引き続き、オンライン日本映画祭作品、鑑賞中!
二作目にみたのはこちら。
「騙し絵の牙」(2021)
「罪の声」などで知られる作家の塩田武士が大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を、大泉の主演で映画化。
出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。「紙の月」「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督がメガホンをとり、松岡茉優、佐藤浩市ら実力派キャストが共演する。
出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが……。映画.com
感想
はじめに言っちゃうと、星二つ半です。すみません。
これまで大泉洋さんの映画と相性が悪く、たくさんの映画祭作品の中で、本作をみるプライオリティはわたし的にはとても低かったのですが、「トレイラーをみたら良さそうだったから、これにしよう」と提案され、まぁいいか、と鑑賞。
だって、大泉さんの2020年大晦日の紅白歌合戦の白組司会はとてもよかったので。
あの時、母を亡くしてまだひと月で、メソメソしながら、実家で一人寂しく迎えた大晦日だったから、コロナ禍で無観客生放送という異例の事態なのに、司会で盛り上げてくれたのが嬉しかった。
そんな精神状態だったから、内容はあまり覚えていないんですが、家族で見た思い出のある紅白歌合戦だから、これもなかったらキツかったと思う。
だから大泉さん(の映画)への苦手意識はもう払拭されたと思っていたのですが、やっぱりダメでした〜。
大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説、というのだから、大泉さんの特性を生かした作品なのだろうと思ったら、映画化の際、監督が原作をいったんバラバラに解体し、映画用に作り直したそうです。
宣伝にある「全員ウソをついている!」というのはまったくウソで、全員なんてウソついてない。
予告の「曲者だらけ、騙し合いバトルの幕があがる」「騙された率、97%」「衝撃の結末を見届けよ」「ラスト15分」って何それ?
本読んでないですけど、あ〜、きっと本と映画では結末が違ったのですね。
それが一番の騙された要素。
いい人の大泉さんが、嫌な人になっちゃったってことか。
その言い方がダメなら、してやられた人?騙された人?
予告で大泉さんが紙コップを地面に投げつけるシーンがありますが、それがまぁ、クライマックスといいますか。
でもそれにしてはあっさり。
「ラスト15分」が一番つまんなくて、はぁ?ってなった。
大泉さん(役名は速水さん)をしてやった人物ですが、それも持続可能性はまるでない、一過性の成功で、腑に落ちないなぁ。
それに「牙」が、K.IBAっていうオチも、たいして面白くもない。
出版業界の課題や今後のあり方を描いているのは興味深い視点なので、なんとももったいないです。
きっと小説は良いのでしょう。
そうなると問題は大泉さんではなく、監督と脚本にある?
映画祭期間中にできるだけ映画をみたい〜、と志している私には、悔しいハズレ方だったので、評価きびしめか。
それこそ、騙された!?