昨日、気象庁が雨季入り宣言したのですが

厳しい暑さはそのままで、

猫もぐったり・・・。

 

このところ酷暑、雷雨、酷暑の繰り返しで

早朝と夜の、ちょっとの間の涼しさが、唯一の癒しの時間です。

 

今日の昼間も、傘をさしても、地面からの照り返しと暑さで、
皮膚がちりちりとやけるようでした。

 

暑さが苦手な私は、昼食をとりにいくだけでも、ふらふら。

歩くのがやっとで、もうだめ~、暑いよ~と、弱音をはいてしまいます。

 

でも、歩くと気付けます。

 

汗をかきかきペディカブ(自転車タクシー)をこぐお母さん、

 

路上でお客さんを待つ、物売りのおじさん

 

廃材を利用しておもちゃを作って売りに行くおじいちゃん

 

働く人たちを見ていると
ああ、自分はまだまだ甘いなあと思います。

 

センターに戻ると、午後の開館を待っていた子どもたちが

ちょうど中に入るところでした。

暑い中、外で、今か今かと開館を待っててくれた子どもたち。

 

夏休みも、間もなく終わり。

いい時間を過ごしてね。

 

Balik Eskwela (学校に戻ろう)

 

今日はリサール州の公立学校の校長先生が集まる大集会があり、カインタというところに行ってきました。


冒頭の言葉は、教育省の今年のスローガンです。

 

この言葉、いつも5月のこの時期になると、文具屋さん、本屋さん等で、頻繁に目にします。

「もうすぐ夏休みも終わって新学年が始まるから、戻る準備をしましょう。」
「必要なもの、新しいものを買い揃えましょう!」

という、購買意欲をかきたてる宣伝文句ぐらいに思っていましたが

 

ここでのスローガンは少し違いました。

 

一度辞めても、またやり直せる。

子どもたち、戻っておいで。

先生たち、子どもたちが学校に戻って来てくれるように

学校の環境を、教師の資質を高めましょう。

 

というような意味が込められています。

 

ソルトは今日、リサール州内の自治体や、自治体の首長、他のNGOら、継続して子どもの教育に貢献している他の個人や団体らとともに、教育省から貢献団体として、認定書を授与されました。

 

教育省リサール州事務所 エバニェス所長(左)と

 

学校での事業は、この二人なしでは進みません。キャシーとジョーさん。

集会で1日拘束されるなんて・・・昨日は渋い顔だった二人も認定書をもらって笑顔です。

 

 

ロドリゲス町の校長先生、教育省の人達と一緒に

 

ますます励め、ということですね。

 

今日は、朝から目にするニュースが、いつも以上に重く深刻でした。

現地への行き帰りのジープニーの中

いつもは目に入る風景がいきいきとして、鮮やかで

そこからいろんなことを感じるのに

きょうは、日本のニュースの方が頭から離れず、周りの風景から感じるものが、ありません。

 

国連事務総長が総意ではないと言ったという政府コメント
世論調査
ミサイル
共謀罪審議入り
教育現場での信じられないような子どもたちへの対応
・・・

極め付けだったのは、夕方入った、レイプされた女性が実名で記者会見を行っている姿でした。

 

他のこと、どれも重大なことなのに、その重大ニュースたちが吹き飛びそうなほどのインパクトでした。

 

これ以上に辛いこと、想像しにくいです。

性は、その人そのもの。
とても大事なもの

レイプというのは、体だけでなく、心も含めた自分を、全て汚されてしまったような、哀しみと痛みと虚しさに襲われるような、本当に酷い行為。

 

その上、この女性の場合、告発するという大変な勇気を出したにもかかわらず、それが権力によって握りつぶされるという、国による裏切りにあいました。

 

言葉では言い尽くせない痛みや怒りを2年間抱えて、

再びまた味わうかもしれない恐怖を感じながら、

それでも勇気を出して、公の場で、

思い出したくもないようなことを、たくさんのカメラの前で、

何百万という人の好奇の目に自分を晒して

戦ってらっしゃる、

その勇気の大きさと、その心の痛みの大きさと、

両方に圧倒されるような思いがしました。

 

ここでもまた、あったことがなかったことにされようとしていたのか、と

「権力」の、一番使ってはいけない使い方を見た思いです。

 

これを許してはいけない、自分のためでなく、社会のために

その後の人生すべてをかけ命がけで闘おうとする人に

続く人、守る人、支持する人、それらを支持する人、それをさらに支持する人の力が、

いる時です。

 

1964年、博士過程の学生だった頃、マーティン・セリグマンとスティーブ・マイヤーという人が、「無力感」をもたらすのは、「苦痛」そのものではなく、「苦痛を回避できないと思うこと」だということを、実験で証明しました。

 

アンジェラ・ダックワース先生の本「やり抜く力(Grit)」には、その後著名な心理学者となったスティーブ・マイヤー先生の先生の対話の箇所があって、以下===部分はその翻訳の引用です。

 

===
まだ若い時に大きな逆境を経験して、それを乗り越えた場合、それ以降にまた逆境が訪れると対処の仕方が変わってくる。ただし、それは非常に大きな逆境を経験した場合に限られる。
ちょっと困った程度のことでは、脳に変化は起こらない。①
(中略)

「あなたなら困難を克服できる!」と、いくら励ましても、言われるだけではだめ。実際に脳の神経回路の再配線が起きるためには、下位の抑制領域と同時に、制御回路が活性化する必要がある。それは実際に逆境を経験して、それを乗り越えたときに起こる。②
===

 

① 「かわいい子には旅をさせよ」「若い時の苦労は買ってでもしなさい」というのは、脳科学から見ても、間違いではないのですね。大変だったなあと後で思い起せるような、深く記憶に刻まれるような苦労を体験することは、大切みたいです。

 

② 「君ならできる!」と、信じて言い続けるのも、効果はあるのかもしれませんが、実際は、言葉で励ますだけではなく、その前に、いくつか細かな困難や問題を乗り越えたという経験をしておくことが、それ以上に重要なようです。

 

貧困家庭の子は、本人がその自覚しているかしていないかにかかわらず、日常的に大変な目に逢っています。

 

でも大変さや我慢しなければならない状況を味わうばかりで、それらを乗り越えて、達成感を得た、幸運をつかんだ、という経験を味うことが、あまりありません。


脳がその成功体験を学習する機会がないため、「これならできる」「やったらできる」という気持ちになりにくいのでしょう。

 

ソルト・パヤタスで2010年~2015年に支援した子ども中学生90名の内、19名、21%に相当する子どもが、学費支援を受けたにもかかわらず、途中で就学をあきらめていきました。

 

彼らに共通してみられたのは、「あともうちょっとだったのにあきらめた」、「先の希望を持たない」「挑戦しない」そして、周囲の大人は、同じような価値観、職業観、成長過程や心理傾向を持っていたということです。

 

これまで自分が遭遇してきた子どもたちの、その家族たちの傾向の謎が、脳にあったか、成程と思いました。すべてを脳のせいにするのは、乱暴なのですが、それが原因と考えると、納得する部分も多いのです。

 

「子どもの頃に、何かを乗り越えた、うまくできたという経験は、ずっと後まで効果を及ぼすと考える。」というスティーブ・マイヤー先生です。

 

子どもたちが貧困の連鎖から解き放たれるために必要なものは「教育」
そう考えて、奨学金支援を始めました。

 

同じように大変困難な状況にいても、続ける子と続けられない子が出て、その差はどこから来るんだろうと思いました。

続けられない子に共通の傾向が、続ける子にも傾向が見られました。

 

学校に行ける機会が与えられたのに、なぜ中途退学?
なぜ?

 

その疑問からライフスキルに注目し、そのスキルの習得の仕方を知りたい、

方法論が欲しいと思い、効果測定の、児童学の専門家の先生方に入っていただいて

構築事業が始まりました。

 

まだまだこれも入り口に立ったばかりのようなところですが・・・

心、マインドを見つめるようになって、今、脳への入り口に立っています。

 

貧困の連鎖の固い鎖の奥の奥にいる、最も手ごわいものに触れた気がします。

でも、そこにこそ最も救われなくてはいけない、問題を複合的に抱えた子どもたちがいるようです。

 

ライフスキル・・・心と脳。

二つの側面からのライフスキル教育支援が必要なような気がします。

 

一つは、将来に希望を見出しそれを追求していけるような心構えやスキルを身に付ける、教育支援
もう一つは、幼少期に脳が学習する機会を得られずに成長し、誤解され社会からはじき出されていきがちな子どもたちを見つけて守る支援

 

その両方を、教育、社会福祉、心理、公衆衛生、自治体、地域の共同体…いろんな人の持っている力を借りて、継続的にできる形が、しくみができないかなと思います。
新しいもの、画期的なものではなく、今あるものを生かして、つなげて。


でも、そんなとりとめのない妄想の前に・・・

まずは、このしつこい風邪を、直さなくては!

 

 

日本て、就職活動のためだけにかかる費用って、どれぐらいなんでしょう。

 

フィリピンの事情を、首都圏まで出るのに2時間ぐらいかかる場所に住んでいるある青年が、教えてくれました。

 

応募するのには、履歴書の他、出生証明書や過去に犯罪歴がないことの証明書が必要です。それに加えて、結核になっていない、など健康を証明するための証明書を課されることもあります。

 

出生証明書と前科なし証明書だけでも、申請料が420ペソかかります。

これは、ほぼ首都圏の最低賃金、丸一日働いて得られる賃金に相当します。

 

それらを各役所に申請に行ったり、取りに行ったりするのに交通費もかかります。
申請と引き取りで、2往復するとして、交通費は280ペソです。

 

今、ゴミ処分場での仕事、その周辺でのリサイクルの仕事を、丸2日して稼げるお金が

これぐらいです。

 

その他、履歴書を作ったり、そのための写真を撮影したり、面接用の洋服・靴・鞄を揃えたり、
運よく面接までたどり着けたとして、やはり交通費が重くのしかかります。

連絡をもらうには携帯も持たないといけません。

 

少なく見積もっても2000ペソはかかります。
日本の感覚で言ったら、6~7万円というところです。

 

これ、大きいですよね。

それでも採用されるとは限らず、です。

 

就職活動が、どうしても「口コミ」や「紹介」待ちになりがちな理由が見えてきます。

 

せっかくハイスクールを出たのに、

大学まで卒業したのに

どうして、もっと外にでて就職活動しないの?

なぜ紹介を待つだけなの?

 

と、以前は、消極性を疑問に思っていた時もありました。

でも、この現実を知ると、それが簡単なことではないのだと思い知らされます。

 

余程、採用が約束されていなければ、これだけの投資をして、チャレンジしようとは思えない額です。

 

貧困の鎖から解き放たれるには、ハードルをいくつもいくつも

超えないといけないのですね。

 

去年から、子ども図書館だけでなく、地元の学校と連携して、読み聞かせやお絵かきの課外活動をしています。


今日は児童数8000人の小学校に行って、つい先日、赴任したばかりの新しい校長先生にご挨拶してきました。

 

そして、まさかの教室移動命令。。。

 

昨年、改修してきれいにした教室は、SPED特殊学級の子どもたちのために使いたいとのこと。先生のおっしゃることも分かります。

 

頭では分かるのですが、あと開始まで2週間のこの時期に伝えられるのは、いたたたたたた。

 

予算はゼロ。でも床、壁、窓の手入れは必要。

新しく割り当てられた教室は元の教室から離れているので、最初数回は、子どもたちが慣れるまで何か施策を打たねばなりません。

 

600人の子どもたち

教室が変わったことで、ひとりも欠けてほしくないです。

 

道はあるはず。
みんなで知恵をしぼって、身体を動かして

のりきろ。

今日は昨日と比べると少しだけ涼しい朝でしたが、お昼に向かうに従って、体温なんだか気温なんだか分からなくなる程暑くなり、湿気もプラスして、なかなかに、辛抱を要する日でした。

 

暑いの、苦手なのです。

 

そんな中ではありましたが・・・
子どもたち、約20分の道のりをてくてく歩いて、来てくれました、図書館に!

 

昨日と同じく、朝は図書館を飛び出して、1D地区という場所に来て、待っていてくれた子どもたちに読み聞かせをしました。子どもたちには、事前に、家々を回って、こんな招待チケットが渡されています。

 

気温は30度超え。クーラーもない屋根の下、子どもたち真剣にお話に聞き入っています。

 

2年目に入ったスタッフのアレックスも、Storytelling ProjectのReyさんのトレーニングを受けて、読み聞かせが本当に上手になりました。

 

今日は読み聞かせの後の活動は、塗り絵。

 

机がないし、外で、床もないので、子どもたち、こんな風に椅子を机代わりにしています。
子どもたちにとっては、これは普通のことです。悲しんだり、残念には思っていなくて、あるもので工夫しています。

 

活動中はいつもは何かと騒がしい子も、口数すくなく、活動に集中しています。

でも、こんな風に、何かをしゃべるわけでもなく、隣の子の絵や、描いている姿を観察して

会話しているような風情なのが、面白いです。

 

 

使うのは、紙とクレヨンだけ。

絵本と見る目と、耳と、手を動かして

活動する子供たちの脳の中では、どんなことが起こってるんでしょう。

 

読み聞かせを体験した子どもたちに、

「図書館行ってみたい?」と聞いたら、元気に手をあげてくれました。

 

「じゃあおうちにいって、行ってきていいかおうちの人に訊いてみてね」

と子どもたちを送り出し、10分後に集合。

 

6人の子たちで、いざ出発です。

子どもたちには、ちょっとした冒険です。

 

できるだけ大きな道、分かりやすい道を選び
一緒に図書館まで歩きます。

こうやって図書館までの行き方を覚えてもらうのです。

 

汗をかきかき、大きな子が小さな子の手をひいて、やっと着きました。

世話係のアンジーさんが何も言う前から、子どもたちは、それぞれの本を選んで、

読書タイム。

この空間を、本の世界を、思い存分楽しんで

そして、また来てね。

 

6/17(土)、慶応義塾大で開催される講演イベントで、

現場での、こうしたお絵かきや読み聞かせの活動についても、

触れさせてもらいます。よかったらぜひお越しください。

お申込み => http://www.saltpayatas.com/eventko

 

5日留守にしただけなのですが、その期間にぐっと蒸し暑さが増した感じです。

雨季が近づいているようです。

 

先週から、カシグラハンで、読み聞かせアウトリーチが始まりました。

 

午前中、スタッフは本を持って図書館から外にとび出して、離れた地域の子どもたちに、読み聞かせを体験してもらいます。

体験の後、チケットを渡して「今度図書館遊びにおいでね~」と子どもたちを誘います。

 

 

 

今は夏休み。

高校生の奨学生たちも読みきかせを手伝ってくれます。

 

ジェッサ、ベリル、ジョナス・・・

 

子どもたちが読み聞かせを楽しむ姿と、成長した頼もしい彼らの姿と、両方見られて、嬉しい朝でした。

 

農業から学ぶことが多いです。

 

今日はずっとお邪魔したいと思っていた、八女市黒木町のいりえ茶園さんを訪問し
入江俊郎さんに、山の頂上にある天空の茶畑まで、案内していただきました。

 

 

入江さんは、土をつくることを大事にされてます。

 

「土の中の何億もの微生物が社員。社員が頑張ってくれている。」
「ライバルは自分。自分との闘い。いいことも悪いことも、自分に原因がある。」
「陰と陽、バランスだよ」

・・・

入江さんのお話は面白くて、深いです。

 

450メートルの山の頂上に着くと、青空が広がり、周辺の山々の頂上が見え、
ホトトギスの声に澄んだ空気と、なんとも心地のいい空間でした。

 

農薬や除草剤を使わず35年。

 

天災、獣害、取引先とのやりとり等々、今に至るまでのご苦労は、相当だったと思います。

 

毎日毎日、手間を惜しまず土づくり、お茶づくりに向き合うその積み重ねが、健康や命のエネルギーをふきこんでくれるような美味しいお茶になっているんだな・・・と、思いました。

 

 

お茶の葉も一枚一枚が大きくて、こんなに元気!

 

いのちにあふれる山の自然
緑のつやつやとした、大きなお茶の葉
入江さんの笑顔

 

豊かさと、それらを作り出し守る強さと、

いいこともわるいこともありのまま受け入れ、

楽しんでしまう、
大きさを感じた訪問でした。

 

人が育つ環境、
人にとってのいい土壌

健康、安心感(愛情)、多様性

そんなことばが浮かびます。

 

子どもが育つ土壌は、周りの大人が作ります。

だから大人が健康で、

大人が、自分は受け入れられているという安心感を持てて

多様性を受け入れられる寛容さや心の余裕が必要なのだろうなと思います。

 

絶え間なく、刻々と変わる社会の中で

いろんな人がいて、いろんな豊かな土ができて

子どもが子どもらしく育っていける

いろんな場が増えるといいなと思います。

 

一つの微生物になって、私も働きたいなと思いました。

 

入江さん、ありがとうございました。

 

「現地のことを身近に感じることができました」

という感想、嬉しかったな。。。

ご参加下さった皆様、ありがとうございました。