ちょっと、どきりとするでしょうか、このタイトル。
ライフスキルセンターで、知能検査の採点活動が始まりました。


学校介入の結果の測定の一つに、グッドイナフ人物画知能検査(DAM)というのを採用しています。子どもたちが書く絵から発達具合を読み取ろうという、とても興味深い検査なのですが、
一つの絵の採点項目がなんと50か所もあって、採点にちょっと骨の折れるテストです。
今週一週間は、子どもたちが集う図書館の隣で、1006名分の絵の採点をするのが、主なお仕事となりました。
実際の採点に入る前に
1.日本語の採点ガイドを英語に訳し、
2.サンプル画2種類をテスト採点して、採点に差異が出ないかチェック
3.差異が出た部分は、原因を調べて英訳を調整
4.実際に採点を実施する調査員12名を迎え、再度、同様の絵でテスト採点
5.再度採点に差異がでないかチェックし、差異が出た部分について全員と確認
というような手順を経て、いざ開始。
当日私の役は、
「みなさ~ん、これで子どもたちの知能が測られてしまうので、どうかくれぐれも慎重にお願いします!!」
「分からないところや迷ったところは、すぐ相談してくださいね~」
と、スタッフに何度も伝えてもらうこと、そして、
みんなが採点する脇で、1006人分の採点用紙を3つのコピー機フル回転してひたすら印刷し、ホッチキス止めすること、でした。
印刷作業は、事前にやっておけばよかったのですが、今回は、私の翻訳が遅くなってしまったために、スタッフが印刷スタンバイしていてくれたにもかかわらず、仕事を渡せず、
それで準備がつまづいたもので、反省の意味もあり、黙々と印刷をしておりました。。。
午後6時。無事初日が終わり、残りの印刷のめどもたち、反省会を終えて、ようやく皆で一息。
さて、採点ですが、慣れれば、一人当たり10分程で採点できるようになるのですが、最初は判断に迷う部分も出て、長めにかかります。
「うーん・・・この二つの目の目線は同じ方向を向いているのか・・・」
とか
「胴の長さの比率と脚の比率は、いかがなものか・・・」
とか
「この状態は服を着ていると言えるのか・・・」
とか
絵を見て良く書けてるね、とか、人に見えるとか、ざっくりではなく、パーツパーツ毎に比率割合状態をじっくり見ないといけないので、最初は、私も、どのスタッフも、20分以上かかっていました。
知能を測るんですから、やっぱりそれぐらい慎重にならないと、ですね。
怖くて、面白い、そんな仕事をさせてもらっています。
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学校介入について
ソルト・パヤタスが、昨年からリサール州の3つの学校と教育省の協力を得て実施している子どもと親への支援活動は、5名の研究者の方からお力添えを頂いて、文部科学省の科学研究費、民間企業の調査助成等々の資金で実施できています。
5名の先生とは、4名の経済学博士-東京大学澤田康之先生、慶応義塾大学中室牧子先生、一橋大学真野裕吉先生、東京大学Andrew Greffin先生と、芸術学博士である聖徳大学の奥村先生です。
算数や科学、英語などの「認知能力」、性格や社会的スキルのような「非認知能力」(いわゆるライフスキルも含まれます)、そのどちらも子どもたちの将来にとって重要な能力ですが、いったいどんな教育活動がそれらの能力を伸ばすのか・・・
私たちは、子どもへの「読み聞かせ」「お絵かき」「算数(Eラーニング)」と親御さんへの「教育貯蓄の奨励」という4つの活動が効果を見せるのではないかという仮説をたて、介入実施前後を比較して、子どもたちの発達にどんな影響を及ぼしているのか、はたまた期待しているほど及ぼしていないのかを検証するのですが、調査に偏りがないよう、現実的に現場で調査可能なことはほぼすべて実施して、できる限り正確にいろんな角度から子どもたちの変化を追おうとしています。
学校から出される成績
全国一斉テスト
民間の学力テスト
心理テスト
家庭環境・生活実態を見る家庭訪問調査
学校の出席状況
介入の出席状況
栄養状態
それに
グッドイナフ人物画知能検査(DAM)
マシュマロテスト
などを組み合わせています。
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グッドイナフ人物画知能検査(DAM=Draw A Man)について
1926年にF.L.グッドイナフ(F.L.Goodenough)が開発した知能検査。
標準化したマニュアル的採点法に沿って、人物の部分・頭、胴体、手足など部分の比率・全体や部分の明瞭度、明細度に注目して採点をします。
採点項目は「頭・眼・胴・口・毛髪・腕と足の付け方・耳の位置と割合・指の細部」など50項目。一つずつチェックして点数をつけていきます。
知能発達水準を確実に正確に測定することはできないのですが、大まかな発達状況を読み取るのに役立ちます。
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今回は、学校介入の測定について、ちょっと詳しく書きました。
きっと、「マシュマロテスト」に興味を持った方もいらっしゃるかもしれませんね。
次の回をお楽しみに。