ハギ
 

萩の花


  

こんにちは、上級食育指導士kyokoです。

 

本日は秋分の日で、お彼岸の中日でもあります。そして春分の日からかぞえて2022年の折り返し地点。昼と夜の長さが同じになる秋分の日を真ん中にした7日間がお彼岸です。日本人は古からご先祖さまに思いを馳せ繋がり、感謝し心を合わせてきました。その思いが形になったものが、お祭りであり、お供え物です。

 

 令和4 (皇紀2682)年9月6日に、お稲刈りをなさる天皇陛下のニュースがありました。収穫した粳米と糯米は10月の伊勢神宮での神嘗祭や11月の新嘗祭にて使われ、そしてこの新嘗祭が終わったら、日本では新米が解禁になります。

  日本人は古より収穫の喜びを祀りというカタチで感謝を捧げてきました。それがお祭りです。天皇陛下はその祈りを捧げる日本国民の代表者でもあられます。

 

秋は生きるために必要な食べ物を収穫できるよろこびを自然やご先祖さまに感謝をします。そしてその風習が仏教ともつながり、江戸時代ごろから、お彼岸にお墓参りをするという習慣も生まれてきました。

米の収穫が終わり農事も一段落するこの季節に、昔から日本人はご先祖様に感謝をすることを忘れずにカタチに現れたのがお墓参りでもあったのでしょう。

 

どうぞ行ける方はお墓参りにぜひ行かれてくださいませね。無理な場合でもご先祖様に思いを馳せ感謝し手を合わせるだけでもいいでしょう。それが日本人の姿でもあります。宗教関係なくですね。心を向けるということが大切なのですから。


さて、このお彼岸にご先祖様にお供えをするその代表選手が、おもちとあんこを合わせる「ぼたもち」です。
 


 
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秋は「お萩」、春は「牡丹餅」


 アズキはダイズとともに日本に自生していた豆の一つです。
ヤブツルアズキが原種と言われ、縄文時代には「スメ」と呼ばれていました。色は赤ではなく黒大豆と同じような黒に近い赤です。

 黒小豆
 
夏から秋にかけて収穫される「アズキ」を使って作るお萩は、皮が柔らかいので粒をそのまま残したつぶあんで作ります。

つぶつぶが萩の花を散らした様に見えるので、秋に食べるのは「おはぎ」と呼ばれるようになりました。萩の花に見立てて 秋は「お萩」、春は牡丹の花に見立て「牡丹餅」と呼ばれるようになったのは江戸時代からのお話。

 もともとは庶民の食べ物で「ぼたもち」と呼ばれていたようです。
しかし、宮中の女房たちは「おぼた」というより萩の花にちなんだ名前の方を好んで、「萩の餅」→「萩の花」→「お萩」と呼ぶようになったといわれています。(「おはぎ」は女房詞)
 


 何故、「おはぎ」と呼ぶのを好んだのか。

 江戸時代の女房達は、「ぼた」という言葉の響きが綺麗ではないのと、「ぼた」には『女の顔の丸く大きく醜いもの。膨れっ面の女。丸くて大きなもの』を指す意味があるということをどうやら嫌ったようなのです。つまり美しくない、鄙びている(田舎くさい)ということでしょうか…。


また他にも農家では、『粗悪米や水害に遭った濡れ米など年貢にも拒否される廃米』のことを「ぼた」と言っていたようで、あまり良い意味では使われていなかったのがその理由と考えられます。でも、これはあくまでも都人の話。

現代でも「ぼたっとした、ぼてっとした」など丸くて締まりのない様を表したりします。また、石炭や亜炭の採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積場のことを「ボタ山」と言ったりもします。


 お米を育てるものにとってお米は貴重なものです。粗悪米や水に濡れたお米は保存するには向いていません。けれども農民にとっては貴重なお米であり無駄になんてできません。この季節はちょうど稲刈りの季節でもあり、田んぼには稲を干した風景が見られたでしょう。稲刈り後は取りこぼした稲もあったかもしれません。それを集めてまたは昨年のくず米などとも合わせたりして、貴重なお米で「ぼたのもち」をつくったのでしょう。

  また邪を払うといわれている赤い小豆は生きるための大切な栄養源であり、また古代から日本人が栽培し食べてきた大切な食べ物の一つでもあります。その「ぼた」と収穫した初物の「あずき」でつくった「ぼたもち」は生きるために大切な食べ物を指す言葉であり、先祖に供えて感謝するに値する食べ物であるからこそ、今でもお彼岸にお供えをしてその感謝の心を受け継いでいるのですね。


この連休は、ご先祖さまに思いを馳せつつ、子供たちと手作りのお萩を作ってみるのも楽しそうですねヽ(゜▽、゜)ノ



 
黒米
 

 

 黒米(くろまい・くろごめ)


 

 

 いつの頃から今のぼた餅の形になったのかしら?
ぼたもちの原型は?
お米の原種は黒くてもちもちしていましたから、お赤飯のような感じ?
それとも豆もちみたいなのかしら?



日本の食文化は奥が深くて楽しいなあ(*´∇`*)



(2014年9月に掲載した記事に追加修正しました)

 
 


最後まで読んで下さりありがとうございますきのこ
 

 

Kyokoヒヨコ

 

 

 

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