糸魚川ヒスイ紀行 ~翡翠色を求めて~ | 明治大学 植物保護研究部のブログ

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明治大学理科部連合会に所属する「植物保護研究部」
通称『植保』のブログです。
植物をはじめとした生物全般および鉱物に関する記事を書いています。

2014年2月20日追記アリ
2015年10月4日追記アリ

鉱物マニアの憧れの地。

それは「新潟県糸魚川(いといがわ)市」

なぜマニアは糸魚川を目指すのか。

そこに「翡翠(ヒスイ)」があるからだ。


という訳で、行ってきました糸魚川!!
糸魚川は世界有数のヒスイ産地として知られています。

翡翠はヒスイ輝石(NaAlSi2O6)というありふれた元素から成る鉱物ですが、
ヒスイ輝石は特殊な条件でのみ生成されるため、世界的にも産地が限られているそうです。

そのような珍しい石であるのに、糸魚川では海岸や河川でもヒスイ原石が見られるので、
観光に訪れたような一般人でも気軽?にヒスイ拾いを楽しむことができるのです!

これは行くしかない!!
という訳で(ry

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東京(新宿)から糸魚川まで電車で向かうのは苦痛です。

ぱっと乗換検索してみると、乗換6回、8時間、5570円……
この時点で電車という選択肢は消えました。

となると、高速バスしかない!
当日予約、当日コンビニ支払いが出来たので、西武バスの上越線をチョイス!
往復料金で9450円。うむ。

夜23:10発
の深夜バスに乗っていざ出発!

深夜東京発~早朝糸魚川着~1泊~深夜直江津発~早朝帰宅 
のなんちゃって1泊4日の日程でGO!

※2015年春には北陸新幹線が開業するため、糸魚川までのアクセスは大幅に改善されると思います。

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明朝5:38 


直江津(イトーヨーカドー前)に到着。
JR直江津駅からは徒歩10分くらいの場所です。
東京行きのバス停も同じ場所でした。

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「JR直江津駅」

直江津駅から糸魚川駅までは、北陸本線で約40分。

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江津駅は、情緒あふれる駅で、いかにもテツ(鉄道ファンの略称)好みしそうな感じ!

テツでなくても、思わず写真を撮りたくなってしまうこと請け合いです。

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475系の青色車両。なんだかレトロな出でたち。
コスト削減のため、数年前に単色化されたらしいのです。

この電車に乗って糸魚川に向かいます。

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「ビジネスホテル トーワ」


今回お世話になったビジネスホテルです。
糸魚川駅から徒歩1分ほどの場所にあります。

旅館も良かったのですが、夜にも採集する予定だったので、
門限のないビジネスホテルを選択。

洋室1泊4300円(素泊まり)でした。和室の2人部屋もあるようです。

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お部屋はこんな感じです。
テレビ、エアコン、3点ユニットバスなどしっかりあって快適でした。

ホテルの方々はアットホームな感じで、翡翠拾いのアドバイスをいただけるなど有難かったです。
この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。


※駅から若干歩きますが、姫川の近くに満喫もあります。→インターネット&コミックカフェ・Fu(ふぅ)
こちらはナイトパック12時間で2500円。
空調が省エネ設定なので、冬場に行くと寝るときに少々肌寒いかも知れませんが、旅費を抑えたいならお勧めです。

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翡翠拾いのポイントの1つである「姫川」までは、糸魚川駅から徒歩30分ほど。

道中にセブンイレブンがあるので、そちらで昼食を購入。

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姫川は、古事記の登場人物である「奴奈川姫(ぬなかわひめ)」が名前の由来とされています。
「奴奈川姫」がヒスイの首飾りをつけていたという伝承から、
早稲田大学の校歌の作詞で知られる相馬御風(そうま ぎょふう)が地元産であることを推測し、
糸魚川でのヒスイ発見につながりました。

一級河川の水質ランキングで4回も日本一に輝いたことがある河川でもあります。

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姫川は、ヒスイを産出する流域を上流に含むため、長い時間をかけてヒスイが流れ着いています。

ヒスイ拾いポイントの一つとされていますが、歩きづらい上、工事中の場所も多く、
初心者向けではないように思えました。
中洲を行き来するには、水深が深いため、長靴では無理がありました。

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石の町らしく、川原には岩石の展示説明が続いていました。

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川原の石ころは大きめです。
石の上を歩くときは、足をくじかないように注意してください。

姫川の河口からは「須沢海岸」に行くことが出来ます。
翡翠が拾える海岸の1つですが、自分以外に翡翠を探している人はいませんでした。
あまりメジャーな場所ではないようです。

通称「ヒスイ海岸」と呼ばれる「糸魚川海岸」が駅から見て、
姫川の反対方向にあるので、こちらは人気が無いのかな?
糸魚川海岸は駅から徒歩20分ほど。

自分は須沢海岸を糸魚川海岸と勘違いしてしまい、
肝心のヒスイ海岸には行きそびれてしまいました(泣)

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姫川の上流方向にある「フォッサマグナミュージアム」に向かいました。
美山公園の中には、フォッサマグナミュージアムをはじめとした様々な施設があります。

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美山公園は小高い場所にあるので、坂を上ることが難しい方は、バスを利用することをお勧めします。

駅からフォッサマグナミュージアムまで行くことが出来る、休日祝日限定の街めぐりバスがあります。

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こちらのお洒落な建物がフォッサマグナミュージアム。

総工費17億円、収蔵標本4億円というかなり気合の入った博物館です。

実際、標本を見てみるとクオリティーの高いものが多く、マニア納得の出来栄えとなっています。

入館料は一般500円ですが、地域の博物館共通券として
長者ヶ原考古館と青海自然史博物館との割安セット入館券も販売しているので、そちらもオススメです。

特に長者ヶ原考古館はフォッサマグナミュージアムと隣接しているので、セット券を買うといいでしょう。
両方に行くことで、地学的な面と歴史的な面で糸魚川という地を学ぶことが出来ます。

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フォッサマグナミュージアムでは石の鑑定も「無料」で行っています。
※鑑定を依頼出来る数は10個まで?

ヒスイの鑑定は初心者では難しいので、気になった石があればお願いするといいと思います。

写真のように、学芸員の方が不在ということもあるので、鑑定目的で訪れようとする場合には、一度連絡してみた方がいいですね。

地元の方も鑑定にいらっしゃるようで、休日には鑑定待ちの列(とは言っても3~4組程度)が出来ていたり。
中にはヒスイ拾いが高じて、『ミャンマー』まで遠征したというご一家もΣ(゚д゚;)
ヒスイは魔性の石なのですキラキラ

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ミュージアムの隣には、「化石の谷」という発掘体験コーナーがあります。

安全ゴーグルやハンマーの貸し出しも合わせて、2時間300円で化石堀り体験が出来ます。
ここにある岩は、黒姫山や明星山の岩を持ってきたもので、
古生代石炭紀~ペルム紀(約3億3千万年前~2億6千万年前)のサンゴ礁由来の様々な化石を見つけることが出来ます。

しかも持ち帰り自由!!

※冬期間(12月?~翌3月)は、化石の谷の発掘体験は利用できないみたいです…。
この期間は積雪の状況にも左右されるようですね。

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大きな岩がごろごろ転がっています。
小さなお子様には危ないかも。

一応、小学生以上の年齢で体験可能なのですが、小中高校生は保護者同伴が必須になっています。

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岩の表面には様々な化石が見られました。
ウミユリが多い印象です。

しかし、この岩が硬い!!
目に付くような化石群は、割りようが無いために残っていると考えた方がいいでしょう。
まず割れてくれません。
岩についているものは諦めて、以前の体験者が割った岩片を探して、
それらをさらに割ることで化石を探しましょう。

本格的に掘り出そうとしたところで、大雨に見舞われ、体験開始から30分も経たないうちに発掘を断念orz
三葉虫が欲しかった……

ここでは日本最古のサメの化石が見つかるなど、
珍しい化石も見つかっているので夢がありますね。

ヒスイ拾いと合わせて楽しめる場所であると思います。



※ファッサマグナミュージアムが平成27年3月9日に展示内容を全面的にリニューアルオープン!!


私もびっくりするほど素晴らしい展示内容になっていました!!
(もちろんリニューアル以前も素晴らしかった)

お盆休みに訪問したのですが、家族連れでにぎわっていましたね。

ちなみに化石の谷もリニューアルされていまして、子供でも簡単に割れる石になっていました。
私が発掘体験した日にもお子さんが三葉虫化石を発見していたようです。

かなーーーーり珍しいらしいので、三葉虫を狙って取るのは無理とのことですが。
ロマンですねぇ。


※リニューアル後は、二枚貝、巻貝、ウミユリ、サンゴ、コケムシの化石がよく見つかりました。


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「長者ヶ原考古館」も小さいながら面白い展示館でした。

特にヒスイのペンダント「ヒスイ大珠(たいしゅ)」の作り方の解説は必見!
ダイアモンドをも上回る堅牢さを誇る翡翠を、縄文人がどのように加工していたのか。
ヒスイのハンマーって……

数々の展示には惹かれるものがありました。

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糸魚川初日は、「小滝ヒスイ峡」にも訪れてみました。
大糸線「小滝駅」から徒歩で1時間ほど(約4km)の場所にあり、
道中はゆったりとした上り坂が続いています。

「小滝駅」から国道148号を下り、2つ目の左に曲がる道を行けば間違いないです。
1つ目の道を左に行くと、遠回りになります←

曲がる場所にはヒスイ峡の看板があるので、確認しましょう。
※ここから下に8番目の写真参照

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ヒスイ峡までの道のりには看板があるので、迷うことはあまり無いでしょう。
ほとんど一本道です。

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しばらく進むと、「明星山(みょうじょうざん)」がはっきりと見えてきます。
標高1188.5m。全山が石灰から出来ている岩肌むき出しの山。
紅葉と白い岩肌のコントラストが美しいです。

正直、ヒスイ峡よりもこちらの方が感動しました(笑)

明星山の南東側に小滝ヒスイ峡があります。

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『“車の中から見え、すぐ登ることが出来る”事からロッククライマーの格好のフィールドとなっている』

500mの断崖絶壁です。
え?これ登るんですか?

すっかり暗くなった帰り道に、ヘッドライトをつけて登っている人を見ました…・…。
ロッククライマー恐るべし。

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道中に展望台があり、ヒスイ峡を上から眺めることができます。
また、ヒスイのアクセサリーなどを売っている店もありますが、
食事は取れないので、徒歩で行く場合には軽食を持っていくといいでしょう。

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ヒスイ峡に降りる道はもう少し先です。

ここからさらに先に4.7km進むと、ラーメンの名店があるそうですが、行く時間も気力もなし。
※実は3回迷っています。皆さんは近道などしようとしないで、真っ直ぐ向かってくださいね。

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「小滝ヒスイ峡」


昭和31年に国の天然記念物に指定されたヒスイ峡です。
ここでは、自然な状態の大きなヒスイ原石を見ることが出来ます。

※天然記念物に指定されている区域では、ヒスイを含むすべての鉱石の持ち出しが法律で禁止されています。ダメ、絶対。

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ヒスイ原石の位置が地図で示されています。
素人にはどれがヒスイか分からないでしょうからね。

白いヒスイ原石ばかりなため、実際に見てもピンと来なかったりもします(笑)

なぜ白いものばかりなのかというと、ヒスイ峡が天然記念物に指定される直前に、
分かりやすい緑色のヒスイは根こそぎ持っていかれたかららしいのです。
貨幣価値に換算しやすい自然遺産を保護するというのは難しいことですね。

同じく天然記念物に指定された「青海ヒスイ峡」「橋立ヒスイ峡」では経験を生かして、持っていかれる前に回収したようです。
この対応もどうかとは思いますが、盗掘されるよりはマシということでしょう。

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暗くなったので、一度ホテルに帰ることに。
大糸線は終電が9時くらいで、運行間隔も2時間に1本ということがあるので、帰る際はタイミングが重要です。
乗り遅れて、駅で2時間待ちなどは話になりません。

一応、この看板の近くから小滝川と姫川の合流地点付近に下りることができ、運がよければヒスイも見つかるそうです。しかし発車まで時間がなかったのでスルー。

ホテルに帰った後も、須沢海岸で夜のヒスイ拾いにチャレンジしましたが、成果は実らず。
釣り人に「シーバス(スズキのこと)ですか?」と聞かれること数回、違います。

※夜のヒスイ拾いは難しいです。昼間と石の見え方が変わりますし、夜の海は危険です。
控えたほうが無難でしょう。夜の川はもっと危険だと思います。

一番良いのは、朝一番の干潮に合わせて海岸に行くことです。
地元の方は、皆さん5時くらいにはすでに海岸を歩かれています(爆)


糸魚川2日目

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2日目は思い切って、ヒスイ海岸として知られる海岸を巡ってみました!

まずは「親不知(おやしらず)駅」から徒歩15分ほどの場所にある「親不知海岸」へと向かいます。

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親不知駅は無人駅。
改札はありません。切符をこの箱に入れましょう。

券売機すらない駅もあるので、小銭の用意を忘れずに!

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海岸では大きな亀がお出迎え。
世界一大きなブロンズ製海亀だとか。ってギネス申請しているのでしょうか??

海岸前には「親不知ビアパーク」という道の駅があります。
食事処やお土産コーナーもあり、「翡翠ふるさと館」という場所には「世界一のヒスイ原石(102t)」が展示されています。ちなみにその原石は盗掘対策も兼ねて、青海ヒスイ峡から運ばれたもののようです。

※ミャンマーで1万トンを超えるヒスイ原石が見つかったため、現在は世界一ではありません。

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ここが親不知海岸。
前長250mほどの海岸です。

ここでは初めてヒスイハンターと出会いました。
同じく初心者のハンターとも出会い、「どれがヒスイか分かりませんよね~」などという会話を楽しみつつ、
拾ったヒスイっぽい石を見せつけ合っていました(笑)

合わせて5名のハンターと競争しつつ、ヒスイ拾いを楽しみました。

※海岸でのヒスイ拾いは、波打ち際で白っぽい石を探します。
ヒスイは重い石であるので、波が引いても残されるのです。また、純粋なヒスイ輝石は白色であるため、天然のヒスイは白地のものが多く、白い石を探すのが効率的だからです。

緑色のヒスイは二価鉄を含み、紫色のものはラベンダー翡翠と呼ばれチタンを含みます。
糸魚川では、他にも青色、黒色の発色を持つヒスイが見つかっています。

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親不知海岸で拾える石はバリエーションに富んでいるらしく、メノウや軟玉(ネフライト)も拾うことが出来ました。

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「メノウ(agate)」


石英、オパール、玉髄などが層状となったもの。

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「軟玉(nephrite)」

かつては翡翠と同様に扱われてきた鉱物であるのですが、
翡翠の化学組成がヒスイ輝石であるのに対して、こちらは透閃石-緑閃石系角閃石というまったくの別物であることが分かり、区別されるようになりました。
翡翠が硬玉と呼ばれるのに対して、わずかに硬度が低いことから軟玉と呼ばれています。

初心者がヒスイと間違えやすいヒスイモドキの一つ。
ヒスイモドキには他にも「キツネ石」、キツネ石の一種の「ロディン石」などがあります。
これらとは質感で区別できるので、本物のヒスイ原石を事前に用意して持っていくといいと思います。

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次は「越中宮崎駅」の前にある「宮崎海岸」

ここはヒスイ拾いの名所として、おそらく最も人が訪れる場所です。
駅から降りると、すぐにヒスイ加工販売のお店があったり、ヒスイのオーラをぷんぷんと感じます。

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広大に広がる海岸は全長4km!

その全てでヒスイを拾える可能性があります。
最近?も海岸のトイレの横で大きなヒスイ原石が見つかったり、工事で3000万円相当のヒスイ原石が発掘されたりと、ヒスイにまつわる話題の尽きない場所です。
※現地のヒスイハンターのオジサン談

ヒスイハンターや釣り人も多く、見渡せる範囲で20名ほどが歩いていました。

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河口から遠いということもあり、丸みを帯びた石が多いように感じました。

逆に翡翠は硬いので、角が残っているものが多いのです。
こういった丸い石が多い海岸ではヒスイが見つかりやすいのかもしれません。

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越中宮崎で見つかったヒスイを紹介。
15mmほどの小さなものですが宝石質のヒスイで美しいです。

越中宮崎では、このように小さなヒスイが多いと言われています。

※実はまともにお見せできるヒスイはこれしか拾えませんでした。
簡単に拾えると思っていたら大間違いで、現地のハンターでも3時間探し続けて、1つ拾えたら運がいいという感じらしいです。見分けが出来ない初心者にはさらに厳しい遊びです。
確実に拾いたい場合、宿泊を含む日程で望んだ方がいいでしょう。
それに今年は特に不作らしく(海流が変わってヒスイが流れ着かなくなったとか)、ハンターの皆さんも苦戦していました。
そういった情報も大切ですね。

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次は「市振駅」から徒歩15分、「市振海岸」です。

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ここの海岸は、ヒスイ海岸の中でも知る人ぞ知る名所らしいです。
なるほどヒスイの案内板があったり、ヒスイが採れていることが分かります。

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他のヒスイ海岸とは異なる雰囲気です。

大きめな石が波打ち際に多く、実際に大きなヒスイ原石が見つかることもあるようです。

初老のヒスイハンター1名と出会いました。

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大きな石が目立つ印象です。

市振海岸は西、東の2つに分かれているようですが、駅に近い西側にしかいませんでした。
電車が大体1時間に1本なので、駅から離れた海岸に行くときは、移動時間も含めてスケジュールをしっかり組まないと予定が狂ってしまいます。

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最後に訪れたヒスイ海岸は「青海駅」前、
徒歩2分の距離にある「青海海岸」です。

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日が暮れ、ヒスイ探しは難しくなってしまいましたが、
青海海岸は地元のハンターによると、一番拾える可能性の高いヒスイ海岸らしいので必死に歩きます。
青海川と姫川というヒスイを産出する川に挟まれた場所であるからでしょうか。

川で採りたいなら青海川の下流がベストだとか。

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石は親知らず海岸と同じく、バリエーションに富む印象です。

波打ち際にやや傾斜があり、ヒスイを探しにくい場所があります。

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駅から海岸に出て、糸魚川方向に徒歩20分ほどで「ラベンダービーチ」という場所に出ます。
この名前は、かつて「ラベンダーヒスイ」が多く採れたことに由来しています。

残念ながら、集中力が切れ、何も拾わずに帰路に着きました。

東京行きのバスが22:30発なので、21:11直江津着の電車に乗らないと間に合いません。
乗り遅れないようにびくびくしながら採集していました。

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再び直江津駅

夜はまた印象が変わりますね。
周りが暗いので、照明の多い直江津駅は浮き上がるようで綺麗です。

出発時刻より、かなり早めにバス停に到着。

周囲に手ごろなファミレスはありませんでしたが、セブンイレブンとほっともっとがあったので、弁当と夜食を買ってバスを待ちました。


翌04:55新宿着

これにて糸魚川ヒスイ拾いの旅は終わりです。

ヒスイをたんまりと持ち帰り、という訳にはいきませんでしたが、
憧れの地で、実際にヒスイを拾えたという経験は、鉱物マニアとして一歩成長できるものであったと思います。

この記事を、これからヒスイ拾いをしようとする同士の皆様の参考にしていただければ嬉しいです。
そして、貴方のヒスイ拾いの旅が成功することを祈っています(o^-')b


2014年2月20日 追記


今さらですが、この旅で拾ったヒスイらしき石たちも紹介します。



ミネラルフェアを巡り、ヒスイを見分ける能力を高めた結果、宮崎海岸で拾ったものの他にもヒスイがあることが分かりました。

写真の右2つはおそらくヒスイです。※鑑定していただいたところヒスイでは無いとのこと。
中央下と左側はロディン石。
一番上のはよくわかりません。
※一番上はわずかにヒスイが含まれているかもという疑惑の判定をいただきました。


やはり見分けるコツは重さや滑らかさを覚えることだと思います。
写真右2つの石のように、細かい亀裂(クラック)が入っていることも多いみたいです。
また、純度の高いヒスイは光を通しますが、純度の低いものは光を通さないということも分かりました。

※今思うと、もうひとつヒスイらしき石があったのですが、新潟から帰ったばかりのころ、友人に持っていかれてしまいましたorz
やつめ、見る目があるなぁ(苦笑)



こちらはミネラルフェアで購入したヒスイ(糸魚川産)たちです。
ミネラルフェアの一番安いお店で買ったところ、4個で800円ほどでした。
かなり安い気がしますチョキ
※コメントでもご指摘のあったように、全部が本物のヒスイではないようです。

こういった石を買っておくと、ヒスイの質感や重さを覚えるのにちょうど良いですよ。
とにかくヒスイはバリエーションが豊富なので、比較対象としてのサンプルがあると便利です。

また、お店の人とお話したところ、糸魚川の情報もいろいろと聞くことが出来ました。
ヒスイ拾い熟練者の方々とのお話は参考になりますね!

これからヒスイ拾いを考えている方がいましたら、ぜひミネラルフェアに行ってみましょう!!
せっかくの挑戦が無駄にならないよう、万全を尽くしてから糸魚川にGO!ですよ~



最後にちょっとしたアドバイスを。
ウェーダーはなかなか便利です。テトラポッドの裏側など、長靴装備の人が近寄れない場所もチェックできます。
いっそ夏でしたら水着で探すのもアリかも?

シュノーケリングでヒスイを探すことはお勧めしません。
波打ち際では波に揉まれてまともに探すことが出来ませんし、
少し深いところだと、石が藻に包まれていて、ヒスイを見つけることが困難になります。

長い棒に、湯きりが出来る網オタマを取り付けると、水深がある場所でも腕や上半身を濡らすことなく石を掬うことができます。また、腰への負担を減らせるので、長時間の採集にも向いています。
さぁ、一緒に頑張りましょう!ヾ(@°▽°@)ノ



続編できました
『続 糸魚川ヒスイ紀行 ~翡翠色を求めて~』