サイボーグ009 オリジナル構成版 ヨミ編展望その1 | 80年代の洋楽とか

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80s洋楽が記事の中心です。それ以外はゲーム、日本の懐メロなど、興味があればなんでも取り上げます。

「サイボーグ009」《オリジナル構成版》のご紹介も、最後の話になります。

名作の誉れ高いヨミ編ですが、

本編と同様こちらの記事もボリュームが大きくなりそうなので、

2回に分けてご紹介します。

 

ヨミ編、正式には「地下帝国ヨミ編」といわれますが、

週刊少年キングで「ミュートス・サイボーグ編」が打ち切られた後、

約1年後に、週刊少年マガジン(講談社)で連載が開始され、

8か月程度続きました。

ちなみに、これがちょっと面白いのですが、

週刊少年キングでは打ち切りにあったものの、

同じ少年画報社の『別冊少年キング』ではその後も、

半年程度「009」のアナザーストーリーが掲載され、

また単発で週刊のほうにも読み切りの「高い城の男」が掲載されています。

別冊少年キングの最後に載った「まぼろしの犬」から、

マガジンの一発目(読み切りのプロローグでした)までは、

5か月程度しか開いていません。

 

まずは《オリジナル構成版》の表紙を見ていきましょう。

 

5巻は反超音波砲やドルフィン号(アニメでは有名ですがコミックでは初登場)に加え、

スカール、バン・ボグート、サイボーグマンなど、

ブラックゴーストの勢力が勢ぞろいしています。

狩猟はないようですが、折り返しにいたりするのかな。

6巻は有名なシーンが切り取られていますね。

詳細は省きますので是非コミックを呼んでほしいです。

電子書籍ならそれほど高くはないですし。

5巻の009と6巻のそれ以外のメンバーが、並べると向かい合わせになっているのは、

そういうデザインにしたんでしょうね。

 

解説です。

 

第5回配本(2025年1月刊):05(地下帝国“ヨミ”編 上) 296ページ
第6回配本(2025年3月刊):06(地下帝国“ヨミ”編 下) 300ページ
大河長編「009」の中でも“傑作”とファンの誰もが認める「地下帝国“ヨミ”編」の「週刊少年マガジン」連載時のページ割りと構成を、各話の全扉絵も加え、全2巻のボリュームで再構築。
予価:各4,620円(本体価格:4,200円 + 消費税10%)

 

ヨミ編に関しては、残念ながら原稿散逸があり、

それなりのページ数が雑誌からのスキャンとなっています。

この散逸は最初の単行本であるサンデーコミックスでは起きていないようですが、

(講談社のカラー版は不明)

そこから約10年後、1976年発売の旧小学館文庫版ではすでに起きていました。

 

さてここからは、現在私が持っているほかのコミックスを見てみることにします。

まずは《オリジナル構成版》の底本である、「カラー完全版」です。

 

 

この絵は雑誌連載時の扉で、

他ではShotaro Worldの6巻(前編)で採用されています。

このヨミ編がカラー完全版では最初に出たものでした。

ただ、最初から3巻構成で出る予定だったので、

なぜヨミ編が先になったのかはわかりませんが、

一番の傑作を最初に持ってきたという意味合いでしょうか。

中身は、先に読み切りで掲載されたプロローグと本編のヨミ編です。

プロローグは誕生編の再構成ですが、009が元レーサーということになっており、

元々の話である鑑別所を脱走した不良、とは違います。

これは当時公開された映画版の展開に倣っています。

ヨミ編が連載開始になった時期に、009の映画1作目が公開になっています。

また2作目の「怪獣戦争」はヨミ編終了の頃に公開されており、

009が最初の人気のピークになった頃でした。

このヨミ編の最後が物議を呼んだのですが、それもわかる気がします。

 

(その2に続く)