3時間26分の作品。
それだけの時間をテレビの前に座っていていいものか、とぐずぐずしていたけれど、これはいいも悪いも、見れる時に見るしかない、と決心して、とうとう昨日(日曜日)、AppleTV+の配信で鑑賞。
映画館ではないから、途中で中断して、また後日みる、ということもできるし、という安心感はありましたが、なんのなんの、面白くて、ずっとひきつけられてみちゃいました。
予想をはるかに超えていた〜。
キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(2023)
あらすじ・ストーリー 20世紀初頭のアメリカ。先住民のオセージ族は石油を発見し、莫大な富を手に入れる。列車で彼らの土地にやってきた白人たちは、富を奪おうとオセージ族を巧妙に操り、殺人に手を染める。オセージ族のリリーと愛を育んでいたアーネストの家に捜査官が訪れ……
解説 実話を基にしたデイヴィッド・グランの小説『花殺し月の殺人…』を映画化したサスペンス。20世紀初頭のアメリカを舞台に、石油を発掘したオセージ族と、彼らの富に目をつけた白人たちを描く。監督はマーティン・スコセッシ。主演はレオナルド・ディカプリオ。共演はロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンら。(引用先)
感想 (ネタバレあり)
「クライム/西部劇」というジャンルの映画はあまり選ばないけれど、数々の映画賞にノミネートや受賞をしているので気になって鑑賞。
原作があるのは知っていたけれど、実際に起きた事件がベースになっていることは鑑賞後に知って、驚きました。
原作は創作ではなくて、調査に基づいたノンフィクションだったんですね。
ネイティブアメリカンが迫害されたことは知っていても、土地からでた石油で白人よりも裕福になった部族がいたことなど知らなかったし、そのために若い白人男性がネイティブの女性と結婚して、財産目当てに連続殺人が行われていたことなど、寝耳に水でした。
ディカプリオの役はその事件の調査のためにワシントンから派遣された捜査官のはずだったけれど、本人がそのネイティブと結婚した白人男性の役をすることを提案し、事件解決のミステリーではなく、夫婦や心理的葛藤の物語としたところが素晴らしいです。
アカデミー賞主演男優賞にレオさまがノミネートされなかったことが信じられない。
妻を愛しているのに、叔父(デ・ニーロ)に言われるがまま深みにはまっていくディカプリオの心理的葛藤に目がはなせません。
はじめは「ロミオ&ジュリエット」や「タイタニック」の頃のあの初々しい青年は今どこに、、なんてぼんやり思いながらみていたけれど、なんのなんの、レオ様の天才的演技力は本物です。
トム・クルーズ同様、イケメン俳優というのはできて当然的な扱いを受けてしまうものなんでしょうかね、、。
とにかく本作、私はレオ様の演技に魅せられました。
妻役のリリー・グラッドストーンさんも素晴らしかったですね。
静かな表情で多くを語らないのに、内面を表現できる役者さんでまさに適役。
最後が突然ラジオ劇になったのには驚きましたが、それも実際にFBIのフーバー長官が捜査局の宣伝のために作ったという事実をもとにしたものだと知って、納得です。
番組プロデューサー役でスコセッシ監督がでていたのにびっくり。
そしてデ・ニーロさんは、あまりにも悪党の演技が上手いので、本当に嫌いになりそうでした
いや〜、みてよかった。
映画ってみてみないとわからないってこと、ありますね。
四つ星半。(減点は長いからみない人がいてもったいないから。)
おまけ:
原作本「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」の解説がありました。読み応えありそうです。