続けられるか、


が、問われてるなあって思います。


今朝、朝日新聞デジタルに掲載されていた湯浅誠さんの言葉、

成程と思ったので、転載させてもらいます。


===


私たちは主権者として、この国の行方に最終責任を負い、

結果責任を免れない。

一連のデモは政治をより身近で切迫したものと感じさせたが、

議論や対話をして民主主義の成熟につながることを望む。

そうすれば投票率も向上し、より民意に近い政治が実現する。

===


オルタナティブな方法に訴えるけれど、本来は正規ルートで

民意が反映されて欲しい。

私たちも投票、行かないと。

投票行動が、ちゃんと反映されないと。


本当は、私たち1人1票も持っていないのが実情だから

そこもなんとかしないと。



あなたが持っていると信じている一票、ほんとに一票?

http://www.ippyo.org/checker.html


いつ読んでも感動する憲法の前文。

実現するか、あきらめちゃうかは

私たち次第。


憲法が提示する社会を、イメージしよう。

語ろう。


そんなことを考えた昼下がり、でした。

今日午前は、澤田先生、中室先生と、教育機関めぐり。

リサール州カインタにある教育省で、プレゼンと意見交換がありました。







ライフスキル教育の私たちの取組みについて、地元小学校の先生たちに続き、教育省の方々からも共感を得、全面的協力が得られることになりましたビックリマーク


子ども、保護者、地域、先生、教育省と、役者が揃ってきて、

それぞれの資源を持ち寄って、あまりお金をかけず、持続しやすく、効果が続く活動を形にするというゴールに、一歩また近づいた感じです。






澤田先生や中室先生のお話が、教育省の人たちの課題意識を刺激していくのが伝わってきました。





5月4日から始まって、3か月半続けてきた、リサール州カシグラハン地区での基礎調査。

約1000件の家庭訪問が終わり、今は、地元の小学校と連携して約600名の子どもたちへの質問調査の準備が進んでいます。


今日は、アドバイザーに入っていただいている研究者の先生方とそれを手助けしてくれている慶応大学中室先生のゼミ生の皆さん、そしてフィールドで、実際の調査活動を担っているフィリピン人スタッフ24名が一同に会し、リーダーである東京大学の澤田先生から、他国で行われた教育プログラムの事例や、今回の調査の中間報告を聞きました。


「人への投資、教育への投資が、貧困問題の削減に大きな効果を出している。」


データをもとに伝えられる先生からのこの情報に、わたしはいつも励まされます。







調査結果の中間報告では、次のようなことが分かりました。


・ 対象地域の世帯当たりの所得平均は国の平均の42%しかないこと

・ 子どもたちの教育費がそれぞれの家庭に重くのしかかっていること

・ 大学に入りさえすれば高額の収入を手にし、明るい将来が開けると、住民の多くが楽観的であるのに対し、実際は大卒であっても所得は夢見る程に高額ではないこと

・ 高校を卒業して得られる収入は、住民の多くが想像している程低くないこと

など、興味深い事実が浮かんできています。


卒業を目前にして、中高をドロップアウトしていく子どもたちが多いことは、以前からの課題でした。

あとちょっとの辛抱なのに・・・、と思うことばかりでした。

5番目の情報は、子どもたちにも親御さんにも、ぜひ知らせてあげたい情報です。


今実施している基礎調査で、コミュニティーの実態、子どもたちの実態をあぶり出し、それらと、これまで私たちが実施してきた教育活動の経験値を重ねあわせて、支援事業を設計していきます。


子どもの将来を決定する、認知スキルと非認知スキル。

私たちががこれから推進しようとしている「ライフスキル教育」は、両方を相乗的に伸ばすことを狙っています。実験し、検証し、実験し・・・を繰り返して

・コストがかからず

・手間が少なく(現地の人たちで始めやすく続けやすい)、かつ

・教育効果が高く、それが持続する

そんなプログラムを、図書推進を軸に、地域のお母さんたちや学校と連携して作っていきます。


大雨の日も、太陽が照り付ける日も、泥棒やセールスと間違えられ追い払われても、負けずにデータを集めてくれた20名の調査員、スタッフ、それらのデータを日々チェックし分析して下さった先生方のおかげで、プログラムのイメージが、ぼんやりと見えてきました。


明日、明後日とさらに調査と議論が続きます。