ありがとうリゾートみのり day2 part2 | 蒼きこだまのシルエット

蒼きこだまのシルエット

蒼柳こだまの写真日記やちょっとした日常所感、鉄道・交通の話など。
写真は保存車両をはじめとした鉄道写真や風景・スナップがメインです。
つまらんものですが、よろしくお願いいたします。

恐れられつつも空振りに終わった台風は、昨晩の東北にとてつもない残骸を残していきました。関東とほぼ変わらない緯度の地域でしか過ごしたことのなかった私は、この地特有の気象にときどき驚かされます。そう、あのときもそうでした。
というわけで、この悪天候の中で現像が捗ったので、やっと続きの記事を起こせそうです。前回はこちら。
鳴子温泉駅での撮影が終わり、早稲田桟敷湯で汗を流し、そばを軽くすすって手拭いをお土産に購入。そして、次なる地へ向かうために、陸羽東線に乗車…と思いきや、 

 

降りしきる雨が猛威を振るいはじめ、最上〜長沢駅間で規制値を超えてしまいました。運転再開の見通しは立たず、雨は激しさを維持したまま。ここ数年の豪雨によるさまざまな鉄道路線の被災事例が頭を過り、不安な気持ちも強まる中…

 

 どうにか脱出することが確約されました。車内では乗客の目的地を聞きに駅員が巡回。大半が新庄まで乗り通す方、しかもその多くは復路のリゾートみのりに乗るとか…。「運行するかわからないので、ひとまず新庄駅までご案内します」という放送が今でも記憶に残っています。


そして、当初の出発時刻から1時間後に出発。私はタクシーでの移動でした。途中の鳴子峡で降りたペアがいましたが、この雨の中でも行く目的はもしや…。


離脱直前にスマホでサッと撮った1枚。既に雨は落ち着いていました。

代行タクシーで向かったのは、隣の中山平温泉駅。すぐそばの宿でチェックインを済ませ、駅へ撮影に向かいます。無人駅の中で頼りになるのは運行情報アプリとTwitter。現代文明に感謝。
そこで18:00に陸羽東線の運転再開をかぎつける一方、それよりはるかに早くリゾートみのりが新庄を発ったという情報もキャッチします。まさか、点検後の安全確認も兼ねて先に行かせた…?徐行運転により遅れは拡大する一方…と、事態は悪化するばかり。一方で、一連の話を聞いている宿の方に夕飯を遅らせていただけました。線路を挟んでコミュニケーションが取れたからこそだなと。改めて感謝するばかりです。

雨が降ったり止んだりしつつ、夕闇も迫ってきた頃、森林の中から1つの汽笛が聞こえました。そして…。

閑散とした駅に、リゾートみのりはやってきました。
出迎えたのは、私を含め数人の撮影客。当然、この列車が来るまで抑止されていたので、代行手段か車で来たのでしょう。

団臨のため客扱いはありませんでしたが、平時と変わらずドアは開き、「リゾートアテンダント・みのりっ娘」が姿を見せます。天気が安定していたら、ここに地元の方がたくさん出迎えてくれたのでしょう。私は地域への愛着性を感じ、それを表現するために、シャッターを切っていたのでしょう。
そんなことを思っているうちに、ドアは閉まり、列車は動き出します。

静寂な、それでも確かな余韻を残しながら、

緑の中に吸い込まれていきました。

このときとっさに思いついた構図がこれでした。どうせブレるなら正面一点張りにしちゃえ!!って思考に走った結果。ところどころに機材と現像の限界が見えていますが、それでもこの苦労込みで大満足な1枚です。矢神氏からも「視野上の被写体速度を殺すという発想があったことに驚いてる」という褒め言葉(?)をいただいています。

完全燃焼したおかげで、飯が上手く、温泉も最高、ぐっすり安眠、といい夜を過ごせました。
そして翌朝…

昨日までの荒天がうそのように晴れていましたとさ。

長文になってしまったため、この続きはまた次回。(2020.11.16追記:続きはこちら)
それではこのへんで…。