土曜の夜にオーストラリアのネットフリックスでみました。
エロティックドラマです。

 

 

女子大生のルーシー(エミリー・ブラウニング)は、学費を捻出(ねんしゅつ)するためにあらゆるアルバイトを転々としてきた。ある日、彼女は広告で見つけた新しい仕事の面接を受けることになり、クララ(レイチェル・ブレイク)の事務所を訪れる。めでたく合格した彼女は、最初のうちは秘密クラブで下着姿のまま男性たちをもてなすだけだったが……。

シネマトゥデイ 

 

 


いや、でもこの映画が作られた頃って童話の新解釈映画化がはやっていたんですよね。
「赤ずきん」とか「白雪姫」とか「雪の女王」とか「美女と野獣」とか。

それでこれも英語のタイトルには「禁断の悦び」なんて副題は当然ついていないから、普通に「眠れる森の美女」の物語なのかと思っていました。
が、違った。お〜びっくり。

全裸で眠っているうちにやはり全裸のおじいさんたちからいろいろされちゃう美女!

まぁそのくらいは覚悟の上でしたが、そこにいたる前段階にまるで「ソドムの市」のような状況があるので、驚きました。

ただのエロスじゃなくて、生(性)と死と、いろいろ深い部分もあるのですが、観賞後、う〜ん、これは解説読まなくちゃわからん、と思って調べてみました。

川端康成の「眠れる美女」と、それに触発されてコロンビアのガルシア・マルケスという作家が書いた「わが悲しき娼婦たちの思い出」という物語、そしてグリム童話や聖書の話などをもとに、オーストラリアの作家、ジュリア・リーさんが、脚本を書き、監督した作品なんだそうです。
女性の作家さんが、老人と処女、という話に魅かれたのね。

オーストラリアで鑑賞してますから、なんのぼかしもない全裸のおじいさんたちが睡眠薬で意識のない女の子にアレコレするのをみるのはあまり嬉しいものでもなかったのですが(とはいっても本人同意で金銭授与あり)、主人公を演じるオーストラリア女優、エミリー・ブラウニングさんがとてもよかったです。

この頃彼女は20代はじめくらいだと思うけれど、普段は学費、生活費のために男性と寝ることなど普通にする彼女が、全裸になると本当に細くて小柄で少女のように無防備。
いわゆる典型的な美女とも違う、彼女の不思議な魅力がこの映画を興味深いものにしてくれました。

はじめはミア・ワシコウスカがキャスティングされていたけど、「ジェーン・エア」のスケジュールとかぶったので、彼女になったそう。
ミアだったらみてなかったので(苦手)、エミリーさんでよかった。

映画的にはインディペンド系の試験的な作品っぽさがありますが、カンヌのコンペティション部門に出品されたのだそうです。

私は興味深い作品と感じたけれど、川端さんの本のあらすじを読んだら、なんだかいろいろ変えずにそのままの話の方を見たい気持ちになりました。

どうも例の「ソドムの市」っぽいシーンが必要だったのかなぁと思ってしまって。
女性を主人公にして、彼女の視点で描くというのは面白いと思うけれど。

もしかしたら個人的に「ソドムの市」を見たことが、いまだにトラウマになっているのかもしれません。

あ、でも川端康成さんがこんな官能作品を書いていたのも知らなかった〜。

本作には三つ星半進呈です。
10年越しでやっとみることができたので満足。

 

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ヤフー映画にレビューを投稿しています。

 

眠れる森の美女かと思ったら官能作品だった

 

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パソリーニの「ソドムの市」のレビューもついでに。

おすすめしません。が、四つ星つけてます(汗)

 

 

パソリーニの遺作

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気を取り直して。おやすみなさ〜い。