ユニコは歩き続ける
湘南文学舎の渉外担当といえるパピヨンのユニコが2月1日未明、息を引き取った。
2007年8月8日生まれ、16歳であった。
とても愛嬌があり、散歩に出かけたら、見知らぬ人にも駆け寄っていった活発な子であった。近所の子供たちには「ユニちゃん」と呼ばれた人気者であった。
私や同居している猫、もう一匹の犬は体に不具合があったが、ユニコはまったくの健康体であった。
それが白内障を患い、目が見えなくなってから認知症を発症して、食が細くなっていった。
認知症が進む中でも歩くことだけは忘れなかった。外を歩くことができなくなってからは部屋の中をぐるぐる歩き続けた。
衰弱してからも、なにかの拍子に立ち上がってよろよろしながらも歩き続けた。バタンキューを何度も繰り返しながら。
こいつはすごいなぁ、命尽きるまで歩き続けるんだな、と私は心から感心した。私もかくありたい。
犬の16歳といえば、人間ならば80歳だという。いつの間にか私の年齢を越えて、犬生をまっとうしたと褒めてあげたいが、まだまだ一緒にいたかった。ユニコはひたすら歩いて私を追い越していってしまった。