付記:2019年3月にオーストラリアで鑑賞した映画が、今日本で「ポップスター」という邦題で公開されています。

下記は鑑賞時に書いたレビューです。

 

ナタリー・ポートマン主演映画「ヴォックス・ルクス Vox Lux」をみました。

 
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シンガーのセレステが、悲劇のどん底から世界的なスターへと上り詰めていく音楽映画。1999年から現代にいたるまでのセレステの波瀾万丈な人生、そしてポップカルチャーの変遷をセレステの視点から描く。(シネマトゥデイより引用)

レビュー : 日本公開はないかもしれませんが、ネタバレ注意
 
ヴォックス・ルクス。
予告編のナタリー・ポートマンの見た目で驚いて、これは見たいと思いました。
学校での生徒による無差別殺人で負傷したセレステが追悼式で歌を歌ったことがもとで、のちに大スターとなったというあらすじも、深い話なのだろうと予測されたし。
 
ところがオーストラリアで封切られてほんの二週間ほどで上映が朝の一回だけになり、ジュード・ロウとナタリー・ポートマン出演の映画なのに、こんなに早く打ち切りになるって何故?と思ったのですが。
 
もう一度見たいとは思わなくても、一度は見た方がいい、みたいなコメントを読みましたが、う~ん、一度もみなくてもいいかも。
 
この映画、いったい何がいいたいの?と思って調べたら、スター誕生の対極にある話で、ポップスターの苦悩を描く意図だったようですが、そうだとしたら、脚本、演出に難ありすぎて、全然成功していないし、ナタリーさんに感情移入もできず、消化不良でいきなり終わったかんじです。
 
振り返ってみると、セレステの学生時代までは悪くなかった。
それが18年の歳月がながれ、セレステをナタリーさんが演じるようになってからが、最悪ボロボロのセレステをみるばかりで、前半の無垢なセレステからの変貌が観客に納得できるように描きこまれていないと思いました。
 
若いセレステを演じた女優さんが、後半、セレステの娘役を演じているのですが、セレステのお姉さん役の女優さんは、後半も同じ人のまま。
ナタリーさんのお姉さんのはずなのに、特に老けメイクもしていないので、ナタリーさんよりもあきらかに若く、とても違和感があります。
意図的なことなのでしょうが、そうする必然性が理解できなかった。
ナタリーさんがやたら年取ってみえて、、それこそが意図だったのかもしれないけれど。
 
このお姉さん役の人は、ラース・フォン・トリアー監督の「ニンフォマニアック」のシャルロット・ゲンズブールの若い頃を演じた人で、それもあってか、トリアー監督と似たようなつくりの映画にもみえました。
 
最後はセレステのカムバックコンサートが長々と続くのですが、このコンサートがあまりピンとこない、、。ヨーロッパ的というか、昔のマドンナみたいというか、音楽もダンスも新しさを感じないし、心にも響かないのは、演出、振り付けのせいか、カメラワークのせいか、ナタリーさんのせいか。
ガガさんのスター誕生や、ラミくんのボヘミアン・ラプソディを見た後だと、特にその違いを感じます。監督の力量不足。
振り付けはナタリーさんのご主人によるものだそうですが、37歳のナタリーさんには無理があったような。
 
もともとが上品で美しすぎる人って、正反対な役にあえてチャレンジする傾向があるように思うけれど、ナタリー・ポートマンさんにはもっと正統派な映画で感動させて欲しい気がします。
 
この役、はじめはルーニー・マーラさんがキャスティングされていたそうで、「ドラゴンタトゥーの女」のリスベット役を思うと、あぁ、ルーニーさんだったら、適役だったかもしれない、と思います。
 
評価は星三つでも多いような気がするけれど、ジュード・ロウはよかったので、三つですえおき。
 
日本で劇場公開はないかもしれませんね、、。
 
付記:日本公開しましたね〜。(2020年6月8日)
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