葛根廟事件の真相に迫る! PART.7 | 湘南逍遥

葛根廟事件の真相に迫る! PART.7

ユニコ舎刊の『境界』シリーズの著者の一人、大島満吉氏先の取材時音声をYouTubeチャンネル「境界 大東亜戦争の記憶」で順次公開。先の大戦で満州国において実際に起こったソ連軍による凄惨な日本人民間人殺害事件「葛根廟事件」の全容を大島氏が語る。

[PART.7概要]民兵に誤った情報を伝えたというあらぬ疑いをかけられ、銃殺刑を言い渡された父(肇)だったが、地元民の助けによって九死に一生を得ることができた。再び首都・新京を目指し歩き始めた大島家。広大な平原をただひたすら先へと進む。行く先々で地元民から食事や眠る場所を与えられるが、その見返りとして金銭や満吉さんの防寒用コートをはじめいろいろな持ち物を取られてしまう。ある日、雨に見舞われた家族は途方に暮れて、部落の一軒家の塀に空いている穴に忍び入るが、そこは馬小屋であった。いきなり入ってきた大島家に馬たちは驚き、暴れ出してしまう。馬の騒ぎに駆けつけた部落民に、父は「雨を凌ぐために少し休ませてほしい」と願い出る。事情を聞いた部落民の段取りで、村長との面会することに。村長から鎮東に日本人収容所があることを知らされた大島家は、ひとまず日本人収容所へ向けて出発する。道すがら、民兵に金銭を没収されながらもやっとの思いで日本人収容所へ到着するが、そこに金銭を没収した民兵がいたことに驚かされる。しかし、民兵を責めるわけにもいかず、押し黙るしかなかった。収容所は中国政府が管轄する施設で、所内に掲示されたポスターや旗などから、大島家は日本の敗戦を初めて知ることになる。ひと月ほど収容所で過ごしたのち、ようやく新京に着いて新しい暮らしを始めた大島家。母(久め)のお腹に宿っていた新たな命は、生まれてから数日間でこの世を去った。小さな亡骸を葬った父は、その祟りだったのだろうか、その後、高熱にうなされて立てなくなってしまう。産後の肥立ちが悪い母と、病に倒れた父を助けるため、兄(宏生)と満吉さんは、物乞いのように日本人の家々を訪ね歩くが、そこで厳しい現実と直面する。