木之下義昭専務理事の後に講演した今重真人前全職協副会長(三次広域商工会)は、
5月の全職協の役員改選に伴い、福利厚生の充実に重点が置かれていた全職協の基本方針が、
政策と主張を打ち出すことを優先する方向へと方針を転換したと紹介。
「我々の現場で得た知恵や経験こそがいちばんの小規模事業施策となり得るもの」として、
商工団体の見直しに関する主張などに対しては、
“モノ言う全職協”として政策提言を行っていくことになったことを最初に報告。
最初に全職協の方向性が転換したことを報告
次に、今年度から始まった「地域力連携拠点事業」を取り上げて、
商工会が生き残るために必要な事業であると主張。
従来の商工会では実施できなかった“ワンストップ・コンサルティング”が可能になったことを受けて、
今後の商工会の存在意義を示すチャンスだと語り、
「補助金があろうかなかろうが胸を張って取り組むべき」と力説。
同時に、実績が数値化されて商工会の評価に影響してくることから、
「全職員が事業参加して実績の向上に努めるべき」と提言しました。
全県を挙げて新事業に取り組むべきだと主張
最後に、会員や地域のニーズに応えるだけでなく、
国や行政の施策に応えていくことが今の商工会に求められているとして、
「すべてを確実に実践して商工会の存在価値を大いに示そう」と呼びかけて講演を締めくくりました。
続いて、鳥取県商工会職員協議会の前田幸広会長が、
「鳥取県の現状と商工会産業支援センター」をテーマに講演。
県内9ブロックの広域協議会を5か所の商工会産業支援センターに再編統合し、
人材の集中配置による多様な経営支援を展開している取り組みを紹介しました。
鳥取県の組織改革の経過と現状などを語った
鳥取県では人材を有効に活用して経営支援機能などの充実を図るため、
平成19年4月から県内5地域に商工会産業支援センターを設置。
これは、“限られた職員数で公平な経営支援を確保する”“経営支援と商工会運営にメリハリをつける”
“今後の財政状況に対処する”ことなど、商工会環境の変化に対応するために取られた措置。
単会での職員配置は極力排除し、センターを軸に職員を配置。
経営支援専門員である旧経営指導員は、
地域割りを超えたチームによって経営支援に重点を置いた活動を行い、
単会では経営支援員が日常的な経営改善などの支援、経営支援専門員の業務補佐するのがその内容。
支援センターの設置状況について詳しく報告
支援センターの設置により、
“経営支援と組織運営にメリハリをつけることができる”
“人材を集中化させることで多様な経営支援ができる”
“組織機能・権限・責任体制を明確にできる”
“職員間の競争意識が高まり、レベルアップが図れる”
“地域ビジョン実現のために、広域的なまちづくりの推進が可能になる”
などのメリットがあることを、前田会長は詳しく説明しました。
その後、各協議会の支援情報共有化や職員の経営支援スキルアップ、
チーム支援力向上を目的に開かれている「経営支援発表大会」の事例紹介があり、
今年度優勝者で鳥取県中部商工会産業支援センターの小椋勇人経営支援専門員が、
牛乳販売店への経営支援を行なった最新事例を発表して講演のまとめとしました。
今年度優勝者が自らの企業支援事例を紹介
セミナーの最後に、全国連組織運営課の松井俊輔氏が
「全国商工会職員協議会を取り巻く環境について」をテーマに講演。
全職協の政策プロジェクト委員会がまとめた「将来のあるべき中小企業支援団体」の概要を説明しました。
商工会が持続発展することを目的に講演した
松井氏は多様化する小規模事業者のニーズに対応し、商工会が評価実績を挙げるためには、
巡回訪問指導に重点を置くことが必要であると解説。
「小規模事業者が期待する、直接営業成績に結びつく経営支援を商工会の組織目標にすること」と述べ、
「そのためには経営指導員各人の能力や特製を生かした適正配置による支援が重要」と指摘しました。
小規模事業者の活性化が重要課題と述べた
さらに、地域の小規模事業者の経営支援体制を強化すると同時に、
地域社会に密接に結びついた農業や漁業、林業などの経営支援も合わせて行える団体になること、
国や県、市町村の三層間の制度をうまく活用できる団体でになることなどが必要になるとも付け加えて、
組織の自己改革を促しました。
●お問い合わせ/広島県商工会連合会 TEL(082)247-0221
「平成20年度商工会職員パワーアップセミナー」については、
広島県商工会連合会公式ホームページ
で詳しく紹介しています。
会場でブログ用の写真を撮る暁のジョガーさん