1983.11頃の記事です。
7ヶ月ぶりの新作「ターニング・ポイント」とシングル「季節」を出す聖子ちゃん。今回はよりリアルな世界を歌いあげている。
-----それではまず、このアルバム「ターニング・ポイント」とシングルの「季節(シーズン)」で新しいレコード会社に移籍しゃたわけだけど、気分は?
「はい。レコーディングに影響という点では別になにもないんですけれど、新しいレコード会社にあいさつに行ったときなんかに、”心機一転、ああ、がんばらなきゃいけないんだな”という意味でプレッシャーはありましたね」
-----それで「ターニング・ポイント」っていうアルバムなんですが、これまで”夢みる少女”という感じだったのに対して、すごくリアルな感じがするんですよね。
「自分で作った詞なんかそうですけど、今まではオブラートに包んだような表現だったり、そういうものを、題材にしてたりしたんです。でも今回はわりとストレートな言葉を使ったり、ラブソングだけじゃなくって、えらそうな言葉では言えないんだけど、21才なり自分なりに感じたことを歌にしたんです。人生というほど大げさなことじゃないけどこれまで生きてきて楽しかったこと、ツラかったことを歌にしたいって前から思ってたんです。でも17才や18才のときじゃ取ってつけたような言葉になっちゃうと思うし。で、ようやく最近になって21才なりの言葉で書けるようになったんじゃないかと思って数曲入れてみたんです。だから、そういう意味では”詞がリアルになった”という印象を受けたんじゃないかと思います」
-----オリジナル以外の詞は?
「三浦徳子さんと中里綴さん。三浦さんは前の「卒業」というレコードが初めてだったんですけど、今回2曲書いていただいて、幼い詞だな、と思いました。あと中里さんのほうは大人っぽい詞を書いていていただいて。こういう詞は、自分ではまだ思ってても書けないというところがあるんで、けっこうフォローしてもらったな、という気はしてますね」
-----それじゃ、リアルな曲を書く機が熟したという感じ?
「いえ。まだ熟し切ってはいないと思うんですけど。デビューして4年半たって、去年「少女期」というベスト・アルバムを出したりして、ある意味でひとつの区切りがあったと思うんです。で、まあ物事っていうのは3年ごとに区切りがあると思うんですけど、これからは、”少女期”から一段階あがっていこうかなというところなんだけれど、女への階段はまだまだ・・・(笑)。3分の1ぐらいですね、熟しているのは。そういう意味ではこれからの曲作りの方向性を出した第一歩だと思うんです」
-----でも、リアルになった分聴く方はシンドイかなという気もするんだけど・・・。
「前から聴いてる人はそうかもしれませんね。でも、「ターニング・ポイント」っていう曲なんか中森明菜か三原順子かみたいな曲で、”歌えるかな”というのがあったんですけど、そういうことで自分の可能性を狭めたくなかったんです。アレンジも、前と同じ人なんですけどシンセ・ドラムとか使ったりしてポップで、”ハデだなー!”という仕上がりなんですけど、でもホントに私の事をわかってくれている人なら納得してくれると思いますね」
-----それでは、このアルバムでは21才の沢田聖子が出てる!?
「そうですね」
-----実際はどうなのかしら。ほかの一般的な21才と比べて”沢田聖子”という人間はどういう位置にあると思う?
「そですねー。客観的に見て幼いですね」
-----どういう部分が?
「たとえば、服装とか、お化粧とか、容姿的に見ても。みんなはハイヒールをはいてたりするし・・・・・・。だからわたしは幼い・・・・・・幼いというか、自分はこれでいいと思ってるんですけど、まわりから言われるんで(笑)。自分でははたちから21になって、”色気が出てるんじゃないかな”なんて思うんですけどね(笑)。たしかに17,18才から21才の4年間というのは、今ふり返ると、考え方が毎日違ってたように思うんですよね。だから精神的には大人になってる・・・かな・・・という感じですねエ」
-----でも、やっぱりハイティーンの時期っていうのは外からの刺激に対して”あっ、これはすごい!これもすごい!”みたいな時期だったでしょ。だから、アーティストっていうのは、そういう部分がずっと残っていてほしいなと思う。
「そうですね。だから”永遠の17才”でいたいなと思います(笑)。感性に関しては、いつもときめいていたいな。たとえば街で、春になって新芽が出たときに、”あ、新芽が出てる”って過ぎちゃうんじゃなくて、新しい生命が息づいてるというか、ときめきみたいなものは齢をひとつずつとっていっても忘れたくないなというのはありますね。そういう意味では、16、17才の「わっ!キャー!どーして!?”みたいな部分を忘れちゃったら、詞とか作れなくなっちゃうと思うし」
-----ところで、シングル「季節(シーズン)」も一緒にリリースされるんですけど、こちらも教えてください。
「えーと、最初これを書いたときはまさかこれがシングルになるとは思ってなかったんです。ステージではもう歌ってるんですけど、レコードとまた違った雰囲気で、ステージ映えする曲かな、なんて思ってるんですけど。でも・・・自分の作った曲がシングルになって、うれしいです、はい。それから、B面の「独りぼっちの終局」もいい曲なんですけど(笑)。どっちかというと、こっちのほうがわたしらしいかな、という気もするんですけど・・・。だから、はい、聴いてください。ふふふ」
-----チャートは気になる?
「やっぱり、こういう仕事やってるかぎり、1回でいいからシングル・ヒットを出してみたいですね。オリコンでいつも右(51~100位)ばっかりで、できれば左(1~50位)に入ってみたい!(笑)。でも、マイペースだからいいかなとも思うし、そのへん微妙ですね。曲が売れれば、いろんな所でコンサートをやりたいという目標に近道できると思うんですね。だけど-、そのあとが大変になるんじゃないかなとも思うし。でも、1回目のコンサートは10人だったのが次には15人というような地道な活動で、時間はかかると思うけど、すごくいい状況で仕事できてるかなという気もしてるんですけど、だから、今の自分に満足する部分と、やっぱり、もうひとつ欲が出てもうちょっとやりたいなと思う気持ちがあってすごく微妙なんです」
-----しかし、会う前の”ふわっ”としたイメージとは違うんですね!?
「あ、よく言われます。”よくしゃべるんですね”とか。写真とかだとコスモスみたいなイメージらしいんだけど、アザミですね、これは(笑)」
オマケ
先日の広島:楽座ライブでリクエストに挙がった
マニアックな楽曲
佐田玲子さんのブログはこちら
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家族がEXILEライブで出掛けた大阪のお土産
残念!!


