就労系障害福祉サービスを利用することとは | エンディングノートの書き方

就労系障害福祉サービスを利用することとは

60代の母親より相談を受けました。

30代でアスペルガーの障害を持つ息子を就職させたいが、どうしたらいいのかということでした。

 

その息子は、大学は卒業しましたが、就職できずにずっとアルバイトをしていました。

 

30代になり、いつまでもそのままではいけないと母親が心配になり、相談してきました。

 

当方もその息子と面談しました。

 

会話してみると、精神年齢が低いということがわかりました。

 

どうもアスペルガーだけでなく、顔つきから見るとダウン症ではないかとも思いました。

 

母親の勧めで就職活動をしたそうですが、無残な結果に終わったそうです。

 

定職に就いたことのない30代の者が就職活動をしても、採用する側は遊んでいただけとしか受け取りません。

 

今は、アルバイトもしておらず、家にいるだけのニート生活です。

 

この息子の場合は、障害があるからと言っても何のキャリアもありませんので、一般企業に就職することは絶望的です。

 

企業でも障害者枠がありますが、こちらも競争ですから、同じ程度の能力なら、もっと若くて意欲のある人を採用します。

 

アルバイトやパートとして採用してもらう方法もありますが、障害があるとわかれば、まず採用してもらえません。

 

したがって、この息子が就職して収入を得る方法は、就労系障害福祉サービスを利用するしかありません。

 

就労系障害福祉サービスとは、障害者の就労を支援する福祉事業です。

 

就労系障害福祉サービスには、以下の4種類があります。

 

1.就労移行型支援事業

 

通常の事業所に雇用されることが可能な者に対する支援事業。

 

一般企業や団体の正職員になりたい方や障害者枠で働きたい方が対象です。

 

2.就労継続支援A型事業

 

通常の事業所に雇用されることが可能であるが、企業や団体に採用されなかった者に対する支援事業。

就労継続支援事業所と雇用契約を結んで就労することは可能な者が利用対象です。

 

フルタイムで働くのはきびしいが、半日くらいの無理のない程度で働きたい方が対象です。

平均月額賃金は、約8万円ですから、時間給ならアルバイトやパートと同じくらいの収入です。

 

3.就労継続支援B型事業

 

通常の事業所に雇用されることが不可能で、就労継続支援事業所と雇用契約を結んで就労することも難しい者に対する支援事業。

 

障害が重いので、簡単な作業しかできない方が対象です。

 

平均月額賃金は、約1万6千円で、お小遣い程度です。

 

4.就労定着支援事業

 

就労移行型支援事業や就労継続支援事業を経て一般就労へ移行し6月を経過した者に対し、職場へ定着できるように支援する事業。

 

障害者との相談により、生活面の支援や企業や団体との連絡調整により課題解決に向けた支援を行います。


月に1回以上、障害者との面談や企業訪問を行います。

 

以上です。

 

このように、障害者の就労を支援するサービスがあるのですから、それを活用するのが最善の方法です。

 

障害の程度に応じて、無理のない労働で、少しでも収入を得ることができれば、本人だけでなく、家族も一安心です。

 

ファイナンシャルプランナーに相談すれば、ライフプラン表に基づき、資産残高を計算してもらえますので、具体的な数字が把握できます。

 

障害のある子がいても、就労できるならば、それを活かす道を探るのが、親の務めであり、社会の責任でもあります。

 

ちなみに相談者の息子は、その後、手足にまで障害が出たため、就職は諦めて、障害基礎年金を受給しています。

 

障害を持つ方への支援については、行政やファイナンシャルプランナー等に相談してみてください。