今日は6月30日に配信で鑑賞した「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992)の覚書です。
「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992)
孤独な盲目の退役軍人と心優しい青年の心の交流を描き、アル・パチーノがアカデミー主演男優賞に輝いたヒューマンドラマ。
ボストンの全寮制高校に奨学金で入学した苦学生チャーリーは、帰省費用を稼ぐため、アルバイトで盲目の退役軍人フランクの世話をすることに。
偏屈で口の悪いフランクに困惑するチャーリーだったが、フランクの姪に懇願され仕方なく引き受ける。
ある日、同級生が校長の愛車にイタズラを仕掛ける場面を目撃したチャーリーは、激怒した校長から、犯人の名を明かせば名門大学への推薦、断れば退学にすると迫られてしまう。
苦悩しながらアルバイト初日を迎えた彼は、フランクのニューヨーク旅行に強引に同行させられることになり……。(映画.comより引用)
感想
三ヶ月ちょっと前にみたので、直後の感動は薄れていますが、アル・パチーノの名演に胸がいっぱいになる映画で、五つ星評価、即決でした!
アル・パチーノさんはこの映画でアカデミーもゴールデングローブも主演男優賞を受賞。
私がオーストラリアのテレビで毎年アカデミー授賞式を見るようになったのは、おそらくこの翌年の1994年からだったので、残念ながら受賞スピーチを見逃しましたが、今はYouTubeで映像が見られるからラッキーです。
アルはとにかく「ゴッドファーザー」のマイケル役が大好きで、オンタイムではみていないけれど、繰り返し何度も鑑賞しています。
今回の作品は、お恥ずかしいことにタイトルを聞いたことがある程度だったのですが、さすがの演技に心がふるえました。
特にクライマックスの校長の諮問による公開懲戒委員会でのシーンが素晴らしい!
さすがシェイクスピア俳優です。
アルのモノローグは圧巻で、彼のキャリアの頂点と評する人がいるのも納得します。
苦学生チャーリー役はクリス・オドネル。
クリスというと「バットマン」のロビン役だったことしか記憶にないけれど、その前にこんな素晴らしい役を演じていたんですね。(ロビンをやったのは彼のキャリア的には失敗だったのかも?)
そしてフィリップ・シーモア・ホフマンはこの頃からちょっと嫌な個性的な役柄をしていたのですね。
「セント・オブ・ウーマン」というタイトルだから、女性とのセンシャルなお話かと思ったら、そういう映画ではありませんでした。
盲目のスレード中佐(アル・パチーノ)は嗅覚がするどく、どんな女性の香水・石鹸の香りもピタリと当ててしまうというエピソード。
香りって体にまとうものだから、センシャルなイメージがありますよね。
アルは2007年にAFI (アメリカ映画協会)生涯功労賞を受賞したそうだけど、あの時、アルとタンゴを踊ったガブリエル・アンウォーさんがスピーチをした時の映像が流れてきて、これがまたとてもセンシャルだったので貼っておきます。
映画での彼女の出演シーンは短かったけれど、このタンゴが彼女の大きな転機になったかもしれませんね。
このスピーチの時、アルは67歳。
昨年は84歳で子供を授かっていたし、本当にいつまでもお元気でいてください。
配信だと高画質でみられるから、未見の方はぜひおすすめします。
名作です