コアラ風邪でまだどよよ〜んとしてますが、夜になると頭がしっかりするので、映画レビューを。朝、投稿します。

 

今回は「アステロイド・シティ」をみたすぐあとに、気になってNETFLIXで鑑賞したウェス・アンダーソン監督の「ファンタスティックMr.FOX」です。

また書くのに時間がたっちゃったなぁ。

 

ファンタスティックMr.Fox (2009)

 

 

ロアルド・ダールの「すばらしき父さん狐」を、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、ストップモーション・アニメで映画化。意地悪で愚かな金持ちの農場主3人の裏をかいて、農場のニワトリやアヒルを失敬する頭のいい父さん狐と、その家族を描く。(映画.com

 

 

 

あまり画質がよくないけれど、日本語字幕がついているのでこの予告編を貼ります。

日本語なしならもっと映像のきれいなのがYouTubeにありますよ♪

 

 

レビュー

 

2週間ほど前に「アステロイド・シティ」を映画館でみて玉砕。

「犬が島」(2018) と「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014) で、それまで苦手だったウェス・アンダーソンの大ファンになったのに、「アステロイド・シティ」のあまりのつまらなさに泣いたショボーン 

英語音声での鑑賞なので、英語字幕つきでみられたら違うのか、、でもそういう映画って再鑑賞してもダメなことが多い、、。

 

そんなあきらめきれない思いから、ずっとネットフリックスのみたい映画リストにチェックしていたけれど、アニメ?子供向き?とためらって優先順位が低かった本作を、お口直しに鑑賞しました。評判がいいと聞いていたので。

 

でも正直いってまた寝てしまった、、。

だけど今回はつまらないからじゃなくて、なんだかほんわりした音楽が心地よくて眠りに誘われたのよ〜。なので寝たところまで巻き戻してもう一度みました。

わわわ、むっちゃ、可愛い! 本当にファンタスティック!

 

そしてその芸術性に敬意を表して、後日、今度は眠くならない時間に、最初からとおしでみました。いやぁ、よかったです。

二度みると新しい気づきがあるし。

アートワークにこだわりがたくさんあるので、一回では見落とします。

いやはや、これはこの年のアカデミーの長編アニメ映画賞をとるべき作品でした!

 

(実際には「カールじいさんの空飛ぶ家」が受賞しました。私はカールじいさんも好きだったけれど、いや、これをみちゃったら、絶対「ファンタスティックMr. Fox」でしょう。玄人向きすぎたか。またはディズニー&ピクサーのブランドパワーか。)

 

ロアルド・ダールの原作とどう違うのかと気になっていたら、YouTubeに本のページをみせながら英語で朗読しているAudio Bookをみつけて、ラッキー!

全部聞くと1時間くらいかかるので途中でやめましたが、原作の持ち味や基本的なストーリーはそのままに、ウェスがかなり物語を肉付けし、膨らませていることがわかりました。う〜ん、さすがだな。

脚本はノア・バームバックと共同で。

ノアはもちろんグレタ・ガーウィグのパートナーで、「バービー」の脚本もグレタと一緒に書いたんだよね。

 
「アステロイド・シティ」もロマン・コッポラとじゃなくて、ノアとだったらもうちょっと違ったものができたのじゃないかとふと思ったりして。(勝手にいってますが。)

 

ウェスの場合、原作がある作品の方がある程度のしばりがあって良いのではないか、、それに実写よりストップモーションアニメが向いているかも?なんて思ってしまいましたよ。役者の顔に左右されないし。

同じストップモーションアニメの「犬が島」もとってもよかったしね。

 

ハイセンスでスタイリッシュ。細かいこだわりにあふれた造形と、独特のストーリーテリングのスタイルは大人の動く絵本みたい。

(例えばクリケットみたいな試合の最中に、後ろのスコアボードの横にちっこいウサギが立っててちょこちょこと動いてたりするのに気づくと嬉しい♪)

 

YouTubeでメイキング・オブ映像をみると、声優がスタジオ録音ではなく、実際に外で演技をしている様子が撮影されていて、おもしろかったです。

ジョージー・クルーニーがMr Foxにぴったり!

スーツを着て紳士然としているのに、食べたり戦ったりする時は野生のキツネそのものという演出もよかったなぁ。

メリル・ストリープは顔がみえない分、本当に慈愛にあふれたフェリシティ(ロアルド・ダールの奥さんの名前)にこれまたぴったり。

 

農場主ビーンの声はマイケル・ガンボンとすぐわかる。

彼の顔の造形はまるでドナルド・サザーランドみたい、とずっと思っていたけれど、実は原作者のロアルド・ダールに似せたんだそうです。

スーツはウェス自身の茶色のコーデュロイスーツから。

息子のアッシュといとこのクリストファソンの造形はむちゃむちゃ可愛い。

可愛すぎでフィギュアが欲しい(今頃!)

そして孤高の狼が素敵!

 

公開から14年もたって今更ですが、これは傑作。

初見では少し長く感じられるかも、ということで四つ星半ですが、良いものをみました。

ウェスさんを好きになっていいのか悪いのか、どっちか決められない(笑)

独自の世界観のある映像作家であることは確かです。

 

 

 

ちっちゃいうさぎが可愛い

 

 

大好きな「ナイト&デイズ」に心が奪われる〜。

うしろでいろいろ動物たちがなにやらやってるし。

本当にチャーミングな映画!みてよかったです。