精神的にちょっとへこんでいる今日この頃。

昨日は欠勤。

でも今日は喉の調子も楽になりつつあるし、なんといっても気温が28度まであがって、久しぶりに半袖出勤したので、ちょっと気分がよくなりました。

まだ来週は最高気温16度に戻る日もあるようだけど、もう衣替えをした方がよさそうです。

 

先日はテレビで「ライトハウス」(2019)をみました。

 

 

The Lighthouse(邦題:ライトハウス)は1890年のニューイングランド沿岸にある島が舞台です。二人の男は灯台守としての役目を果たすために、その下の巨岩に建てられた小屋に住み込みます。任務は4週間で終わるはずでしたが、低気圧が生み出した嵐が島を孤立させ、食料は尽きて、二人は残った酒を酌み交わします。監督のロバート・エガースは「二人の男が巨大なファルス[陰茎](劇中の孤島のこと)に囚われたときに何もいいことは起こらない」と俳優たちに本作のプロットについて説明しました。Indie Tokyoより引用

 

 

 

ではレビューです。

 

 

先日オーストラリアのテレビの映画チャンネルで放映された「ザ・ライトハウス 原題 The lighthouse」(2019)をみました。

白黒で撮られたロバート・パティンソンとウィレム・デフォー主演の灯台守の話。

こちらの映画館ではコロナ禍で旧作ばかり上映されるなか、ずいぶん長い間上映されていたので、役者さんへの興味から見にこうかなと迷っていた作品。

カンヌで絶賛され、映画評論家からも高評価。

 

ところが!109分と短い上映時間なのに、観賞直後は、あ~、終わってくれてよかった!映画館で見なくて本当によかった、と心から思いましたよ~。

舞台は1890年代の島で、その頃のサイレント映画のようなほぼ四角にちかいスクリーンサイズ。

光と影の強いコントラストと灯台の耳障りな音とひどい悪天候もあいまって、みている私もこの四角い空間にとらわれたようなすごい閉塞感。

主人公たちばかりでなくこちらも気が変になりそうだ~。

 

さらに二人のセリフ、特にデフォーさんのが昔の「白鯨」のような古い英語なので、言ってることがわからないよ~。ただ訛っているというレベルじゃないです。

シェイクスピアの英語に格闘するような感覚。

 

でもね、この二人の俳優さんの鬼気迫る演技には目が釘付けです。

威圧的で狂気のデフォー。非常に彼らしい演技で、ぴったりのキャスティング。この長く古めかしいセリフ回しもよくぞ覚えた!

それに対する若者、ロバート・パティンソンは島という孤立した環境での抑圧の中で精神的肉体的にギリギリまで追い詰められていく様子がすごいです。

もう「トワイライト」の彼はいませんね。この作品ですっかりファンになっちゃったなぁ。

ふたりが狂いすぎててコミカルにみえて笑っちゃった場面も。

性的なシーンも多く、ギリシャ神話の要素も組み込まれています。

プロメテウスやプロテウス、人魚とかね。

う~ん、深いし、とてもオリジナル。

 

日本語のウィキペディアではホラー映画と紹介されていますが、ホラーじゃないです。

そういう怖さじゃない。

英語版のウィキペディアのサイコロジカルスリラーという方が正しいと思います。

 

いろいろ考えていると、実は傑作なのかもと思えてきます。

この作品は字幕付きのものがあったらもう一回チャレンジしたいです。

言葉の意味がわかっていないのに評価するのはフェアじゃないと思うから。

今の時点で、星は3~4かな。

映画館でみてこその映像体験になると思うけれど、私はやっぱり自宅鑑賞でよかったです。

 

 

おまけ:

 

観賞後に読んだこちらのネタバレ解説が参考になりました。

 

ロバート・エガース「The Lighthouse」海への恐怖、光への羨望

 

「The Lighthouse」A24xロバート・エガースが放つ閉塞感の美学

 

追記:

日本でも公開されたので、ヤフー映画にレビューを投稿しました。

 

ロバート・パティンソンのファンになりました。