1月にはいってから、映画館で3本、映画みました。

「君たちはどう生きるか」、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」、そして「フェラーリ」です。

今日は1月8日に鑑賞した「君たちはどう生きるか」のレビューをします。

 

 君たちはどう生きるか(2023)

 

 

宮崎駿監督が2013年公開の「風立ちぬ」以来10年ぶりに世に送り出した長編アニメーション。ベルリン国際映画祭金熊賞、米アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「千と千尋の神隠し」をはじめ、スタジオジブリで数々の名作を世に送り出してきた宮崎監督が、「風立ちぬ」公開後に表明した長編作品からの引退を撤回して手がけた。宮崎監督の記憶に残るかつての日本を舞台に、自らの少年時代を重ねた、自伝的要素を含むファンタジー。

母親を火事で失った少年・眞人(まひと)は父の勝一とともに東京を離れ、「青鷺屋敷」と呼ばれる広大なお屋敷に引っ越してくる。亡き母の妹であり、新たな母親になった夏子に対して複雑な感情を抱き、転校先の学校でも孤立した日々を送る眞人。そんな彼の前にある日、鳥と人間の姿を行き来する不思議な青サギが現れる。その青サギに導かれ、眞人は生と死が渾然一体となった世界に迷い込んでいく。

(引用元)

 

 

 

 

感想 (ネタバレあり)

 

オーストラリアでは日本公開の5ヶ月後の12月6日に上映がはじまりました。

日本では何の前情報もなく公開された映画と聞いていたので、私も内容は何も知らない状態で鑑賞。

すでに終了間近だったので、日本語版の夜の回はなかったけれど、どうしてもはじめは吹き替えではなく日本語音声でみたかったので、いつもはいかない午前10時40分の回でみました。

 

オーストラリアでのクラシフィケーションはPG(15歳未満は保護者との鑑賞を推奨)ですが、朝だったせいかアニメだからか、はじめにお子様向きCGアニメ映画の予告が続きました。

どたばたでどれも同じような顔にみえるCGアニメにうんざりしてきたところで、本編がはじまり、その対極にあるような、ジブリ映画の作画の美しさにまずは感嘆しました。

これは芸術だ〜と日本人として誇らしい気持ちにハート

 

一度みただけではわかりにくい作品、と聞いていたので、とにかく映像に身を任せるつもりでひとつひとつのシーンを味わいました。

 

戦争中にお母さんを亡くした眞人くんが、お父さんの再婚相手となじめない話、、と思ってみていたら、いきなりファンタジーになって、不思議なキャラクターから謎の世界にいざなわれる、、という意外性が、あっ、これは「トトロ」で小トトロがでてきていきなり半透明になった時に感じたのと一緒!と思ってワクワクしました。

 

画面の半分が海、半分が建物というシーンを見た時も、これって「千と千尋の神隠し」の千尋が住んでいた油屋の従業員の建物のカットとまったく一緒!と思って、ときめきました。

 

あとからこの映画にはそういう過去作品のオマージュにあふれていることを知り、そういえばあの炎の描き方は「ハウル」だった、とか、蛙まみれになるシーンは「ポニョ」のタッチ!とか思い出して、イースターエッグ(隠しネタ)を探してみたい気持ちにもなりました。

 

それから異世界で大叔父と語るシーンは「マトリックス」でネオがアーキテクトと会う場面のようで、うわっ、とうとう哲学的なSFの世界に行ってしまったと思い。

 

お話は、西洋も東洋もごちゃまぜで、悪い人かと思ったら良い人でもあったり、いろいろなお話からいろんな要素を借りてきて、奇想天外に話が進んでいくところは、あぁ、これこそ宮崎駿脚本、監督のストーリー、と懐かしく、嬉しい気持ちになりました。

 

キャラクターの造形もいいですよね〜。

七人の小人のようなお婆さんたち、、木の人形の姿になった時も可愛いし、声優陣がすごかったこともあとで知って、アフレコ場面の映像もいつかみられるといいなぁ。

青サギは菅田将暉くん、ってびっくり。

そして英語版の吹き替えはロバート・パティンソンなので、これは英語吹き替え版もみなくちゃって。

ワラワラも超かわいい〜って思ったら、ただ可愛いだけではなくて、人の魂のような存在で、そこにペリカンとの関係性もあって、哲学的で切ない、、。

 

ジブリ映画って元気な女の子が主役のことが多いけれど、今回は男の子というのもポニョの宗介以来で嬉しいな。もちろん宮崎監督の自伝的作品だからそうなのですが。

そして夏子さんが「紅の豚」のジーナのような美しくニュアンスのある大人の女性であるのもとてもよかった。

 

そうやって一回めはとにかく驚きのストーリーを追うのと、圧倒的な美術の美しさを楽しみ、わぁ、すごかった、よかった〜という気持ちで終わりました。

一緒にみに行ったオーストラリア人は、これはホームマーケット向き作品かな(日本人向けという意味)と言ったので、話がよくわからなかった模様。

英語音声でみたら違ったかも、と思ったけれど、あとから英語のウィキペディアをみたら、海外でははじめはミックスレビューだったけど、その後解説を読んだら評価が最高にまであがったと。

 

それで私もたくさんの解説動画などをみて、深い意味を学びました〜。

宮崎監督の生い立ちを知り、より理解が深まりました。

すごいな〜。もう一度みなくては!

でも私が第一印象でもった、優れた芸術映画であるという気持ちも大切にしたいです♪

 

この映画をみた帰りの車のラジオでちょうどゴールデングローブ賞の結果を聞きました。アニメ映画賞の受賞、おめでとう!

本当に嬉しいです。

 

本作の評価は四つ星半ですが、星評価を超える作品だと思います!

ありがとう、という気持ち拍手