「サイボーグ009」《オリジナル構成版》のご紹介も、最後の話になります。
名作の誉れ高いヨミ編ですが、
本編と同様こちらの記事もボリュームが大きくなりそうなので、
2回に分けてご紹介します。
ヨミ編、正式には「地下帝国ヨミ編」といわれますが、
週刊少年キングで「ミュートス・サイボーグ編」が打ち切られた後、
約1年後に、週刊少年マガジン(講談社)で連載が開始され、
8か月程度続きました。
ちなみに、これがちょっと面白いのですが、
週刊少年キングでは打ち切りにあったものの、
同じ少年画報社の『別冊少年キング』ではその後も、
半年程度「009」のアナザーストーリーが掲載され、
また単発で週刊のほうにも読み切りの「高い城の男」が掲載されています。
別冊少年キングの最後に載った「まぼろしの犬」から、
マガジンの一発目(読み切りのプロローグでした)までは、
5か月程度しか開いていません。
まずは《オリジナル構成版》の表紙を見ていきましょう。
5巻は反超音波砲やドルフィン号(アニメでは有名ですがコミックでは初登場)に加え、
スカール、バン・ボグート、サイボーグマンなど、
ブラックゴーストの勢力が勢ぞろいしています。
狩猟はないようですが、折り返しにいたりするのかな。
6巻は有名なシーンが切り取られていますね。
詳細は省きますので是非コミックを呼んでほしいです。
電子書籍ならそれほど高くはないですし。
5巻の009と6巻のそれ以外のメンバーが、並べると向かい合わせになっているのは、
そういうデザインにしたんでしょうね。
解説です。
第5回配本(2025年1月刊):05(地下帝国“ヨミ”編 上) 296ページ
第6回配本(2025年3月刊):06(地下帝国“ヨミ”編 下) 300ページ
大河長編「009」の中でも“傑作”とファンの誰もが認める「地下帝国“ヨミ”編」の「週刊少年マガジン」連載時のページ割りと構成を、各話の全扉絵も加え、全2巻のボリュームで再構築。
予価:各4,620円(本体価格:4,200円 + 消費税10%)
ヨミ編に関しては、残念ながら原稿散逸があり、
それなりのページ数が雑誌からのスキャンとなっています。
この散逸は最初の単行本であるサンデーコミックスでは起きていないようですが、
(講談社のカラー版は不明)
そこから約10年後、1976年発売の旧小学館文庫版ではすでに起きていました。
さてここからは、現在私が持っているほかのコミックスを見てみることにします。
まずは《オリジナル構成版》の底本である、「カラー完全版」です。
この絵は雑誌連載時の扉で、
他ではShotaro Worldの6巻(前編)で採用されています。
このヨミ編がカラー完全版では最初に出たものでした。
ただ、最初から3巻構成で出る予定だったので、
なぜヨミ編が先になったのかはわかりませんが、
一番の傑作を最初に持ってきたという意味合いでしょうか。
中身は、先に読み切りで掲載されたプロローグと本編のヨミ編です。
プロローグは誕生編の再構成ですが、009が元レーサーということになっており、
元々の話である鑑別所を脱走した不良、とは違います。
これは当時公開された映画版の展開に倣っています。
ヨミ編が連載開始になった時期に、009の映画1作目が公開になっています。
また2作目の「怪獣戦争」はヨミ編終了の頃に公開されており、
009が最初の人気のピークになった頃でした。
このヨミ編の最後が物議を呼んだのですが、それもわかる気がします。
(その2に続く)