また日本で劇場公開予定がなく、Yahoo映画にレビューを投稿できない映画をみてしまったので、ブログにレビューをアップしておきます。20123月の沖縄国際映画祭では上映されたそうなので、一般にも公開されることになったら教えてくださいね。
 
2011年カナダ製作のフランス語の映画、Cafe de flore(カフェ・ド・フロール)です。

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ふたつのまったく無関係のようなお話が同時に語られていきます。
 
ひとつは1969年のパリで、シングルマザーとしてダウン症の息子を育てている美容師のジャクリーン。息子は彼女の生きる意味。彼女の生き甲斐。
 
もうひとつのストーリーは2011年のモントリオールでDJとして成功しているアントワーヌ。彼には2人の娘がいて、健康で、愛しあうパートナー、ローズがいて、両親も健在。生活にも不自由していないのに、セラピストにかかり、悩みもかかえているよう。
 
はじめはアントワーヌの前妻、カロルに対する罪の意識かとも思うのですが、実はアントワーヌが自分の唯一無二のソウルメイトと確信するローズと、 同じように彼と強いつながりを感じるカロルと、彼自身には、1969年のパリのジャクリーンの話との強いつながりがあったのです、、。
 
幸福と執着と悲劇をもたらす時をこえた愛。
時としてはひとつの生だけではなく、次の生にひきついでやっと完結することもある。。
 
とそれ以上はいえませんが、普通のラブストーリーではなく、神秘的で少し「クラウドアトラス」を彷彿するような魂のお話でした。(クラウドアトラスのレビューはこちら
 
「カフェ・ド・フロール」という曲がふたつの時代をつなげ、大好きなピンク・フロイドも効果的につかわれていて、音楽がとてもいい。

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ジャクリーン役は、ジョニー・デップとの破局がつたえられるヴァネッサ・パラディ。彼女と息子役のマリン・ゲレエ君の関係がパワフルだった。モデル出身の歌手/女優のヴァネッサさん。きれいなだけではなくて、ジョニーのように素晴らしい個性を感じさせる役者さんだったんですね。

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アントワーヌ役のケヴィン・パランさんは今作が演技はじめての本物のミュージシャンだそうですが、役柄にぴったりでとても自然でした。

そしてカロル役のエレーヌ・フロランさんの深い痛みがつたわる演技が秀逸!

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ソウルメイトとの永遠の愛と許しの物語。パワフルでとても見ごたえがありました。
機会があればぜひご鑑賞を。星よっつです。