中学生の頃、技術の授業でラジオを組み立てました。

弁当箱のような四角形でおまけに真っ黒なもの。
デザインは最低でした。コンデンサーを基盤にはめ込み、コイルを巻き、半田付けが面倒になり、出来上がってもさほど嬉しさはありませんでした。
ほとんどいじることもなく家に持ち帰りました。
アンテナは中に組み込まれており、あとは自分が適当にくっ付けたもの。
ホントに受信できるのか信じてませんでした。


静まった夜中にベッドでふとそのラジオを思い出し、枕元でスイッチを入れてみました。
AM専用の安っぽい作り。
それでも音が出ました。
思いのほか感度も良い。

見た目はダサくても自分の組み立てたものに愛着が沸くのを感じました。

そのときに静かな闇の中、美しいハーモニーの歌がラジオから流れました。
その数分間、とても幸せな世界に浸れたのを今でも覚えています。

部屋を暗くしてラジオを何度となく聴いてきましたが、あとにも先にもあの多幸体験はあの時だけでした。
それはクリッパーという5人兄弟グループの「Boy」という歌でした。

Boy 人はそう呼ぶよ
Boy みな微笑んで
彼の指先吐息さえもじっと見つめているよ
彼に触れればそこには愛
過去は一瞬に雲の彼方へ
Hurry Boy Hurry Boy
待っていたよ



今聴いてもヒーリング効果抜群の優秀な作品でないでしょうか。
あのラジオはその後故障し、引っ越しの際に捨てましたが時々思い出すんです。
夜中のラジオっていいですね。



NHKの朝ドラ「花子とアン」が大人気だそうです。

主演の吉高由里子さんは私の好きなタイプの女優さんです。
独特の目力に惹き付けられます。

オープニングに「赤毛のアン」の家、グリーンゲイブルズが映し出されました。そしてなだらかな美しい島の風景と次々に出てくる映像に2年前のプリンスエドワード島(PEI)旅行の記憶がよみがえりました。
このオープニングだけのためにPEIに撮影に行ったのならすごい。
どこかの使い回しではないでしょうね。


赤毛のアンの日本での人気の強さは高いようです。
今回の話題でさらにPEIへの観光客がかなり増えると見込まれてるとか。
しかし2年前の旅行では、恐らくほとんどの観光客が選ぶ「赤毛のアンツアー」で、50人は乗れるシャトルバスに我々の他、母娘で来ていた2人の4人だけで乗って回りました。
(あまりここへ来る客はいないのかと思っていました…)

ケープトライオン
(ケープトライオン)

日本人にどうしてこうもアンは受けるのか。

やはり想像力を無限に広げる才能と自由さそして彼女を取り巻く環境がどこか日本の原風景と共通するのもがあるからかも知れません。

もしかしたらPEIは「旅慣れた人が行く」上級の観光地なのかもと思いました。
特別な何かがあるわけでもない。
派手さとは裏腹にちょっとしたレストランやバー、劇場やショピングセンターといった繁華街の他はほとんどがのどかな農村風景で覆われた島です。

そういえば、写真家の吉村和敏さんは自身で初のモノクロ写真集を出しましたが、長野県の風景が被写体でした。選んだ理由をPEIと共通するものがあったと述べていました。(確か…)

またいつか行きたいなぁ。


輝く湖水
(輝く湖水)

久しぶりの更新です。

ロビンウィリアムズさんが亡くなりました。
悲報は全世界を廻ったのでしょう。
オバマ大統領も哀悼の辞を述べてました。
死因は自殺とのことでした。


彼の凄さに驚いたのは何と言いましても「グッドモーニングベトナム」でした。
あの切れ味抜群の爽快なフリートークに圧倒され、
呼吸やリズム全てを研究するためだけにDVDを買ったことがあります。
映画の後半にサッチモの「素晴らしきこの世界」が流れてこの映画の余韻が残りのですが、この時のクロンナウア(ロビン)が最後に「偉大なるサッチモ…」とつぶやくシーンがとても印象に残っています。

そして「レナードの朝」。

実話の原作を脚色し、フィクションとして仕立てた映画ですが、医療を取り巻く温かい人間ドラマであり現実の残酷さをも語りかける考えさせられる名作でした。
ここでは私の大好きなJAZZ PLAYER デクスターゴードンが脇役で出ています。

合掌