5月18日-19日、香川県にお邪魔しました。

 

7年間、パヤタスやカシグラハンの子どもたちの教育支援活動を応援して下さっている、香川県のこちらの3つのライオンズクラブのみなさんに、活動報告や現地の今の様子を聞いていただくのが、訪問の目的です。

 

・三木さぬきライオンズクラブ

・高松グリーンライオンズクラブ

・東かがわライオンズクラブ

 

ド緊張で臨んだ例会でしたが、なごやかで明るい皆さんにほぐしていただいて、なんとかお伝えする任務を果たせました。

 

三原さん、五味会長、藤原会長、ありがとうございました。

 

でも、うどん大好き人間なもので、高松に着いた瞬間からこの笑み。

 

 

今日は、朝も昼も、つるつるしこしこのうどん。

人もうどんも、魅力的な香川でした。

 

 

 

 

 

またも、強行採決。

 

大多数の人がその必要性に、疑問や懸念を呈している中で、また言論や理性ではなく、暴力的にも見える力で、押し通してしまいました。

 

議論を避け、民主主義を機能させようとしていない姿勢
「お前たちは、文句を言わず、ただ従っていればいいのだ」
と、言われているような気さえします。

 

・・・とはいえ、批判して、悲しんでばかりいてはいけませんね。

 

今日は、来月に迫った講演イベントのご案内です。

 

講演イベント
ライフスキル教育が変える未来~フィリピンの子どもたちから見えてきたもの~
http://www.saltpayatas.com/lifeskilleventko


ソルト・パヤタス(以下ソルト)はフィリピンの貧困地域で、貧困の世代間連鎖を断ち切り、子どもたちが教育を受けられる社会を実現するために、科学的データに基づいたライフスキル教育を「学力の経済学」「原因と結果の経済学」の著者である慶應義塾大学の中室准教授、一橋大学の真野講師ら経済学者と、聖徳大学児童学部学部長の奥村教授と手を結び展開しています。 

 

本講演イベントでは、フィリピンでの調査・介入に入った3人の研究者を招き、目標や夢を設定しそれに向けて挑戦する土台となる「ライフスキル(課題や困難を乗り越える力)」をソルトがどのように子どもたちに養ってもらおうとしているのかを、実際に現地での介入に使用した資料や子どもたちが書いた画を使いながらご紹介致します。

 

<日時>
6月17日(土)午後1時30分〜午後4時30分

<内容> 
1部:NGOによる講演(ソルト・パヤタス  小川恵美子より) ~フィリピンの貧困問題、これまでの教育支援について~
2部:研究者による講演(中室准教授、奥村教授ら研究者チームより)~ライフスキル教育構築のための、具体的介入方法について~
3部:登壇者によるトークセッション~様々なテーマでのトークセッション(参加者からの質疑応答含む)~

<場所>

慶應義塾大学 三田キャンパス 東館 8階ホール
https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html

<登壇>
中室牧子准教授(慶応義塾大学)、真野裕吉講師(一橋大学)奥村高明教授(聖徳大学 児童学部 学部長)小川恵美子(ソルト・パヤタス  ライフスキル教育構築事業担当)

<参加費>
一般:事前クレジット決済=2,500円、当日支払い=3,000円 学生:事前クレジット決済=1,000円、当日支払い=1,500円

<定員> 80名

 

貧困地区に生まれ、困難の多い状況下で生きる子どもたちへのライフスキル教育に取り組み始めて7年目になります。

 

2015年から、開発経済学、教育経済学、芸術学の研究者の先生方にも加わっていただき、マニラ首都圏に接する再定住地、カシグラハンという場所で実践と測定を行っています。

 

ライフスキルとは何か、その概念や構成するスキルについては様々なところで見聞きするようになりました。しかし、具体的実践事例を知る機会は、まだ多くないのではないでしょうか。

 

5年前、私自身がその実践事例があったら・・・と切望する一人でした。

始まって1年未満で、中間報告の粋を出ませんが、その経験やそこで見えてきたことを、お話する講演イベントです。

困難な状況にあっても、自己と他者の幸福のための選択、判断、行動ができるようになるための心の持ち方とスキル・・・それが、ソルト・パヤタスが追及するライフスキルです。

 

必要なのは、貧困地区にいる人たちだけではなく、今、強行採決の連続の中で息苦しさを感じる私自身にも求められている力だと感じます。

 

ご参加いただけましたら、大変嬉しいです。

 

蛇口をひねると、最初1分ほどは「お湯」が出てくる暑い、フィリピンです。

夜、バライ・カリナガンからの帰路、スタッフから今日の最高気温が41度だったと聞きました。

 

ジープニーターミナルまで、10分の道のり。

 

路地の至るところで、椅子を出して、家族やご近所さんと食べたり話したり涼んだりしている人の姿が見られます。

路地は家の延長。

中も外も、差がないみたいに、みんなリラックスしています。

この中も外も同じな感じ、外に対して気負わない、そんなところが、外から来る人をも、リラックスさせてしまうところなんでしょうね。

 

夕方の涼しさ、

人のざわめき、

オレンジ色の電気の明かり

いろんなおかずの匂い

 

夜のカシグラハン、でした。

 

 

 

 

 

 

 

今週、週末二日間は、読み聞かせの研修を見学しました。
8名のスタッフが、地元のNGO「Storytelling Project」代表のReyさんや、Jenny先生から指導を受けました。

 

Reyさんは、CNN Philippinesでも過去3度ほど取り上げられた経歴の、読み聞かせのスーパースターです。ご縁をいただいて、ライフスキル教育構築の読み聞かせ分野で助けてもらうようになり、今年で2年目に入りました。

 

 

今年は、2日間、全活動を見学させてもらいました。

 

上達のための具体的訓練方法
子どもたちを惹きつけるための工夫
指導案の作り方
・・・

こちらの期待に応え、昨年よりも更に具体的で示唆に富んだ内容の研修を組んでくれたのが分かりました。

 

 

ネルソン・マンデラ氏の「教育が社会を変える原動力になる」

この言葉を座右の銘にしているReyさん。

 

読み聞かせの技術はもちろんなのですが、使命感と情熱と愛でできているような彼と話をしていると、みんな元気づけられるようです。

 

 

 

ピンク、注文してしまいました。

新しいTシャツ、今から届くのが楽しみです。

お揃いで着て下さる方、大募集です。

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広瀬アリスさん×チチカカ
コラボTシャツ第2弾発売...
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女優・モデルの広瀬アリスさんが“つくる人も着る人もHappyになってほしい”という願いを込めて今年もチチカカさんと一緒にチャリティーTシャツを作りました!

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えらぶ人もつくる人もHappyに。
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※アウトレット店ではお取り扱いがございません。
・チチカカオンラインショップ
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・チチカカ楽天市場
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なぜ、こうも懲りずに繰り返してしまうのか・・・

 

部屋のインキ―。

 

考えごとをしてるのか、何も考えていないのか
扉を閉めた瞬間に、はっと気付けばまだいいのですが、
家に帰ってくるまで全く気付かないこともしばしば。

困ったものです。
このおっちょこちょい。

 

他にもあるある。

 

車で出たのに、それを忘れて
電車で帰ってきてしまったり
サングラスをしたまま、今日は暗いなあ・・

と思いながら仕事をしていたり。

 

インキ―の対応は、アパートのフロントのスタッフは慣れたもの。

 

無言で立って苦笑いしている私を見て
「はい、またですね」と笑顔でスペアキーを渡してくれます。

 

今日は、ちょっと違っていて
鍵に添えて、冒頭の言葉をくれました。

 

こういう艶っぽい返しは粋ですね。

 

そういうことに、しておきましょう。

 

ちょっと、どきりとするでしょうか、このタイトル。

 

ライフスキルセンターで、知能検査の採点活動が始まりました。

学校介入の結果の測定の一つに、グッドイナフ人物画知能検査(DAM)というのを採用しています。子どもたちが書く絵から発達具合を読み取ろうという、とても興味深い検査なのですが、
一つの絵の採点項目がなんと50か所もあって、採点にちょっと骨の折れるテストです。

 

今週一週間は、子どもたちが集う図書館の隣で、1006名分の絵の採点をするのが、主なお仕事となりました。

 

実際の採点に入る前に

 

1.日本語の採点ガイドを英語に訳し、
2.サンプル画2種類をテスト採点して、採点に差異が出ないかチェック
3.差異が出た部分は、原因を調べて英訳を調整
4.実際に採点を実施する調査員12名を迎え、再度、同様の絵でテスト採点
5.再度採点に差異がでないかチェックし、差異が出た部分について全員と確認

というような手順を経て、いざ開始。

 

当日私の役は、

 

「みなさ~ん、これで子どもたちの知能が測られてしまうので、どうかくれぐれも慎重にお願いします!!」

「分からないところや迷ったところは、すぐ相談してくださいね~」

 

と、スタッフに何度も伝えてもらうこと、そして、
みんなが採点する脇で、1006人分の採点用紙を3つのコピー機フル回転してひたすら印刷し、ホッチキス止めすること、でした。

 

印刷作業は、事前にやっておけばよかったのですが、今回は、私の翻訳が遅くなってしまったために、スタッフが印刷スタンバイしていてくれたにもかかわらず、仕事を渡せず、
それで準備がつまづいたもので、反省の意味もあり、黙々と印刷をしておりました。。。

 

午後6時。無事初日が終わり、残りの印刷のめどもたち、反省会を終えて、ようやく皆で一息。

 

さて、採点ですが、慣れれば、一人当たり10分程で採点できるようになるのですが、最初は判断に迷う部分も出て、長めにかかります。

「うーん・・・この二つの目の目線は同じ方向を向いているのか・・・」
とか
「胴の長さの比率と脚の比率は、いかがなものか・・・」
とか
「この状態は服を着ていると言えるのか・・・」
とか

絵を見て良く書けてるね、とか、人に見えるとか、ざっくりではなく、パーツパーツ毎に比率割合状態をじっくり見ないといけないので、最初は、私も、どのスタッフも、20分以上かかっていました。

 

知能を測るんですから、やっぱりそれぐらい慎重にならないと、ですね。

 

怖くて、面白い、そんな仕事をさせてもらっています。


===

学校介入について

 

ソルト・パヤタスが、昨年からリサール州の3つの学校と教育省の協力を得て実施している子どもと親への支援活動は、5名の研究者の方からお力添えを頂いて、文部科学省の科学研究費、民間企業の調査助成等々の資金で実施できています。


5名の先生とは、4名の経済学博士-東京大学澤田康之先生、慶応義塾大学中室牧子先生、一橋大学真野裕吉先生、東京大学Andrew Greffin先生と、芸術学博士である聖徳大学の奥村先生です。

 

算数や科学、英語などの「認知能力」、性格や社会的スキルのような「非認知能力」(いわゆるライフスキルも含まれます)、そのどちらも子どもたちの将来にとって重要な能力ですが、いったいどんな教育活動がそれらの能力を伸ばすのか・・・


私たちは、子どもへの「読み聞かせ」「お絵かき」「算数(Eラーニング)」と親御さんへの「教育貯蓄の奨励」という4つの活動が効果を見せるのではないかという仮説をたて、介入実施前後を比較して、子どもたちの発達にどんな影響を及ぼしているのか、はたまた期待しているほど及ぼしていないのかを検証するのですが、調査に偏りがないよう、現実的に現場で調査可能なことはほぼすべて実施して、できる限り正確にいろんな角度から子どもたちの変化を追おうとしています。

 

学校から出される成績
全国一斉テスト
民間の学力テスト
心理テスト
家庭環境・生活実態を見る家庭訪問調査
学校の出席状況
介入の出席状況
栄養状態
それに
グッドイナフ人物画知能検査(DAM)
マシュマロテスト

 

などを組み合わせています。

===

 

グッドイナフ人物画知能検査(DAM=Draw A Man)について


1926年にF.L.グッドイナフ(F.L.Goodenough)が開発した知能検査。
標準化したマニュアル的採点法に沿って、人物の部分・頭、胴体、手足など部分の比率・全体や部分の明瞭度、明細度に注目して採点をします。
採点項目は「頭・眼・胴・口・毛髪・腕と足の付け方・耳の位置と割合・指の細部」など50項目。一つずつチェックして点数をつけていきます。
知能発達水準を確実に正確に測定することはできないのですが、大まかな発達状況を読み取るのに役立ちます。

 

===

今回は、学校介入の測定について、ちょっと詳しく書きました。

きっと、「マシュマロテスト」に興味を持った方もいらっしゃるかもしれませんね。
次の回をお楽しみに。

 

風邪をこじらせ、声が出ないので、

今日はカシグラハンに行かず、おとなしく自宅静養です。

 

こんな日は本の紹介。

 

西暦121年に生まれ、大ローマ帝国の皇帝となったマルクス・アウレリウス。
読書や瞑想が好きで内向的だったこの男性が、本当になりたかったものは皇帝ではなく哲学者でした。

 

原題「自分自身へ」とされるこの本には、折にふれ浮かんだ考えや思想や、自省自戒の言葉がおさめられています。執筆のタイミングは、時に宮廷、時に戦争の遠征の真っただ中と、まちまち。

 

もともと人に読ませるために書いたものではないので、ところどころ分かりにくいところもあります。しかし、そこに記されている葛藤は、今の私たちの心情や生活にも当てはまるようなものが多く、乗り越えようとする真摯で一途な姿に、幾度となく胸を打たれます。

 

1800年以上経っても、人の胸を打つ言葉。

そこに、国や時や文化や宗教を超えた、人間としての普遍的な真実があるからでしょうか。

 

でも、本人さんとしては、日記を読まれているようなものだから、ちょっと恥ずかしいでしょうね。。。

 

たぐいまれな能力を持ちながら、それにあぐらをかかず、高みをめざし、世のため人のため働いた一人の男性の生き方が、この1冊を通して見えてきます。

 

最近、この本の随所に、Growth mindsetが現れているのに気付きました。

 

Growth mindsetとは失敗、挫折、困難から学ぶ、成長する心です。

 

例えば・・・

===
「なんて私は運が悪いんだろう。こんな目にあうとは!」否、その反対だ。むしろ、「なんて私は運がいいのだろう、なぜならばこんなことに出会っても、私はなお悲しみもせず、現在に押しつぶされもせず、未来を恐れもしていない」のである。

同じようなことは万人に起こりうるが、それでもなお悲しまずに誰でもいられるわけではない。
それならなぜあのことが不運で、このことが幸運なのであろうか。
いずれにしても人間の本性の失敗でないものを、人間の不幸と君は呼ぶのか。
そして君は人間の本性の意志に反することでないことを、人間の本性の失敗であると思うのか。いや、その意志というのは君も学んだはずだ。君に起こったことが、君の正しくあるのを妨げるだろうか。また、ひろやかな心を持ち、自制心を持ち、賢く、考え深く、率直であり、謙遜でり、自由であること、その他同様のことを妨げるか。
これらの徳が備わると、人間の本性は自己の分を全うすることができるのだ。
今後なんなりと君を悲しみに誘うことがあったら、つぎの心情をよりどころとするのを忘れるな。

曰く「これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。」

===

とか

===
物事自体は我々の魂にいささかも直接に触れることはない。
また魂へ近づくこともできなければ、その向きを変えたり、これを動かしたりすることもできない。ただ魂のみが自分自身の向きを変え、身を動かし、なんなりと自分にふさわしく思われる判断に従って外側から起こってくる物事を自分のために処理するのである。
===

とか。

 

1800年以上前から、人はこのように心を整える術を持っていた、と言いますか、持とうと涙ぐましい努力して、困難を乗り越えてきたんですね。

 

タイムマシーンがあったら、ぜひ会いに行ってみたい人の一人です。

 

ソルト・パヤタスは、ライフスキルを事業の軸に据えていますが、事業を推進する時、どの活動にも次の3つの要素を組み込むようにしています。

 

1 Growth mindset (失敗、挫折、困難から学ぶ、成長する心)
2  Knowledge by science (迷信や噂だけではなく、根拠のある情報や知識を持って判断すること)
3  Network(学び合う仲間、助けてくれる支援者、学んだことを伝える対象とのつながりをもつこと)

 

Growth mindsetは一番目に来る、大事な要素。

 

「自省録」
読むたびに、気付きをもらいます。
そんな本と出会えたというのは、誠に幸せなことです。

 

実はこの本には、Growth mindset以外に、「無常」という概念も随所に登場します。

ブッダの教えと重なります。

 

まあ、そのお話はまた今度。

 

 

 

昨年12月に実施した母親対象のライフスキルワークショップのフォローアップ研修を、7月に予定していて、その準備を少しづつ進めています。


半年以上が経過して、どれだけの内容が記憶され、日常の中で生かされているのか…楽しみなような怖いような・・・。

 

ワークショップのねらいは、子育て中、あるいはこれから子育てが始まるお母さんたちに、普段の生活で、何気なくやってしまう子どもの発達を妨げるような行為を知ってもらい、少しでも減らしてもらえるように、というところにあります。

 

ワークショップには、子どもの脳の話を入れていて

その中にToxic stressがあります。

 

Toxic stress 有害なストレス

 

自分でコントロールできないストレスが継続して与えられると、人は無力感を学びます。

幼い時、脳の成長を妨げてしまうほどのストレスを受けた子どもは、その後長きに渡って問題を抱えやすくなります。学習障害、うつ、疾病、問題行為(犯罪)などです。

中でも怖いと思うのは、ご褒美が効かない脳になる可能性がある、という点です。

「将来のために、目標のために努力しよう、がんばろう」という意識が育たなくなるのは深刻です。

 

貧困世帯は困難だらけ、ストレスだらけ。

 

明るくたくましく見えるお母さんたちですが、笑顔の下に様々な悩みや葛藤を隠していて、それが、体罰、ネグレクトなど、時に子どもへの対応に出てしまうことがあります。

 

お母さんたちに、子どもの発達、とりわけ、学力や社会性、健康にも重大な影響を及ぼす、脳の発達に関する情報を知ってもらい、思わず出そうになった時に、どんな言葉や行為に置き換えたらいいのか、Toxic Stressでも、Torelable Stress(いつかこの状況は変わる、変えられると子どもたちに思えるストレス)に変えられないか、他のお母さんたちと相談したり、ロールプレイで練習してみる、といったような活動を、ワークショップの中に取り入れています。

子どもたちのための活動ですが、お母さんたち自身のToxic Streeの癒しにもつながるといいなと思います。

 

ハーバード大学、Center on the Development Childのサイトで閲覧できる資料やYou Tubeが情報源です。高額な教材費も講師謝礼も不要なのが嬉しいところです。

 

今日は、Jack Shonkoff 先生の最新のインタビューをYoutubeで見つけて、見てました。

https://www.youtube.com/watch?v=fy3JOu_KfyA

親、教育、心理学、社会福祉、医療、地方自治、多方面で大人がこの問題について学び、手を結んで、子どもの発達の障害を取り除いていかないといけない・・・

世界中の人から寄せられる質問に答える先生の話を聞きながら、大人が、立場や利害を超えて本気で取り組まないといけない問題だなと思いました。

 

カシグラハン地区でお母さんたちとハーバード大学の情報を学ぶ、ちょっとわくわくするこの活動、今後どう育っていくか、楽しみです。

これまでの20年超の奨学金支援で、私たちは261名の子どもを支援してきました。2011年~2015年間の支援期間中、小学生レベルでは、全員が卒業・進学しました。しかし中学では、90名中19名、21%にあたる子どもが、必要な教育費の支援を継続的に受けたにもかかわらず、中途退学しました。

 

以下が19名の中途退学者の中で共通して見られた状況です。
1位 基礎学力の欠如
2位 貧困から極度の貧困への転落(家族の死など)
3位 家庭内暴力(身体、会話)
3位 シングルペアレント
3位 友達からの影響(悪癖の誘い、いじめ)
3位 恋愛・妊娠
7位 家族の麻薬、飲酒、犯罪などの問題行動

 

21%という数値は、国の統計値46%(2011年)と比較すれば一定の改善と言えます。奨学金という支援が間違いだったわけではありません。

 

しかし、一律の奨学金支援に、限界があったのも確かです。

 

一言で「貧困状況にいる子どもたち」といっても、その状況は様々です。親の人生背景、価値観、考え方や行動の仕方、子どもの直面している問題、将来の展望や希望、それぞれ異なっており、こうした問題を抱えた子どもたちには、奨学金支援以上に別の支援が必要です。

仮に手厚い支援ができたとして、支援の影響はその子と家族に留まり、波及効果は限定的でした。

 

貧困や貧困が原因で生じる様々な問題を、早期に、抜本的に変えることはできず、子どもの成長は待ってくれません。問題は常に存在し、子どもたちは日々問題に晒されています。

急ぐべきは、多種多様な問題に対処できる力、幸せになるための力を、より多くの子どもが身に付けられるようにすることであり、そのためには、親や子どもを取り巻く大人が、その必要性を理解し、協力し、行動として示していくことではないか、と考えました。

 

持続性、普及性、多様性への対応、これらの面で、より優れた活動はないか、限られた資源をより有効に使える活動は…その答えをみつけようと、私たちは、過去の事業評価、関係者のインタビュー、他地域での教育支援事業の成果報告、関係図書などを調べました。また、中途退学した子どもたちと同じように過酷な環境にいながらも、中途退学せず卒業した子やその家庭へのインタビューを行いました。

 

そして、たどり着いたのが、「ライフスキル」です。

あらゆる人に必要な力ですが、特に、日々様々な困難に晒されている貧困地域の子どもたちにこそ必要な力です。

 

スキルの習得に必要なのは、知ること。

そして、あとは意識し練習し続けることです。

 

少ないコストで、その気になれば、誰でもいつからでもそのスキルを学び、生活の様々なシーンで使えます。また、一旦身に付ければ死ぬまで生活の改善を助け、他の人のためにもなります。

 

私たちは10の重要なライフスキルと、その習得に必要な3つの要素を定め、それらを強化する具体的活動を、フィリピンの貧困地域、カシグラハン再定住地で始めました。

 

続く(不定期で)