「パヤタスのわかば図書館で、土曜日朝9時ね」

と、先週約束していたのですが、

すっぽかされてしまいました。

 

最近携帯を持つようになったので、事前の確認のメッセージも送っていたのですが。

 

約束を守れるかなあと、期待する気持ち半分、

やっぱり難しいだろうなあという気持ち半分で
迎えた土曜日の朝。

 

初戦は完敗、でした。

 

G君は、約束を守ることが苦手です。

というより、約束を覚えていられない、あるいは、
約束を変える時には連絡しないといけないことが

分かっていない、のかもしれません。

 

家に行ってみると、弟と一緒に市場でパンを買って、

それを地域内で売り歩く仕事に出て、留守でした。

 

他の子が遊ぶ夏休み。
彼はまるまる2か月毎日働いていました。
おばあちゃんと弟たちの食費のために。

 

今週から新学期が始まり、働ける時間が減り、土曜日は貴重な労働日。
私との時間より、仕事を選ぶのは無理もなし、です。

 

でも、事前に連絡が欲しかったなあ・・・とつぶやくと

わかばセンターのラドックさんが教えてくれました。

 

その携帯
同居するおじさんが癇癪を起こして、

彼の眼の前で

踏みつぶされてしまったそうです。

 

G君は、大人から言われることに対し

考える前にYesと言ってしまう癖があります。

その意味を深く自分でとらえることなしに、です。

自分の思いを言語化することも苦手です。

 

ルールに沿った当たり前のやりとり、

対話の文化が、

ない家庭環境で育っていたならば・・・

 

今のG君のコミュニケーション上の問題は

そこから発生しているのかもしれません。

 

厳しい生育環境の一端を見せられた気がしました。

 

ハイスクール卒業まで、あと3年間。

会う回数を増やし、細かく、繰り返し

安定的なコミュニケーション

信頼を築き合うためのコツを

伝えていけたらと思っています。

 

予定が変わったときの連絡の取り方、

携帯がなくてもできる連絡の取り方を

彼が自然にできるようになるまで。

 

17歳になったG君

彼に身に付けてもらいたいライフスキルは

小学生の子どもたちに伝えていることとは異なります。

社会で生きていくための基本的コミュニケーションルールです。

 

それにしても、G君は手ごわい部類。

だからこそ

G君がひとつの社会スキルを身に付けるまでに

どれぐらいの時間やどんな働きかけを要するのか

そして、できるようになった時、

彼の中で、彼の周囲で、どんな変化が生まれていくのか

 

見たい!

 

彼は何十、何百といる、子どもたちの代表です。

幼い時に、そんなスキルを学ぶ機会がなかった

教えてくれる大人がいなかった

そんな子どもたちの代表です。

 

 

4年程前、スタディーツアーと言えば学生がほとんど。

春休みと夏休みに集中していたのですが、2013年から、「現地体験プログラム」として、

通年で1日からお受けするようになって、お申込みの半数は、社会人になりました。

 

今日の現地体験プログラムは、あしなが育英会から畠山さん、阿部さんが
お越しになりました。

子どもたちと一緒にお遊戯にも参加して下さった畠山さん
たくさんの質問を下さった阿部さん、
ありがとうございました!

来週帰国する時に、今度は私があしながさんの本拠地を訪問させていただきます。

 

奨学金支援団体として歴史の長いあしながさん。
学ばせていただきたいこと、たくさんあります。

 

こんな行き来が可能になって、嬉しいです。

良き機会に恵まれました。

 

長年の私の宿敵は、「貧困と中途退学、就学意欲の低下」の問題です。

 

1995年奨学金支援をはじめ、2010年ライフスキル教育に希望を見、一定の手ごたえは得てきたのですが、まだまだ、真の敵が奥に隠れています。


もう一度、最初から。

 

過去の経験からできてしまった原因に関する自分の思い込み、そして、団体や、支援業界や、地域の大人たちや、世間一般の思い込みもできるだけ排除し、まっさらな気持ちで、この問題に向き合ってみようと思っています。

 

まずは、事実の拾い集めから。

 

連携校3校に協力してもらい、2016年度の年度初めと年度終わりの生徒数の推移を出してもらいました。3月から相談をはじめ、正式に依頼を提出して、何度かフォローして、やっと数字が揃いました。

 

結果は想像以上に混沌としていました。

ある程度は覚悟していたのですが、まさかここまでと思うようなズレです。

 

年度初めの生徒数+転入数-転出数-退学数=年度末の生徒数
理屈ではそうならないとおかしいのですが、実際の生徒数と計算上の数に3桁のズレが出ています。また、そのズレについての認識、対応も、学校毎に異なります。

 

A学校 全校生徒数8,166名  
計算上の生徒数と実生徒数の間にマイナス606名の差 (7.4%)
「実際の生徒数が間違っていた。」と、こちらが提示した計算上の数値に、即座に合わせる形で修正回答あり。

 

B学校 全校生徒数2,168名  
計算上の生徒数と実生徒数の間にプラス441名の差 (20.3%!)
「実際の生徒数が正しい。ズレが生じている理由が分からない」と回答。

 

C学校 全校生徒数4,910名 
計算上の生徒数と実生徒数の間にマイナス183名の差 3.7%
ズレについては未回答

 

これを見て思うのは、学校側でも正確な数値をつかめていないんじゃ?

ということです。


隠されているわけではなく、正確な把握ができていない、把握するしくみがとれていない
ということかと。

 

こうした学校側の把握状況で、子どもの足取りを追っていくのは至難の業かもしれません。

 

先々のことを考えると、いろんな不安が出てきてしまうのですが、
そういった不安を脇に置いて、この先しばらく腰を据えてこの調査に取り組みます。

 

数値のズレ。

いるのかいないのか、わからなくなってしまっている子ども

この子どもたちに、近づけないかと思います。

 

ようやく心が定まりました。

 

フィリピンの社会福祉開発省は、貧困世帯の子どもの教育を支援するため、「4Ps(フォーピース)」という、現金支給型のいわゆるフィリピン版「子ども手当」を支給しています。

 

6/7、社会福祉開発省リサール州支部とのアポがとれ、中途退学防止事業のための調査の協力依頼をしに行ってきました。

 

支部の事務所は、アンティポロという、カシグラハンから車で2時間程のところにあります。

責任者のルアルハティーさんが、子ども手当の支給状況や支給家庭への社会福祉省の支援について、詳しく話して下さいました。

 

リサール州には、手当支給家庭が5565世帯。
カシグラハン再定住地を含むサンホセ地域が、その内1245世帯を占めます。

 

これから調査をしていく、中途退学をした子ども、あるいは中途退学の危険ゾーンにいる子どもたちのうち、どれぐらいの子が子ども手当受給世帯になっているのでしょうか。


社会福祉省としても、子ども手当が真に教育に役立っているのかどうか、とても知りたいことです。調査の協力は二つ返事で受けて下さいました。

 

話の分かる方で、本当に良かった!

 

私の方からも、なぜ中途退学にこだわるのか、どんな事業を検討しているのかをお話し、特にライフスキルの重要性について聞いていただきました。

 

お母さんや子どもたちを対象にしたライフスキル・ワークショップを、将来的に、子ども手当支給家庭へ実施できないかという希望が出され、これまた即断に驚きました。


「まずは活動を見て、成果を確認していただいてからの方が良くないですか・・・」

 

などと思わず言いそうになったのですが、余計な一言はつぐみ(笑)、これからの息の長い良好なお付き合いを期待して、支部を後にしました。

 

これから出される調査結果や、事業の結果は、学校や教育省、社会福祉省と共有をしていきます。

 

この活動をぜひ推進しよう!と、学校や省の支部から声が上がり、国の予算で継続されていくような活動に育っていけばと願い、明日からまた、6月19日から始まる新年度の活動の準備をしていきます。

 

 

6/6、教育省リサール州支部とカシグラハン小学校の2か所で、

昨年度学校で実施した調査や教育活動の中間報告を、させていただきました。

 

 

この日、この目的のためだけに、1泊3日の弾丸出張を決めて下さった真野先生。


月曜日、一ツ橋大学での授業を終え、飛行機に乗り、火曜早朝到着。ほとんど寝ずに教育省に向かい、カシグラハンに移動し、二つの会議を終えたその日の夜、澤田先生に報告。夜中の便で帰国し、水曜の授業へ。澤田先生もADBのチーフエコノミストの職に就かれて超多忙な毎日ですが、時間を作ってこの事業を続けご指導を下さっています。

 

こうした先生方のおかげで、この1日の成果は、とっても大きいものでした。

 

昨年度は学校単位での協力契約だったのですが、今年から教育省との契約となり、そして期間も5年と伸びました。やる価値がある活動だと認められ、そして今後の後追い調査の協力も惜しまない、そんな教育省の強いバックアップが得られた、まさに記念日。

 

もちろん、全てがスムーズに進むことはなく、難儀な要求等などで困るときもあります。

教育省・学校と、私たちの間に利害関係が生じる時は、特に交渉が難しいです。

 

ですが、解決の糸口は、いつも「子どもたちのため」。

 

その合言葉の下で、一つ一つお互いのやるべきことを詰め、解決策を見つけていきます。

 

先生方のおかげで、また一つ前進です。

 

そういえば、忘れてはいけない、今回の成果をもう一つ。

教育省でのプレゼン、今回はメインでキャシーが務めました。

 

身長140センチの小さなキャシーが二回りほど大きく見えました。

 

帰り際、同じく身長の小さなイバニエス所長が、自分よりも更に小さいキャシーの頭をいい子いい子している姿は、ちょっとほほえましい、そして思わず笑ってしまう1シーンでした。

 

京都に本部のあるNPOアクセスさんの事務所と、ソルトの事務所は目と鼻の先の場所にあります。今日はそのアクセスにお勤めの、NGOの大先輩、石川雅国さんが、パンパンガ洲で栽培してらっしゃる無農薬マンゴを届けて下さいました。

 

 

う、うれしい~♪

 

イエロー熟れ熟れマンゴもいいのですが、
最近はまだ固いグリーンマンゴや
グリーンからイエローになりかけの熟れはじめのマンゴの味に
はまっています。

まさに、これ、なんです。

 

農薬を使わずに、よってくる虫を、なんと、手で一匹一匹つぶしてマンゴを守っている石川さんです。

青々として、ふくふくして、そして安心して食べられるマンゴ

石川さん、すごいです。

 

明日は教育省との大事な会議。

朝6時出発です。

これをいただいて、元気出してGOだ!

 

 

 

 

先週から来てくれるようになったPさん。
 

 

月曜日、はじめて図書館の玄関に来た彼女は

入口にぺたりと座り込んで、じっと中の様子を見ているだけでした。

様子が他の子と違います。

本を読むのは無理だな・・・ふとそんな考えが頭をよぎりました。

 

それから毎日やってきて、少しづつ、ゆっくり慣れてきて

お遊戯に参加し、

塗り絵をし

土曜日には、本をめくってました。

 

「水」
「トイレ」

 

その二つを単語で伝えることはできるのですが
それ以外は、言葉を発することはできません。

くるくるきょろきょろと動く
彼女の眼の動きを見て、何がしたいのかを想像します。

 

来てくれるようになって4日目。

家を訪問することができました。

 

お母さんだけの家庭で、そのお母さんは洗濯婦として働いて
Pさんと双子の妹の2人を支えています。

 

13歳になる2人、今年初めてカシグラハン小学校の
特殊学級に入ることになりました。

 

学校が始まったら、なかなか来る機会はないかもしれないけれど
たまに遊びに来てほしいなと思っています。

 

Pさんが来ると、スタッフを補充する必要が出てくるのですが
それでもそれ以上にいいことがあります。

Pさんがいると、周りの子がPさんを気にします。
最初は好奇心の目で見ます。でもだんだん、子どもたちの中から
Pさんを気遣うそぶりが見えてくるのです。

 

彼女の対応については、西東京市にある、子パンダ保育園の
平塚洋子園長が相談にのってくれています。

 

私は彼女といっしょにソルトの活動をはじめました。

初代の駐在スタッフです。

 

23年前、スタディーツアーの時に、たまたまホテルが同室になったことが
きっかけで、ソルトをはじめ、今もつながっている貴重な友人です。

 

「生活(生育)環境から来る遅れなら、少しずつでも戻すことができる。
図書館スタッフと信頼関係を築いて生活習慣を学び習得できたら良いね。
根気とバランスが必要だけど。

 

発達障害は100人いれば100通りある、という世界。
似ていても絶対に同じケースは無く、対処方法もまちまち。

この子に合ったサポートがこの子の能力の扉を開くのは間違いなし。
・・・まだまだ勉強中なので参考になることは言えないけれど、
何か手伝えることがあればやりたいです。その子のために。」

 

Pさんの様子や画像を送って相談すると、

すぐにそんなコメントが返ってきました。

 

子どものことはもちろん、フィリピンの貧困世帯の事情もよく分かっていて、
心強い相談相手です。
http://kopanda-hoiku.com/activity/

 

他の子と同じことを同じペースですることを強要しない子ども図書館。
だからこそ、できることがあるんだなと思います。

 

ここを見つけ、毎日自分の足で通って来てくれたPさん。

愛おしい、メッセンジャーです。

 

フィリピン国内の私立大学ではトップレベルのアテネオ大学。

 

そのアテネオ大学の医学部の授業の一つに、困難な地域の生活を知り、住民の声を聴き、自分たちができる何等かの貢献活動を見つけて実践する、というものがあります。

そことの連携が始まってかれこれ4年。

今年度の医学生のみなさんも、みんなとても気さくで気持ちの良い学生さんばかりでした。

 

約200冊の本の寄付もいただき、思わず歓喜の雄たけびをあげてしまいました。

だって、欲しかった児童書だったもので。。。。

 

アテネオ大学の皆さん、Aileen先生、ご寄付を下さったEvangelistaさん、ありがとうございました!

 

 

ライフスキルセンターの建設計画が持ち上がった時以来、何かとバックアップして下さったチュアさんが、この日、センターに来てくださいました。

 

子どもたちの活動する様子を見学し

 

状況報告を聞き

 

アドバイスを下さいました。

 

今は、自治体職員ですが、元は国際NGOの職員として、独立直後の東チモールで働いていた経験があるチュアさん。現場での経験が豊富な上、LGUとNGOの、その両方の視点をもってらっしゃるので、話はどれも示唆に富み、説得力があり、役立つことばかりです。

 

カイサのお母さんや私たちの説明が一通り終わると、今カイサが抱える課題を再度確認した上で、地域に根差した活動を、自治体の力を上手に引き出しながら実現していくための様々な具体的助言を、与えて下さいました。

 

カイサの2人に、静かに、でもユーモアたっぷりに、語って下さった言葉です。

 

住民団体として、自分たちをエンパワーし、事業を継続発展させていくこと

あなた方が取り組もうとしていることは、大変なこと。

本当に難しいことですよね。

 

とても大切なのは、人材育成、収入創出、それに外の人とのネットワーキングです。

 

ひとつひとつ、時間をかけて、取り組まなくちゃね。

取り組まず、難しいことを前にして、難しいから無理と退散してしまわずにね。

難しいけど、やってみて下さい。

 

課題に直面したとき、まず自分に聞いてみて。

「その課題、なんとかできそう?」「なんとかしたい?」

「Yes」なら、

取り組むの。

どうしたらいいか分からなければ、訊いたり調べたりしてみてね。

ひとつづつあきらめないでね。

必要だと思ったら、いつでも私のところに聞きに来てね。

 

でも、もし「No」で、頑張ってもどうしようもできないことならば

Smile

 

笑ってみて。

笑って乗り越えていきましょう。

 

ですって。

 

人を元気にしてくれるチュアさんです。

 

当初、自治体との連携に懐疑的だったジョーさんですが、チュアさんのおかげで、見方が変わりました。将来は、あんな女性に、あんな上司になりたいとか。

 

頼れる人が町役場にいてくれて、よかった。

 

ビッキーさんと家庭訪問の準備を始めています。

 

今回の目的はただ一つ。
ドロップアウトについての事実を集める、です。

 

子どもたちが学校に行かなくなるまでの過程や、決定打になったことなどを丹念に聞いてみようと思っています。

 

今日は仕込み。

 

昨年度欠席がちだった子ども、ドロップアウトしてしまった子をリストアップし、家の下見とアポ取りで5軒回りました。午後遅めの時間をねらって回ったのですが、それでも暑くて、1時間ぐらいでふらふらです。

 

知りたいことは、知りに行かねば、知れないもの。

 

これまで何度も行き来し、見聞きしていたのに、見過ごしてしまっていたところに、大事な情報が潜んでいる、そんな風に感じています。

だから、子どもたちの暮らす環境、眼を凝らして、耳を澄ませて、もう一度見てみます。

質問内容や仕方を慎重に選んで、ベテランのビッキーさんと二人三脚で。