京阪電気鉄道・京津線は御陵~浜大津間の路線で、京都市営地下鉄東西線
に乗り入れ、京都市中心部地域
まで結ぶ路線です。
この線は3つの顔を持つ路線と呼ばれています。
そ・れ・が、「地下鉄」・「登山電車
」・「路面電車
」なんです
【約20分の電車の旅でこんなに楽しめるとは。。。
】
17mの車両・4両編成の800系が、地下鉄・太秦天神川駅
を出発して、滋賀県
に入ると車窓が変わります
かつては、三条京阪駅(京津三条駅)から併用軌道
で三条通を通っていたのが、学生時代
に見たことがあります・・・
【滋賀県最初の駅・追分駅(東海道と大津街道の分岐点)の次が大谷駅】
車内からホームを見ると、なんかベンチが斜めになっているような・・・
実は、ホームが坂の途中にあるため、ベンチの脚が左右で違うんです
30パーミルの勾配上にあり、日本第二位の急傾斜の駅となっています。
【大谷~上栄町の区間が京阪京津線内で一番の急勾配の難所】
登山電車並みの61パーミルの急勾配を越えて、90℃カーブ
を経て上栄町駅に到着します。
この途中にあるのが関蝉丸神社
神社
に行くのに参道踏切
を渡ります。これも珍しいですねー
【神社の祖神が蝉丸と言われ、音曲芸道の神社と言われています
】
蝉丸といえば、百人一首の句「これやこの 行くも帰るも分かれつつ 知るも知らぬも 逢坂の関」でおなじみですね。
【さらに京都方面(上り)に歩いて行くとこんな光景が
】
煉瓦造の擁壁
とトンネル
が見えてきます。
★左画像〓京津線が東海道本線(新線)を跨ぐ蝉丸跨線橋(大正10年築)で、近代土木遺産に指定されています。
★右画像〓旧東海道本線(現 奈良線稲荷駅経由
)の煉瓦造の橋台擁護壁跡
です。複線仕様になっています。
この京津線が通る上関寺踏切は国道161号線になります。
【そ・れ・が、鉄道記念物・旧逢坂山ずい道東口です】
日本人技術者によって建設された初めての鉄道山岳トンネルで、現存する最古のものとなります
明治11年に着工し、13年に竣工しました
明治31年に上り線トンネル(画像右側
)を新設し複線化されましたが、輸送量の増大
や線路変更等で、 複線化からわずか23年で廃止される事に・・・。
【国道161号から少し上がったところにトンネルがあります
】
2005年に土木遺産に 平成20年に近代化産業遺産に認定されました。
このトンネルから、先ほどの上関寺踏切にある煉瓦造の橋台擁護壁跡まで、線路
が結んでいました。
【下り線トンネルは約10mほど中に入ることができます】
入り口上部にある「扁額」に刻まれた碑文は「楽成頼功」とあり、三條実美の揮毫によるものなんです
落成ではなく楽成となっているのは落盤に通じる「落」の文字を避けたからだと言われています
最後は廃線跡散策となりましたが、3つの顔を持つ京阪京津線
はまだまだ続きますーーー