子ども時代の不幸な体験 Adversity Childhood Experiences = ACEs
大人からの助けがない状態で、長く、継続的に、この体験を受け続けると、
脳は、その環境に合わせた神経回路を強化していきます。
虐待や不適切な扱いを受けた子は、見たくない、知りたくない、感じたくない、
そうした苦しい気持ちを、まるで脳が悟ってそうしているかのように、
視覚や聴覚の神経が未発達な状態で止まったり、脳全体が育たず
小さかったりします。
安心できる環境で、大人からの愛情ある言葉やスキンシップでの反応、
さまざまな体験、栄養を受けて育つ脳と、違う脳の発達の仕方をしていきます。
そしてそれは、年月を経、本人の意思や努力とは関係なく、様々な差となって、
あるいは問題となって現れてくることがあります。
アルコール、ドラッグ、ギャンブル等の依存症、慢性の病気、暴力をする側、
される側になりやすい、うつ病などの精神疾患…などの問題を
引き寄せてしまいやすくなることがデータで示されています。
でも、それらの脳の問題となるストレスは、たったひとりでも、安心でき、
反応を返してくれる大人の存在を得ることで、やわらげられ、回復していくことが
可能なのだということも、データは示しています。
アルコール、ドラッグ、ギャンブル等の依存症、慢性の病気、暴力をする側、
される側になりやすい、これはまさにパヤタスで目にしてきた現実。
そしてこれらは、多くのアメリカのホームレスの人たちに多く見られる状況とも、
合致していました。
ロサンゼルスの喫緊の課題の一つは、ホームレスの増加が止まらないことです。
1/18の夜は、地元の市議会議員ポール・クレコリアンという方の主催で、
ロサンゼルス・バレー大学で開催された、ホームレス問題を市民と話し合う催しに参加してきました。
申込みは、誰でもネットで行えるのですが、2日前の時点で人数は330名ほどだったのに、
当日は540名!すごい関心の高さです。
会場は立ち見が出るほどでした。
ちなみに、私は端に置かれた各種団体の活動紹介用のテーブルの一角をもらい、
そこにいました。映っている麗しい女性は、私のメンター、アンディーさんです。
クレコリアン議員のオープニングスピーチに続き、壇上に現れたバレー大学の
エンドリジョナス学長が言うには、大学に在籍する学生のなんと35%が、
ホームレスファミリー出身だとか。なんと!
実は、ロサンゼルスが「ホームレス緊急事態 State of Emergency」と
言われだしたのはここ最近の話ではなく、2015年からでした。
ホームレスの増加状況を見ると
2013年 39,461名
2015年 44,359名
2016年 46,874名
2017年 57,794名
緊急事態宣言を出した後も増加は止まらず、昨年は23%もの増加率。
郡全体の人口は、約1000万人で、0.5%に相当します。
定住できる場を持たない人を「ホームレス」と呼びますが、その内、過去3年の間に
4回以上そのような状態になった人のことは、慢性的ホームレスと呼びます。
慢性的ホームレスが全体の30%を占めます。
昨年の場合、一時的非難所のような施設にかくまわれた人は、全体の26%。
それ以外の7割超の人は、車、テント、路上に住む人たちです。
どうりで、こちらに来てたくさんのキャンピングカーを目にしたはずです。。。
ノースハリウッドは、ホームレスの方が多い場所の一つということでした。
男女比率は、男性68%:31%女性 1%は不明。
40%はアフリカン・アメリカン、35%がヒスパニック
白人以外が、80%を占めます。
約34%の人に、配偶者や近親者の暴力の経験があり
約30%の人は、精神疾患を患い
約19%の人は、薬物の問題を抱えています。
なぜホームレスが増えるのでしょうか。
多くの資料には、ハウジングの問題とあります。
確かに家賃が高い!
場所によってピンからキリまであるのではなく、
安い物件がどんどん減っているという状況があります。
私もこちらに来て、手ごろな下宿先を見つけるのに、苦労しました。
最初に1週間泊まった家は、
前も横もキャンピングカーでした。
低所得者層では、安い物件を探そうとしても見つからず、
所得の約半分が家賃に消える生活。
仕事が途切れれば、家を手放さざるを得ません。
そして、車の中や路上での暮らしになっていくそうです。
それにしても、なんという関心の高さ。
この疑問について、答えをくれたのは、
ロサンゼルス滞在20年超のベテランの日本人の方でした。
関心の高さについて驚きを口にしてみると、
こんな話をしてくださいました。
昨年から今年にかけ、ロサンゼルスは歴史的な規模の森林火災が続き、
その内一つの火災では、高級住宅街が被災しました。
出火原因がホームレスの煮炊きの火だったという情報があり、億万長者たちも、
もうこの問題を放っておくことはできず、自治体や政治家に強烈な圧力をかけている
というのです。
確かに、受難の年と言えるぐらい、ロサンゼルスはひどい火災に襲われていました。
昨年10月、カリフォルニア州北部で発生した火災
期間 2017年10月8日~31日(24日間)
火事件数 250箇所
焼失面積 99,148ha
焼失家屋 8,900軒
犠牲者数 44名
けが人 192名
経済損失 94億ドル
12月、カリフォルニア州南部で発生した火災
期間 2017年12月4日~2018年1月12日(39日間)
火事件数 29箇所
焼失面積 1,246.24km2
焼失家屋 1,355軒
犠牲者数 2名
けが人 19名
経済損失 31億ドル
はあ、なるほどです。
肌寒くなるような経済格差が進行し続けているアメリカ
目の前の景色、住んでいる方からの話
統計データを負う程
日本、フィリピンが重なって見えてきます。
更に調査を進めていきます。
参照
子ども時代の不幸な体験 ACEs Connection Networkより
https://acestoohigh.com/aces-101/
脳の発達とストレス Harverd University Center on the Developing Childより
https://developingchild.harvard.edu/science/key-concepts/
子ども虐待と脳の発達 福井大学子どものこころの発達研究センター友田明美教授より
http://tomoda.me/resources/Kouensiryou.pdf
ロサンゼルス郡 ホームレスデータ Los Angeles Homeless Services Authorityより
https://www.lahsa.org/