僕の新しい本が出版されました。

「ビッグヒストリー」という分野の本で、宇宙138億年の壮大なスケールを描く分野です。

 

 

 

 

ペーパーバッグ版(紙の書籍)は2728円

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今回は第5弾で、「近代史(世界大戦・冷戦)」について映像化して説明しています。

12分で近代史が学べます!

 

 

 

 

世界大戦

 1900年代前半では、2つの世界大戦が勃発し、いずれの戦争も特にドイツが軸であった。そして、どちらの大戦でもドイツは敗れた。

 

 

第一次世界大戦

 第一次世界大戦では、ドイツが地域紛争を拡大させ、他の国も同盟や利害のために次々と参戦した結果、世界大戦へと発展した。

 短期間で終わると見込まれたこの戦争は、結局四年以上にわたって続く泥沼の世界大戦となってしまった。次々と大国が参戦していき、機関銃や毒ガスなどの恐ろしい兵器が使用された戦争であった。

 

 戦死者は不明で、八五〇万人ほどだと考えられることもあるが、戦死者の範囲や数は推定によってさまざまで、一五〇〇万人とされることもある。さらに、当時はスペイン風邪が流行し、こちらの死亡者数も推定によって大きく異なるが、一九一八年から一九一九年だけで、戦死者よりも遥かに多い二〇〇〇万人から五〇〇〇万人にも及ぶひどい被害をもたらしたとされている。

 

 

第二次世界大戦

 第二次世界大戦は、軍備を拡大し、征服をもくろむファシズムに先導されたドイツによって引き起こされたものだった。

 第一次世界大戦終結後は、ファシズムと呼ばれる、力ずくで世界征服をもくろむ思想が広がった。イタリア、ドイツ、日本では、そうした思想が顕著であった。

 

 日本は無謀であったアメリカとの戦争を開戦した。それは、中国をはじめとした東アジアを占領しようと考えていたこともあったが、さらに、戦争をしない場合のほうが、経済が停滞し資源が枯渇すると考えたことも大きな理由であった。そうして、アメリカと戦争をする一方で、日本はシンガポールやベトナムやフィリピンなどの地域も占領して、その際に数多くの人々を虐殺した。

 

 そして終戦の直前には原子爆弾が広島と長崎に投下された。その日、それらの町には、平穏に過ごしていた赤ん坊から老人までがいた。しかし、突然の爆発によって、地表は三〇〇〇度から四〇〇〇度にも達し、建物は吹き飛び、町中が燃え、数万人が即死した。

 

 第二次世界大戦は、一九四五年に終戦を迎え、死者の合計人数は五五〇〇万人に上ると言われている。これほどつい最近に起きたこととは信じられないほど、極めて悲惨で残虐な出来事である。物語が、時に極めて愚かで浅はかな対立や争いを生むということを、私たちは常に念頭に置くべきであろう。

 

 戦争にまつわる被害ついては、ほとんどの国において、自国は悪くないと教えられやすい。しかし、戦争に参加した国々は、いずれも被害者でも加害者でもあったのだ。そして何より、どこの国であろうと、そこにいた一人ひとりの大切な命や尊い人生が奪われたというのは等しく悲しい出来事であった。

 

冷戦

 第二次世界大戦の後、ファシズムという、力づくでの征服を望む思想は敗れ、次の舞台に立ったのは、共産主義と自由主義という、平等を望む思想と、自由を望む思想であった。

 平等を望む共産主義の思想は、経済的な格差をなくすことを目指し、当時のロシアが中心であった。一方、自由に起業したり、競争によって経済を発展させたりできる自由主義の思想は、アメリカが中心であった。この、平等と自由の争いは、「冷戦」という形で行われた。つまり、アメリアとロシアは、直接の戦火を交えなかった。

 

 その後、平等を目指した共産主義はうまくいかなくなり、経済が崩壊した。やはり、経済力を平等にするために国民を管理し、仕事を機械的に割り振るのでは、労働意欲や生産性の低下につながり、イノベーションも生まれない。そのため、現在残っているのは、自由主義という、競争的ではあるが、自由な思想である。経済的平等が必ずしも望ましいとは限らないこと、そして、競争が必ずしも悪いとは限らないことが証明されたといえる。

 

 そして二一世紀には、喜ぶべき発展が数多くある。世界の平均寿命は一九〇〇年の三二歳から二〇一五年には七二歳近くまで急上昇した。過去二〇年で、極貧層の割合は半減し、世界のほとんどの人は中所得の国に住んでおり低所得層に住んでいるのは九パーセントである。また、長らくずっと教育は男性の独占であったのに対して、現在では、低所得国の女性に限っても六〇パーセントは初等教育を修了している。そして、今ではあらゆる国で、スマートフォンを使っている人が見かけられる。

 

 近代では、あらゆる取り返しのつかない過ちがあった。しかし、その一方で、ここ数十年に目を向けると、非常に豊かで平和な世界が作られたことは疑いようがない。私たちは、そのタイミングで生きている。

 

 

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【加藤の詳細について】

―加藤将馬:著者、講演家、幸福学&ビッグヒストリー研究家

・加藤将馬のウェブサイトはこちら

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【著書の紹介】

WILL ―ビッグヒストリーで語る 宇宙のはじまりから人間の未来―

ペーパーバッグ版(紙の書籍)は2728円

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「宇宙はどのように始まり、どうやって私たち人間が生まれたのか?」
「人間は他の動物と何が似ていて何が違うのか?」
「数十年後にはゾッとするような未来が待っているというのは本当なのか?」

誰しも、こうした疑問を抱いたことはあるのではないでしょうか?

 本書は、「ビッグヒストリー」を軸にした1冊です。ビッグヒストリーとは、文字通り、「大きな歴史」を意味します。通常、世界史といった分野が説明するのは、文明が誕生してからの5000年ほどの期間です。しかし、ビッグヒストリーでは、宇宙138億年を大きな1つの歴史としてまとめます。人間の歴史どころか、宇宙のはじまりや、生命の進化、そして現在や未来までの歴史を説明する、とても興味深く野心的な分野です。

 

 また、できる限り正確な情報に基づいて書くことにも尽力しました。本書では日本語も英語も問わず、数多くの書籍や論文や信頼のおけるサイトからの情報を参照しました。注釈の数は130を超えます。以下のウェブサイトに載せているので、詳細を知りたい場合や、事実確認をしたい場合にぜひご参考にしていただければと思います。

※本書の詳細・注は以下をご参照ください。
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