初めてのレコーディング
昭和五四年五月二五日。
芸能界という荒波に小さな船を漕ぎ出した記念すべき日。
デビュー曲はイルカさん作曲の『キャンパススケッチ』。レコードの片面には、国語の時間に作った『雨よ流して』を収納。
二曲とも石川鷹彦さんにアレンジをお願いしました。
クラウンのスタジオでレコーディングでこんなにも曲のイメージが変わるものかと感動し、また弦の音色に思わず涙したのも、この曲です。
音羽ゆりかご会時代、すでにレコーディングを経験していた私でしたが、やはり『虹のリボンちゃん』や『ちびっこモグ』とは次元が違いすぎました。
広いスタジオにひとりっきり。
ヘッドホーンからカラオケが流れてきて、それにあわせて歌う。神部さんが気づかってスタジオ内のライトを少し暗くしてくれる。
『出だしの音程、悪いから気をつけてね』
『ハイ・・・・・・』
『もうちょっと、そこの部分は感情をこめて歌ってみて』
『ハイ・・・・・・』
『エート、そこはねェ・・・・・・』
『・・・・・・ハイ』
そのうち、だんだん声をだすことすら怖くなってきて、どう歌ってよいかわからなくなってきたのです。
歌を歌うって、本当にむずかしいことなんだァ~って、痛感せざるをえなかったのです。
オマケ

