今週八日、二十四節気の「寒露」をむかえ、引き続き翌日は七十二候の「鴻雁来夕焼けに、今日は「菊花開菊と、秋の深まりを強く感じる週となりました。

 

とはいえども、気温差はまだ日によってあるためか、体調を崩しやすい時期でもありますね。先日連休最終日に開催したテーブルマナークラス では、残念ながら一名様、体調不良でご欠席となりました。


ご同伴者の方から、私もちょうどレストランへの移動中、お電話をいただき、到着する前にお一人ご参加になれないことを把握することができました。


大変ご丁寧なお電話で、キャンセル発生に対する恐縮されたご様子にあせる、こちらこそお出掛け前のお忙しいタイミングにご配慮いただき、恐縮いたしましたいただきます


ご欠席は残念だけれども、早めにお知らせいただけることは、お店側にとっても、クラス運営者にとっても助かるものです。


到着時には、既に申し出ている人数でセッティングがされているもの。一名様でのご参加、男性お一人でのご参加、二名様でのご参加など、様々です。私もそのお申し込み状況、総数に対してどのようにおかけいただくかは事前に考えていることから、お早い御連絡は、こちらでもまた良いかたちに整えた上でお迎えできるので、ありがたいものです。


「マナーは相手への思いやりはーとですから、ご連絡くださった受講者様には、お会いする前から大変信頼できるお人柄を、お電話からも感じ取ることができ、またお一人素敵な受講者様とその日お会いできることに、私も期待が膨らみました。


お電話だからこそ、「直接」お相手のお声からも心情とお人柄がよく伝わるもの。クラスの講義の際にも、ネット予約などが普及したけれども、極力、予約も、特にキャンセル時は「お電話ででんわとお伝えしています。



今回の更新は少し、テーブルマナークラス の時の様子や、いらしてくださっている受講者様から寄せられるお申し込みにあたってのご心境や、受講後のご感想など、お伝えしたいと思います。


受講者様のお申し込みにあたってのご心境や、その場での反応は、私にとっても毎度新鮮で、また良い気づきもあります。


恐らく受講をご検討くださっている方のご参考にも、またお申し込みの弾みにもなるかと思いますので、クラスを知る手がかりになれば幸いです。


私のクラスのモットーは「大人の学びは楽しく!」です。

かしこまり過ぎず、適度な緊張感はもちながらも、肩の力を抜いて、ご参加くださる皆さんが共有できる「面白み」を感じるお話を沢山織り交ぜながら、お伝えするようにしています。


大人が自分の振る舞いを洗練させるために選んだ学びごと。試験があるわけでもなく、その場で試されるわけでもない。学びのひと時を楽しく、そしてその後の日常が一層豊かになれば幸いだなと思っています。

クラスは、10年以上お世話になっている半蔵門、東條會舘が運営するレストランARGO にて開催しています。テーブルマナークラス用のコース料理をご用意いただいています。通常お店でご提供になっているお献立とは、若干異なります。


上記お料理は、一品目の「アミューズ」です。

 

フランス料理に親しんでいる方ならば、こちらの画像をご覧になって「エッ??? このアミューズ、独特!」と思われるはず。

クラス用に、特別に、このようにしていただいています。


アミューズとは?

その特徴は???

一皿に幾つも提供されている場合、どれから食べたらいいの???

そもそも、このように一皿に幾つも提供されるものなの???

どのように食べ進めるのが、理想的なの???


多分、このようなことは出版されている多くのマナー本や、ネット上で発信されている情報では、解説されていないと思います。


レストランによって提供方法は様々だし、お料理だって、一つひとつ異なるもの。出版物に関しては、万人が納得できる解説に留まるため、実際の「様々」や「多様」な部分までは伝えきれないのが現実。


伝える側にも限度があるのは当然で、10人のマナー講師が執筆していれば、それぞれイメージしてお伝えしているお料理の形、様子、お味、食材も10通りあるということ。

 

 

 クラスにお申し込みしてくださる方の多くが、


 「本や雑誌で、読んだことがあるけれども・・・・・」と限界があることを

 実感されています。


 「見よう、見真似でやってきたけれども、やはり一度、実践で学ぶ

 必要性があると思いました」、とか

 「なんとなく読んだことを理解したつもりで臨んだら、

 現実は想像していたことと異なった」とおっしゃる方も多いものです。


 クラスで実際に、食材に触れてみて、フォークを刺したりフォーク、ナイフ純銀のナイフ

 入れてみることで体感できること、体得できることは、非常に大きな収穫に

 繋がります。


 それぞれ、硬さ、柔らかさ、崩れやすさも異なり、刺しやすいものもあれば、

 刺しにくいものもあります。

 

 どのくらいの大きさに切ったらいいものなのか、口に入れる適量とは

 などなど・・・・・・。


 教える側の講師にとっても、提供されるお料理、それぞれに用いられる食材は

 毎度クラスごとに異なりますから、共に一つひとつのお料理に向き合って、

 慣れた立場の講師の手元を見る、講師の感想、解説を聞く、それぞれの

 食材に対する発想を知ることは、同じものを共有しているからこそ、

 よりダイレクトに伝わるものがあり、その場で手応えも得られるものです。




 


たとえば次にご提供いただいたこちらのお料理、「オードブル(前菜)」では、目視だけでも、様々な食材が用いられているのがわかると思います。


葉物も様々、トマトムース、食用花、ソースも点々々と添えられ、更にパウダー状のソースもあります。手前にシュとハケで塗られたものもソースです。


これだけでも、最低四つの食材と向き合うことになり、三種類のソースも上手に味わうことが期待され、直接向き合うからこそ、四種類の食材との向き合い方と、三種類のソースの召し上がり方を習得できることになります。


テーブルマナーを学びにいらしてくださる多くの方が、実は「マナー」だけではなく、「上手な食べ方」を習得したかったのだと、気が付かれます。


葉は切る必要性があるものなのか、切っていいものなのか、どのような葉物がこのようなレストランでは提供されるのか。


このプレートにはカットされたトマトが提供されているけれども、真ん丸としたミニトマトトマトが出てきたら突き刺していいものなのか。果たしてそのような状態のものが提供されるのか。

 


このような細々としたこと、普段の外食時にもふと思うことについても、プロの見地から、レストランのタイプの違いなども含めて伝えられるのが、クラスの良さです。


その場で理解できること、吸収できることの多さは、やはり目の前にお料理があってこそ、すぐに反応をうかがえるプロの講師がいてこそです。


長くなりましたので、 「その二」としてまた次回更新 いたします。


*************************


お料理の写真は、必ずお断りを入れてください。

個人的には、あまりお料理の撮影、特にレストランの中の様子の撮影は、周囲に他のお客様がいらっしゃれば特に控えたいところです。くれぐれも、他のお客様が写り込むようなことは、控えてください。


宣伝の期待、お客様の「撮っておきたい」という気持ちを汲み取って、お店側でも「どうぞ」とおっしゃってくださるところもありますが、レストランのグレード、周囲の雰囲気、空気感、緊張感なども上手に感じ取ることが求められます。


パッと感じ取れる人、その場に応じた振る舞い方が自然な方には、いいレストランに対する「慣れ」、順応性の高さを感じるものがあります。


訪れる側も、お店の環境作り、雰囲気を構成する一人であることを忘れずに。

ぜひ、洗練された振る舞いを心掛けてください。