東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな
二月は、私にとって毎年恒例となっている行事が多い月。テキスト作成なども抱えているので、上手にスケジュール を立てて、行事を楽しみ、タスクをこなしていく日々です。
こちらの画像は、その行事の一つとしている、テーブルウェア・フェスティバルで撮影させてもらった、工芸品。
黒柳徹子さんと、ビーズ刺繍デザイナー田川啓二さんお二人のコラボレーションブースに展示されていました。
お二人が大切に集めてこられた素晴らしい着物、陶器、漆器が惜しみなく並べられていました。
今年は出かけられる日の見通しもなかなかつかず、本当は一日かけてウロウロしていたいのだけれども、
「3時間勝負!」で、出かけてまいりました
中でも圧倒的な魅力を放っていたのは、黒柳徹子さんと、田川啓二さんのブース。
お持ちのもの(蒐集されたもの)の素晴らしさは圧巻でした。
なんて素晴らしいものをこれだけ集められたのだろう!
よくこれだけ綺麗に揃ったものがあったこと!
ウワッ、さすがの審美眼!
ありがとうございます、ありがとうございます。
拝ませていただきます、ありがとうございます
もうもうもう、どれも素晴らしく、感受性や感性だけでなく、やはり知識や教養、そして培われてきたものが、ベースにあるからこそ、集められてきたもの(選ばれたもの)一つひとつに力があり、文化や工芸品に対する尊敬と、伝統の大切さ、
そしてそれを維持、保持することに対しての意識の高さが伺えました。
お二人のような方がいらっしゃるって、日本にとって、宝ですね
自分自身が人生の中で励んできた成果から、最終的にこのようなこと(文化の継承)に力を注ぐことができたら、本望だなと、また誇りでもあるなと、私は思います。私ごときには到底できないこと、叶わぬ夢。だからこそお二人の偉業に敬服いたします。
このフェスティバルには、自宅でチャイナペインティングを教えている叔母も、毎年作品を出展していますので、途中電話を入れて
「徹子さんと田川さんのブースが素晴らしいわ」と話したところ、
「昔、おばあちゃまと、おじいちゃまのお家にあったようなお皿や器が沢山あったわね・・・・・・」と。
母方の実家は商家で、料亭も営んでいたことから、お皿や器はいいものが多く、古美術品の蒐集が趣味だった曾祖父の集めた家財道具は、子供の目から見ても、素晴らしかった。
残念ながら、そのようなことに一切興味のなかった祖父が、建物を解体する際に古美術商の方々を呼び寄せ、何もかも、庭にあったものまでも、売り払ってしまったという始末・・・・・・。
「古美術専門店さんが来る」と聞いて、慌ててすっ飛んでいった母が見た光景は、招き猫
と、ウミガメの剥製
が転がっていただけだったと・・・・・・
「あの人達、ぺんぺん草も生えないくらい、何もかも持っていったわ!」
と、嘆いていたことを、よく覚えています。後日、私もそのもぬけの殻となった様子を見て、虚しさと寂しさで顔を手で覆ってしまうほどでした。
私にとってありがたいのは、そのような環境の中で育ってきたことで、幼い頃より普段の生活の中で、いいものに親しむ機会に恵まれていたこと。
現在の仕事をする上では、生活の中で育まれた感覚や感性が発揮できること。
日本料理のテーブルマナー所作クラス
のお店を検討する際も、随分方々まわり、環境(床の間)、器遣い、盛り付けなど、納得するまで確認させてもらいました。
長年、お世話してくださっている大志満高輪店さんには、深く感謝しております。
こちらのお皿は、実家でお正月やお祝いの時に、よく登上します。
昔、父の海外赴任でアメリカで過ごしていた頃、自宅に訪れるティーンエイジャーのアメリカン女子たちにも、
いかにもジャポネな食器で母がもてなすものだから、みんなド緊張してしまって、固まっていたのが懐かしい。
きっと張り切ってもてなすよりも、彼女たちにとって、宅配ピザをオーダーしてあげるほうが、もっとリラックスして過ごせただろうと思います。フフフ。
こちらの洋食器、うちのアフタヌーンティークラスへご参加くださった受講者様ならば、きっとどなたのデザインで、どちらで使われているものなのかわかるはず。
覚えてくださっているといいな・・・・・・。
パッと見て、「これは!」とわかるぐらいまでに、ご熱心に学びにいらしてくださっている方々を引き上げたい。
テーブルウェアフェスティバルには、全国から沢山出店もされていて、こちらは金沢からお越しの古美術店さんがお持ちになっていたもの。
「七草」、大根が二股大根!
これは貴重、なかなか見かけないと撮影の許可をいただきました。大変恐縮です。欲しかったなぁ~。
なかなか徹子さん、田川さんにはなれません。
来年のフェスティバルも楽しみです。
眼福、眼福。