オンライン日本映画祭作品、できるだけみようとしています。
でも時間がなくて、本命より短めの作品を選んでいる、、。
先日は1966年の「ジャングル大帝」(75分)を見ようとしたけれど、オープニングの音楽を聴いていたらすぐに寝てしまった
このフルオーケストラの曲はなんだか聞き覚えがあったけれど、テレビアニメ版でも使われたそうですね〜。
「鉄腕アトム」より前の作品だったそうな。
また元気な時に、再チャレンジしようか、、無理かなぁ。
今日はそのあとにみた「マイ・ブロークン・マリコ」の感想です。
「マイ・ブロークン・マリコ」(2022)
平庫ワカの同名コミックを、永野芽郁の主演、「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督のメガホンで映画化。鬱屈した日々を送っていた会社員・シイノトモヨは、親友のイカガワマリコが亡くなったことをテレビのニュースで知る。マリコは幼い頃から、実の父親にひどい虐待を受けていた。そんなマリコの魂を救うため、シイノはマリコの父親のもとから遺骨を奪うことを決意。マリコの父親と再婚相手が暮らす家を訪れ、遺骨を強奪し逃亡する。マリコの遺骨を抱き、マリコとの思い出を胸に旅に出るシイノだったが……。亡き親友マリコを奈緒、シイノが旅先で出会うマキオを窪田正孝、マリコの父を尾美としのり、その再婚相手を吉田羊が演じる。(引用元)
感想 (ネタバレ)
上映時間が85分で、このくらいなら寝る前にみられるかな、と選んだ作品。
なので予告すらみず、前情報なしだったのですが、これも漫画原作だったのですね。
日本ってすごいな。漫画原作の良質の映画がたくさんある。
この前にみた「メタモルフォーゼの縁側」も良かったしね。
若い女性同士の友情の話かな、と思ってつけたら、そんな甘いもんじゃなかった。
幼い頃から実父の虐待をうけて、壊れてしまったマリコ。
そういう日常を過ごしてきたら、大人になってつきあう男性も同じように非道で暴力的な人を選んでしまうのか。
これは、さよならもなしに、テレビのニュースで唯一無二の友達の飛び降り自殺を知った、シイノのストーリー。
シイノ役の永野芽郁さん、はじめてみたのですが、とてもよかったです。
他の方のレビューを読むと、このようなやさぐれたようなキャラクターは珍しいらしいけれど、いやいや、彼女の存在感、素晴らしかったです。
遺骨をもって、マリコが行きたいといった海に向かい、遺骨とともに死のうとするのだけど、その道中で回想されるマリコとのこと。
昭和の一億総中流時代を知っている私には、こんな日本の社会が悲しい。
シイノの家庭についてはあまり語られないけれど、彼女だって一人だった。
いや、彼女こそ、マリコを求めていたのかも。
マキオ(窪田正孝)の存在に助けられたけど、彼だって数ヶ月前に死に場所を求めてこの場所にきたという過去があり。
最後のマリコの手紙を読むシーンがよかったな。
中身はわからないけれど、くすくす笑っていたから、きっと遺書とかではなくて、いつもと同じような調子のお手紙だったのでしょう。
救われるエンディング。
意外な拾い物をしました。ハードボイルドで、とても良い作品でした。四つ星です。
ちなみに、マリコ役の奈緒さんは、どこかでみたと思ったら、映画「みをつくし料理帖」で、主人公澪の親友の吉原の花魁役だった。
この時はあまりピンとこなかったけれど、今作の情緒不安定でアンバランスなニュアンスをみて、あぁ、これがこの役者さんの個性なのかな、と思いました。
窪田正孝さんはニット帽と髭ではっきり顔がわからなくて、ちょっと小栗旬さんみたいにもみえました。
彼はこの映画のキイパーソンで、本当にいてくれてよかった〜と思う役。
初見かと思ったら、「るろうに剣心」であのめった切りにされた巴の婚約者さんだったのですね。
今回の映画祭のおかげで、知らなかった日本の映画や俳優さんにたくさん出会えています。