二月、四日立春の翌日は、七十二候の「東風解凍」でした。ちょうど春の風、「東風」が吹く頃。毎年東京ドームで開催される『テーブルウェア・フェスティバル』へ出かけてきました。

 

ドーム近くの牛天神、北野神社の前を通ると梅が咲いていました。


東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな梅


切なくて、いい歌。いい歌、でも切ない。

毎年、梅の香が漂う頃、そのように思います。

 

こちらの神社、夜中の雰囲気もよくって、提灯が階段に灯っている様子が、幻想的。



テーブルウェア・フェスティバルが間もなく開催されるというタイミングに、クラスがありましたので、「目の保養」「目を養うために」などなど、色々刺激になりそうな言葉を添えて、「お出掛けになるといいですよ」とお勧めしました。


何をどのように見てまわったらいいのか、どのような感想を持てばいいのかだなんて、難しく考えず、様々なメーカーの新作を楽しむもよし、全国各地から集まる販売店を回るのもよし、才能豊かなテーブルウェア(コーディネート)から刺激を受けるもよし、各界の著名人がプロデュースする食空間を満喫するもよしです。


好奇心が大切、気付きが大切、様々な豊かさに触れて、自分自身を更に豊に磨いてもらいたいなと思います。それができる場の一つだと思います。



今年も本当に素晴らしくって、毎年「来年はもう一時間、余裕を持って来よう」と思うのだけれども、毎年、時間が足りない。


今年は4時間見て回ろうと思ったけれども、「期間中、もう一回出かけてもいいな」と思ったほどでした。


私のような仕事をしている立場にとって、非常に豊かな勉強に繋がる場でもあって、教材にできそうなことばかり。


撮影する写真も、生徒さんたちに様々な視点でご案内できるものに溢れていて、いいお値段の入場料だけれども、このフェスティバルで得られることは、無限大です。



中でも、黒柳徹子さんと、ビーズ刺繍デザイナー田川啓二さんお二人のプロデュースによる「おもてなしの食空間」は素晴らしくって、圧巻です。


昨年、感動しまくりで、こちらのブースだけでも一時間は眺めていたのではないかと思うほど、見ごたえがありました。

→ 昨年の記事


読み返すと、まったく同じことを書いていることに気付く・・・・・・。


それだけ、変わらず素晴らしいアウトプットということで、ありがたいものです。




つい、入口とは反対側の出口から入ってしまったため、今年のテーマ、コンセプトを把握しない内から眺めてしまったのですが、ガラスの食器がふんだんに使われ、鉄線が飾られていることから、「夏か?」なんて思っていたけれども・・・・・・









これまた個性的で、洒落た茄子の器がセッティングされていて「晩夏か?」と思って眺めていたら、今年のテーマは「白露」とのこと。


なるほどぉー。


展示されていた屏風絵は「秋草」だったし、拝見できたお椀に描かれた漆絵は様々な「実り」だったしねと。


コンセプトと合致すると、一層興味深く拝見できます。知識を豊に蓄えておくと、アウトプットされたことを一層豊に感じ取ることができるもの。そして一層ありがたくも思えるもの。その感動を生徒さんに得ていただきたくって、様々な角度からクラスではお伝えしています。 


個人の方々のテーブルウェアも、じっくり拝見。多くの応募の中から選ばれた方々。


センスもお持物も大変素晴らしい方が多く、いつも思うことですが、テーブルウェアをお仕事とされている方や、趣味として嗜んでいらっしゃる方々は、やはり「ゆとり」がおありだなーと。


自宅でチャイナペインティングを教えている叔母も、作品の貸し出し協力の依頼があったりと、コーディネートされている方とのコラボレーションを見ると、やっぱり圧倒されるだけのものがある。敵いません。


 
個人的には、こういう類のものが好き。

← 菅原道真


一体、どちらでお求めになったのだろう・・・・・・って。

大きさといい、造りといい。

これだけでもあったら、「春梅は特にいいなーって。


塾とかに置いてあったら、素晴らしいキラキラ。


でもプロデュースされた方のコンセプトとしては「新年、冬」。

 

グレゴリオ暦で捉えた新年なのか、旧暦で捉えた新年になるのか。実感なのか、暦なのか、感覚なのか。菅原道真を置くことによって、更にどのように捉えるのか・・・・・・。


知識があると、このような時、ちょっとした「違和感」に対する折り合いや、調整が自分に求められるのも事実。



こちらも、大変興味深かったです。「桂雛」。


お雛様の打掛が黒ッ????


強烈なインパクト。多分特注されたのだと思います。かなり間近で、寄りに寄って、一枚一枚どのような重ね合わせ、グラデーションにされたのか、まじまじと拝見してしまいました。

 





セッティングを見て、「桂雛」というネーミングに納得。


なるほどねーと。お分かりになりますか? 多分、昨年秋の会食倶楽部にご参加くださった方ならば、すぐに納得できるかと。


こちらは男性の方がプロデュース。多分、なかなか女性では持てない発想とプロデュース力かと。男性が拘る時って、本当に細かくって、徹底している。


加藤タキさんが寄せられたコメントがこれまた興味深く、ここに集まった男性方と杯を交わしたいという思いを気持ちよく述べつつ、最後の最後に「(一つ、雛人形が少々主張しすぎるのが、残念・・・・・・)」苦笑


それだけ、個性的な桂雛には、力がありました。


長くなりましたので、次の更新に分けます。

こちらは、大倉陶園のブースに展示されていたチェスセット。素敵すぎちゃって、きっとゲームに集中できない!


チェアも色分けされていて、素晴らしい。