初のコロナ感染とその後遺症も治り、気になる映画も劇場にかかるようになったので、このところ、週末は映画館での映画鑑賞をしています。

2020年にコロナが流行する以前のような感覚が戻ってきて、嬉しい♪

 

問題は仕事が忙しすぎて鑑賞直後にレビューが書けずに、息抜きの(コレ、大切)オンライン映画/ドラマ鑑賞も加わって、書くのが遅くなってしまうこと。

昨日、劇場鑑賞した「バービー」も、いい意味で予想した内容と違って、なかなか面白かったのですが、まずは忘れないうちに、先週鑑賞の「アステロイドシティ」を書かなくては。

 

というわけでレビューです。(2023年8月12日鑑賞)

 

「アステロイド・シティ」2022

 

 

あらすじ

 

時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。子供たちに母親が亡くなったことを伝えられない父親、マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな映画スターのシングルマザー──それぞれが様々な想いを抱えつつ授賞式は幕を開けるが、祭典の真最中にまさかの宇宙人到来!?この予想もしなかった大事件により人々は大混乱!街は封鎖され、軍は宇宙人の事実を隠蔽しようとし、子供たちは外部へ情報を伝えようと企てる。果たしてアステロイド・シティと、閉じ込められた人々の運命の行方は──!?(Filmarksより引用

 

 

レビュー

 

この予告編の可愛い日本の女の子の声に惑わされてはいけません。

「おかしくて、ちょっと切ない、ウェス・アンダーソン監督最高傑作」、、、嘘です!

このナレーションした人に実際映画を見てほしいくらい(彼女のせいではないけれど)。

可愛い〜なんて思ってデートムービーに選んだら、破局するくらい破壊力強いので要注意です。

 

まわり寝てましたが、寝てる人が羨ましかった。私、起きてたから。

1時間45分の上映時間が永遠に続く拷問のように感じた(誇張してません)。

最後に"You can't wake up, if you don't fall asleep"という歌が流れるのですが、起きてた私は「なめとんのか〜」、寝ててそこで起きた人は「ぴったりすぎて笑える〜」という、こちらが退屈してしまうのも刷り込み済み、の態度に、あ〜、やっぱりウェス・アンダーソンは変わってなかった、と思うのでした。

 

注:ウェス作品は苦手でしたが、「グランド・ブタペスト・ホテル」と「犬ヶ島」で大ファンになった私をあざわらうかのような、見事な作家性(皮肉です)。

 

これだけではレビューにならないので、少し説明すると、上のあらすじに書いてあるストーリーは50年代のトラベルポスターみたいに超素敵な色相パレットで展開されます(これがメインのストーリー)。

でもはじめに、白黒映像でテレビの司会者がこの話が舞台劇であることを伝えます(実写映画ではなくて舞台劇という設定なのがまた混乱を招く)。

さらにメインのストーリーの合間合間に、この話を作っている劇作家や出演者たちの舞台裏の話が白黒映像で展開されます。

 

全三幕の構成になっているのですが、おかげでたいして何も起こっていないのに、はじめの一幕が終わるのが長い長い。

やっと二幕でメインイベントの宇宙人がでてきて、あ〜、面白いかも、という瞬間が訪れるのですが、その興奮も長くは続かず。

 

振り返ってみると、あらすじにある内容ではなく、ランダムに挿入される白黒で撮影された話の方がメインなのかも、という。

 

カラー部分の設定は1955年で過去に隕石が落ちた砂漠の小さい町。遠景には核実験を行っているキノコ雲がみられ、2週間前にみた映画「オッペンハイマー」と同じ時期・場所だというのがわかります。(これは偶然なのでしょうか?)

可愛い色合いやポップなセット、明るい音楽でカモフラージュされているけれど、実はメルヘンな映画ではまったくない、、。

 

セットや撮影は本当に素晴らしいです!

そしてキャストはスターが勢揃い!

なので見方としては、どういう構成の、どんなタイプの映画なのか知ったうえで覚悟して挑むこと。

疲れていたり、夜遅い時間には見ないこと(100%寝る!)

またはオンライン化するまで待って、途中で止めたり早送りしながら見る、というのが良いかと(汗)

あとは何があっても動じない、私はすべてをうけとめる。ウェス・アンダーソンが好きだから、という人向き。

 

評価はいくらプロダクション・デザインや撮影がよくても星二つ半!というのが正直な気持ちですが、英語音声のみでみているので、後日英語字幕つけて、いろいろ承知したうえでみれば、星三つにあがる可能性もあるかも、と(?)。

アンディ・ウォーホールが裸で眠る男性を6時間写した映画がありましたが、本作もアートの部類にはいるのでしょう。

 

おまけ:最近いろいろみかけるAI版のウェス風映像が面白い。これはスター・ウォーズ。