毒と分かっていて、食べれば、あるいは飲めば確実に死ぬというものを、
殺す目的でひそかに使ってきたのが、人間の歴史でした。
その毒を、あえて食べようとした、
そしてそのために無毒化する方法を考え出した不思議な国民がいます。
日本人です。
毒と分かっている食べものは、もちろんフグです。
フグの骨が、縄文時代の遺跡から発見され、その数からいって、日常的に食べていたのは間違いなさそうだというのです。
縄文時代から食べられていた毒をもつ魚については、
ウナギと鱧(はも)を紹介しましたが、
(ウナギ目の鱧には、血に、ウナギと同じ毒が含まれています。)
ウナギも鱧も、火を通せば毒は消えて、食べることができるようになりますが、
フグばっかりはそうはいきません。
焼こうが煮ようが、フグ毒は消えません。
フグを食べて、何人もの人が死んでいったはずです。
何人もが目の前で中毒死していったにもかかわらず、縄文人はフグを食べていました。
少なくとも、食べていい場所と、アカン場所の識別は、経験的にできていたようです。
それまでには何人もの犠牲を出していたとおもえますが、
ましそうまでしてフグを食べなければならない事情が、縄文人たちにはあったのか。
あるいは単に、うまいから食いたかっただけなのか。
(食い意地の問題?)
謎は残ります。
日本はうまいものにあふれている!
全国には、まだまだ知られていない”おいしい”がたくさんあります。
それらを紹介するのが『全国の隠れた"うまい"に出会えるサイト』です。
昔、横山光輝の漫画に、村雨兄弟という人物たちが登場しました。
― 覚えている人、いるんかなぁ。
小さいころから毒を少しづつ飲んで、毒に強くなった忍者の一族です。
あるいは、縄文人は、毒に対する耐性を、生まれながらに持っていたのか?
骨しか残ってないし、
毒耐性を示すDNAみたいなものがあって、みつかっていないだけなのかはわかりませんが、強烈な毒をもつフグを晩御飯の一つにしていた、恐るべきグルメ民族だったようです。
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