今こそ資産運用を行うべき理由とは
資産運用というと、「ある程度まとまったお金を持っている富裕層が行うもの」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし現在では、まとまった資産を持つ人だけではなく、毎月の収入の中から少しずつ資産形成を行う人も増えています。
その背景には、物価上昇、将来の社会保障への不安、老後資金問題などがあります。
「銀行に預けておけば安心」という時代から、「自分の資産をどのように守り、育てていくか」を考える時代へ変わりつつあるのです。
そこで今回は、なぜ今、資産運用について考える必要があるのかについて考えてみます。
1.今こそ資産運用を行うべき理由
1)物価上昇から資産を守る
現在、多くの人が実感しているのが物価の上昇です。
食品、日用品、光熱費など、生活に必要なさまざまなものの価格が上昇しています。
ここで重要なのは、物価が上昇すると、現金の実質的な価値が低下するということです。
例えば、100万円を現金で保有していても、物価が上昇すれば、その100万円で購入できる商品の量は少なくなります。
つまり、資産運用には「お金を増やす」という目的だけではなく、インフレによって資産の価値が目減りすることへの対策という側面もあります。
もちろん、投資をすれば必ずインフレに勝てるわけではありません。
しかし、預貯金だけに資産を集中させることについても、一度考えてみる必要があるでしょう。
2)賃金だけでは物価上昇に対応できない可能性がある
物価が上昇すれば、それに合わせて賃金も上昇することが理想です。
実際、日本でも賃上げの動きは見られます。
しかし、すべての人の所得が物価上昇を上回って増えるとは限りません。
特に、自営業者や非正規雇用者、年金生活者など、給与所得者とは異なる収入構造を持つ人もいます。
また、企業側にとっても、賃金を上げることは人件費の増加につながります。
そのため、「働いて収入を得る」ことに加えて、「保有している資産にも働いてもらう」という発想が重要になってきます。
3)公的年金だけに老後を委ねることが難しい
老後の生活を支える重要な収入源が公的年金です。
しかし、老後に必要となる生活費は人によって異なります。
住宅ローン、家賃、医療・介護費、旅行や趣味など、どのような生活を送りたいかによって必要な資金も変わってきます。
そのため、「年金があるから大丈夫」と考えるのではなく、「年金を基本としながら、不足する部分をどのように準備するか」
という視点が重要です。
資産運用は、そのための選択肢の一つになります。
4)万一のときの経済的なリスクに備える
人生には、病気、けが、介護、失業、家族の事情など、予定していなかった出来事が起こる可能性があります。
働いて収入を得ることが難しくなれば、家計にも大きな影響が出ます。
そのような場合に備えて、預貯金などの「守る資産」を確保したうえで、長期的な資産形成を行っておくことには意味があります。
ただし、ここで注意したいのは、資産運用そのものを「病気になったときの保障」と考えないことです。
病気や死亡などのリスクについては、生命保険や医療保険、公的保障なども含めて考える必要があります。
資産運用は、あくまでも将来の経済的な選択肢を増やすための手段と考えるとよいでしょう。
2.資産運用にはどのような種類があるのか
資産運用と一口に言っても、さまざまな方法があります。
1)NISA
少額投資非課税制度であるNISAは、個人の資産形成を考えるうえで重要な制度です。
投資による利益が非課税となる仕組みを利用できるため、長期的な資産形成との相性がよい制度です。
ただし、NISAそのものが「金融商品」ではありません。
NISAという税制上の制度を利用して、株式や投資信託などに投資するという点には注意が必要です。
2)株式投資
企業の株式を購入し、値上がり益や配当金を得る方法です。
一方で、株価が下落して損失が発生する可能性もあります。
3)投資信託
多くの投資家から集めた資金をまとめて、株式や債券などに投資する金融商品です。
少額から始められる商品も多く、分散投資を行いやすいという特徴があります。
4)不動産投資
マンションやアパートなどの不動産を購入し、家賃収入や売却益を得る方法です。
ただし、空室、修繕費、金利上昇、災害、不動産価格の下落など、特有のリスクがあります。
3.資産運用を行った人のモデルケース
ケース1 30代・会社員
毎月3万円を長期・積立で運用。
短期的な値上がりを狙うのではなく、将来の住宅購入や老後資金を目的とする。
ケース2 40代・公務員
教育資金を確保したうえで、余裕のある資金をNISAで毎月運用。
長期の運用期間で複利の効果を狙う。
ケース3 50代・自営業
預貯金を十分に確保したうえで、一部を長期的な資産形成に回す。
老後の公的年金が会社員より少なくなる可能性も考慮し、早い段階から準備する。
ケース4 60代・退職後
「増やすこと」だけを目的にせず、生活資金を確保しながら、資産を取り崩していくことを考える。
4.今後の資産運用はどうなっていくのか
今後は、資産運用が一部の富裕層だけのものではなく、一般家庭の生活設計の一部になっていく可能性があります。
一方で、投資には必ずリスクがあります。
「老後が不安だから投資を始める」という気持ちが強すぎると、短期間で大きな利益を得ようとして、過度なリスクを取ってしまうことがあります。
重要なのは、
1)生活防衛資金を確保する
2)借金など家計の問題を整理する
3)公的年金など将来の収入を把握する
4)必要な老後資金を計算する
5)余裕資金で長期・分散を基本に運用する
という順番ではないでしょうか。
まとめ
物価上昇、老後生活、社会保障、病気や介護など、将来の生活にはさまざまな不確実性があります。
だからこそ、これからの時代は「いくら稼ぐか」だけではなく、「稼いだお金をどのように守り、どのように将来へつなげるか」を考えることが重要です。
資産運用は、そのための一つの手段です。
ただし、資産運用にはリスクがあります。
大切なのは、流行している金融商品に飛びつくことでも、短期間で大きな利益を狙うことでもありません。
自分の家計、年齢、ライフプラン、将来必要となる資金を把握したうえで、自分に合った方法を選ぶこと。
それこそが、これからの時代の資産運用ではないでしょうか。


