旅行先の会津の飲んだ蜂蜜酒(ミード)に衝撃を受け、
蜂蜜酒を造ることが夢となったロシア人女性は、
ご主人の理解もあって、酒蔵を立てることになったのですが、
選んだ場所は、埼玉県の秩父、小鹿野町です。
小鹿野町には養蜂家が10人いるそうです。
ただ原料が集めやすいという理由からではなく、
草花ではない、秩父の山の恵み、
樹木の花から集められた秩父の百花蜜が、蜂蜜酒に向いていたからといいます。
全国の蜂蜜をなめてみて、
小鹿野町の百花蜜のフローラルで芳醇な香り、ある程度の濃さと糖度が、
蜂蜜酒には最適と思ったそうです。
そして、秩父の天然水。
平成の名水百選にも選ばれた「毘沙門水」が豊富だったことも、理由の一つだということでした。
「日本酒度、(+)10の酒」でも紹介していますが、
秩父の水は、日本では珍しい硬度の高い湧水です。
武甲山や白石山(毘沙門山)は石灰岩の山で、
太古の昔は海の底でした。
海中生物の堆積した層が隆起して、
今の秩父の山々を造っています。
ミネラルは酵母のエサになります。
それを多く含んだ水で造ると、
雑味の少ない、芳醇な香りのお酒になります。
酒蔵ができ、
原料の蜂蜜も水も手に入り、
いよいよ酒造りですが、
なんと、会津で蜂蜜酒を造っている杜氏が、何度も足を運んで、教えてくれたそうです。
こうして、日本酒の技術を応用した、
海外ではできない、日本オリジナルの蜂蜜酒が、
秩父の山奥でも出来上がりました。
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